カープダイアリー第8531話「気温上昇、背番号90番台の戦いヒートアップ」(2024年2月21日)

沖縄入りして一番の、強い陽射しが3時間ゲームのあと少し弱まった。午後4時、DeNAとの練習試合終了。規則ではその時間には退出することが求められている両チームのファンが、大勢残ってゲームの余韻を楽しんでいた。

しばらくして新井監督のテレビ用共同会見が一塁ベンチ前で始まった。それが終わると、指揮官は番記者らをちらりと見てそのまま立ち去ろうとした。いつ、何時も、新井さんは新井さん…だ。

試合結果は1対2。相手の7安打に対して8安打を放った。

-先発はアドゥワ。

「ストライク先行で、カーブで緩急をつけられて良かったと思います」

2019年、先発で3勝した右腕は初回、二番の関根に対してカーブ2球でボールカウント0―2とした。三回に4連打され1点を失ったがテストは今後も続く。

-ルーキー左腕ふたりが投げた。

「(笑いながら)良かったと思います。ふたりとも、投げ終わって話に行ったら、すごく緊張しましたと…。ゼロで抑えて立派なもの!」

アドゥワのあと四回と五回の先頭打者に投げた高太一は打者5人、無安打2四球。七回に5番手で投げた滝田一希も連続四球で迎えた無死一、二塁で東妻を遊ゴロ併殺に取り難を逃れた。

スタメンは…

セカンド菊池
ライト田村俊介
ショート小園
DHジェイク・シャイナー
ファースト林
レフト中村貴浩
サード二俣
キャッチャー石原貴規
センター中村奨成
先発アドゥワ

守っても、初回先頭の注目ルーキー・渡会のゴロをさばくと、三回までで計4個の捕殺を記録した。こうした姿を、矢野や韮澤あたりは目に焼き付けておく必要がある。いきなり飛んできても普通にさばく、対外試合最初のひと振りでも、しっかりバットの芯に当てる。それができないと安定した数字は残せない。

実戦に備えてこの日の全体練習は早めにスケジュールを消化した。そんな中、朝イチで外野フェンス沿いに集まった堂林、田中広輔、菊池はウォーキングからゆっくりと始動した。

ただし田中広輔や堂林は打撃ローテなど全体練習の中に入れば若手に負けぬよう、あるいは若手以上にバットを振ったりしている。ところが菊池は常に立ち姿が緩い。フリー打撃でバットの入射角チェックにポイントを置き、強く振らないのも例年通り。それでもけっきょくは開幕スタメンに名を連ねる。しっかり逆算ができている。

対外試合3戦ともスタメンに名を連ねたのは田村俊介、小園、ジェイク・シャイナー、林、中村貴浩の5人。

田村俊介は初回の第1打席でショートバウンドに手を出して空振り三振。さすがにこの日は力みや体の開きが目立ち、その後も第2打席四球のあと、ニゴロ併殺打と左飛に終わった。

小園はバットを巧く使って右前に2の2。打撃練習でも好調をキープしており、そのまま結果につながっている。

ジェイク・シャイナーは初回に森唯人の力のある球をセンター左に弾き返した。三回の二度目の対戦は三飛だった。

林はこの日も4打席もらってレフト線に二塁打1本。中村貴浩は4の0、やや打撃に迷いが見える。

一方、3試合目にして待望のスタメン出場となった二俣と中村奨成は明暗を分けた。

初の一軍出場を目指す二俣は二回の第1打席で初球を打ってレフト線適時二塁打。四回の第2打席でも上茶谷からレフトオーバーの二塁打。ボールカウント2-1からの真っ直ぐ系を確実に掴まえた。

「いいスイングだったと思います。これを自信につなげて欲しい」(新井監督)

二俣とともに休日練習にも取り組んだ中村奨成はこの試合で4度バットを振った。結果は初球打ち二飛、中飛、ファウル、そしてハーフスイングの三振。最後に対戦したのは雰囲気満点の大卒ルーキー、松本凌人。プロの洗礼を浴びせるはずが、力で押し切られた。

剛対剛で相手を上回ろうと思えば確かに力強さは欠かせない。だか、菊池なら右横手投げから繰り出す真っすぐでも変化球でも前に弾き返しただろう。時として剛には軟の方が有効だ。

せっかくもらった打席を生かすも殺すも自分しだい。休日明けから始まるオープン戦では打たない選手の打席は減らされる。99番は外野も練習している。96番は97番とともに正念場を迎えつつある。

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