カープダイアリー第8529話「阪神・村上の前に無安打、”競争”でどれだけ成長できるか?」(2024年2月19日)

沖縄での休日初日も好天に恵まれた。コザしんきんスタジアムでは清掃作業などが行われ、選手の施設使用は不可。隣接する屋内練習場ではあすのシート打撃に登板予定のトーマス・ハッチが体を動かした。

野手組では二俣と、「外出禁止」を紅白戦スタメン紹介で公表された?中村奨成。内外野で生き残りをかけてバットを振るふたりにとっては正に正念場。あと数試合で、また二軍に戻るか、このまま踏ん張るか、が決まる。

1年経つと立場は大きく変わる。昨季のキャンプで内野陣に新風を吹き込んだのは韮澤だった。しかし今回は目立たない存在に甘んじている。

ロッテとの練習試合では八番セカンドスタメンで2の0、四回には初めて飛んで来たゴロを弾いて失策が記録された。最初から打球にアジャストできていなかった。続く阪神戦は代走からの出場で2の0。打球が外野に飛んでいない。

どうして悪い方へ、悪い方へと結果が出るのか?それは本人の中でいろいろあるのだろう。一方、“外野”から見ている側からすれば「どうしてあんなに元気がないの?」という素朴な疑問が湧いてくるような状態だ。

新井監督の下では多くのチャンスを与えられるようになった二俣も、そろそろ徳俵に足がかかっている。チーム編成上、右の長距離砲の育成は必須条件になっているから沖縄に置いてもらってはいるが、やはり目立たない。対外試合では計5の0。ともに途中出場でセカンド、ショート、サードを守った。

このふたりに比べると、中村奨成の打球は遥かに上を行っている。やはりともに途中出場ではあったが、ロッテ戦ではレフトオーバーの三塁打とセンター前ヒット。阪神戦は1打席だけだったが、桐敷から四球を選んだ。

対桐敷ではボール球に手を出しかけて止まることができたのが大きい。一方、振れば強い打球が飛ぶ。ロッテの左腕鈴木から放ったヒットは強く叩いたため打球が空中イレギュラーしながら中前に抜けた。

ただし打ったのはいずれもストーレート系。剛対剛の勝負には対応できても剛軟織り交ぜの相手の時にどうか?当然ながら首脳陣もそこを見ている。

沖縄第1クール最終日を総括した新井監督は、大勢のメディアに囲まれて何度も「競争」の2文字を繰り返した。ただし、その「競争」が高いレベルにないとチーム力は上がってこない。阪神戦では126番をつけた福島が八回の第1打席で河野にぶつけられたあと、九回に内間拓馬から右前適時打を放ち、虎ファンから一番大きな拍手を送られていた。

スタメン出場のチャンスをもらった前川や小幡や小野寺はいずれもヒットを放ち、6人で繋いだ投手陣は完封リレーだった。

公式戦で今シーズンまた同じような試合を阪神相手にしないためには、ひとり、ふたりと村上から快音を響かせる若手が出てこないといけない。だが田村俊介は一ゴロ(大山弾いてエラー出塁)、林は詰まらされて浅い右飛、小園はセンターライナー、中村貴浩は4球であっさりと空振り三振…だった。


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