カープダイアリー第8538話「マツダスタジアム公式戦チケット狂騒曲にピリオド?サンフレッチェ広島ナイスアシスト!」(2024年2月28日)

カープ球団は2月27日、公式サイトで次のような告知をした。

<オンラインチケット購入>
 
2024年度公式戦入場券は3月1日(金)午前8時よりホームページにて販売開始いたします。マツダ スタジアム窓口は3月7日(木)午前10時より販売開始を予定しております。
 
※サイトには、3月1日(金)7時45分よりアクセスいただけます。
今シーズンより導入いたしました「仮想待合室」ページにてお待ちください。
2024年度 JERAセントラル・リーグ公式戦入場券オンライン発売時の「仮想待合室」の導入について
 
3月1日(金)8時から予定しております、2024年度 JERAセントラル・リーグ公式戦入場券オンライン発売に際して、アクセスの集中が予想されます。「カープ公式オンラインチケット」へアクセスされましたら、一度「仮想待合室」でお待ちいただき、順番にサイトへご案内させていただきます。
 
「仮想待合室」とは?
「仮想待合室」とは、サイトへのアクセスが集中した際に、一度サイトへのアクセスをお待ちいただき、順番にご案内するサービスです。「カープ公式オンラインチケット」では、アクセス集中によるサーバーダウンやシステム不具合の発生を防ぐため、「仮想待合室」サービスを導入いたします。「仮想待合室」の流れをご案内いたします。
 
……
 
このあと、公式HPでは「仮想待合室」の流れを詳しく説明している。それらは、これまでのチケット販売に関する球団対応を一変させるものとなっている。
 
2月28日付の中国新聞27面も“大本営発表”を詳しく報じている。
 
記事内では「このシステムは東京五輪の入場券販売時にも採用され、他球団ではロッテが採用している」と紹介されている。
 
だが、それだけでは説明不足だ。実際にそうなら、東京五輪開催翌年の2022年からでも即、採用されてしかるべきだろう。東京五輪は今回のカープ球団の動きとは関係ない。
 
2021年3月のカープ公式戦チケットは、コロナ禍の影響で初めて窓口販売が中止されたため、ネット販売へのアクセスが集中した。販売開始と同時にネットはつながらなくなりファンから嘆きの声が上がった。

「仕事前に頑張ったけどぜんぜん繋がらない」

「ローチケ30分で全滅売り切れ、HPはシステムエラーばっかで2時間経ってもほとんど繋がらず」

「買えた人が羨ましい、もう転売されるし」「1枚13万円とか出てましたよ、ここまで高いやつは全部返して欲しい」

こうした状況は2015年の黒田博樹&新井貴浩同時帰還とともに顕著になり、マツダスタジアムのチケット関連で逮捕者が出るような事態までなった。だが球団側は次々と“悪手”を打つことには熱心だったが、効果的な対処はしてこなかった。その過程からは、チケットに対するファンの枯渇感を意図的に演出してきた形跡が浮かび上がってくる。

窓口販売に並ぶために必要な整理券を求めて、5万人とも6万人とも言われるファンが押し寄せ、マツダスタジアム周辺はおろかJR、高速バスなど市内の交通機能を危機的状況に晒したケース(2019年2月)などは、その最たる例だろう。

あるいは整理券欲しさに夜通しマツダスタジアムに詰めるファンによって生まれた無数のテント村大騒動(2018年2月ほか)、その整理券を“総出”でかき集めて(2019年2月)ネットオークションでの高額チケット転売にひた走る転売ヤーたちの暗躍。いずれも球団は見て見ぬふりを繰り返してきた。窓口に1時間以上居座り、ひとりで525万円分も購入した男性もいた(2018年3月)。

そのたびに全うなファンからは「いい加減、球団はきちんと対策して欲しい」という声が上がっていたが、毎年、公式戦チケット販売の時期になると同じようなことが繰り返されてきた。

こうして迎えた新井カープ1年目、2023年3月1日も午前8時の公式戦チケット販売と同時に球団HPにアクセスすると「503ERROR」になりファンは打つ手なし。午後3時前になって「やっとスムーズにつながるようになりました」という状況だった。

では、どうして動かざること岩のごとし、のカープ球団が動いたのか?答えは2月に新たに誕生したサンフレッチェ広島の本拠地、エディオンピースウイング広島の影響が大、ということになるだろう。

1月23日正午から、エディオンピースウイング広島のこけら落としとして開催されるプレシーズンマッチ、サンフレッチェ広島-ガンバ大阪の入場券がネットで販売されたが、その直後にシステムがダウンして販売停止となり26日に販売再開となった。

その際、サンフレッチェ広島が導入したのが「仮想待合室」だった。やれば、たったの中2日でもできるものを、カープ球団は2015年以降、8年間もやらずに来た。

だが、サンフレッチェ広島の本拠地、エディオンピースウイング広島がマツダスタジアムと直線距離にしてわずか3キロの位置で稼働、しかもキャパいっぱいの2万8000人前後の入場者を、2月23日のJ1開幕戦を含めて2試合続けて円滑に受け入れ、さばいたため市民やファンから「どうしてマツダスタジアムだけできないの?」という声が上がる事態となった。

それがなければまたカープファンは辛い公式戦販売日を迎えるところだった。さすがはサンフレッチェ広島、ナイスアシスト!

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