カープダイアリー第8563話「新戦力でソフトバンク打線活発化、カープ打線には春雨前線」(2024年3月23日)

福岡PayPayドームの集客力には改めて驚かされる。前日の金曜ナイトゲームには3万5885人、この日は午後1時プレーボールで3万9131人。もちろんカープファンも熱いが、ホークスファンの熱気は強烈だ。

試合は5対1でソフトバンク圧勝した。あすの広島は雨予想で、“最終戦”先発にスチュアート、二番手に小関を投入した小久保監督にとっては、手ごたえ十分の“オープン戦締め”となったはずだ。

新監督率いるチームの最大の魅力は長打力。栗原、ウォーカーが矢崎から2者連続ホームランを放った前日に続いて、この日は先発の森下に対して初回に柳田が2ラン、二回に先頭のウォーカーが12球団トップの5号ソロを放った。これぞ“新鮮力”…

16試合で18発。応援する側にとってもこたえられない状況になっている。

一塁側ベンチも雨を見越して森下3イニング、床田5イニングという継投になった。

森下は初回に22球を投じて11分、二回に22球を投じてまた11分を要した。対照的に床田は10球4分で入り、その後も3分、7分、6分、2分で一発のある打線を抑えた。

ツーシームはもちろん、チェンジアップ、パーム、スライダー、カーブとどの球種でもストライクが取れるから相手に粘られることがほとんどない。何よりテンポがいい。

どうやら森下は大事なことを忘れているようだ。それは床田のように向かっていく姿勢。開幕までに今一度の“闘魂注入”が必要だろう。

「点を取られたけど開幕前で良かった。フォアボールを出してから(の2ラン)や、ランナーを出してからの初球の入りは反省点だけど(7球2分で終えた)三回はストライク先行、ゾーンで勝負できた。開幕前に反省点が出たのをいいことととらえて、こんなふうにならないようにいい準備をしたい」(森下)

こうして自身の“今”を言葉にできるなら次回に期待!となるのだろうが、どこをどうすればいいのか?が分からない面々が、開幕オーダーに名を連ねようとしているから打線の方は深刻だ。

スタメンと交代選手(試合後のオープン戦打率)
センター野間・091→久保・214
セカンド菊池・188→矢野・250
ショート小園・333→松山・500
サードレイノルズ・171→田中広輔・280
レフト堂林・192→上本・200
ライト田村俊介・261
ファーストシャイナー・122→中村健人・152
キャッチャー曾澤・308→石原貴規・167

野間はこの試合でも遊ゴロ2つと遊飛に終わり打率が1割を切った。四球も選べていない。

試合前に秋山が左くるぶしを痛めて先に広島に戻ったことが発表された。ますます「開幕一番候補」に頭を痛めなくてはいけなくなった。

両外国人もしかり。良化の気配が感じられない。

この日、唯一の打点を犠飛でマークしたレイノルズですら開幕四番には疑問符がつく。シャイナーに至っては福岡に来て三ゴロ、遊ゴロ、三邪飛とニゴロ、三ゴロ、三ゴロと惨憺たる状況で、上体が突っ込んでは撫で凡打退…の繰り返し…

一方で、この日、右フェン直二塁打を放った小園や、松山、田中広輔、曾澤は数字を残し、内容も伴っている。矢野もしぶとい打撃に徹しており、成長の跡がうかがえる。

田村俊介は前日に続く3タコで福岡遠征は合計2三振と内野ゴロ4つに終わった。ここにきて力みが優先して、バットがしならなくなった。一発を放ったあと、ありがちな話だ。。

中村健人の新打法も、相手バッテリーとの駆け引きが必要な打席で、やはり“しなり”が使えなくなった。

堂林は打率2割に届いていないが、柵越え2本は完璧でシャイナーに代わって開幕スタメンに名を連ねる準備を整えたと考えていいだろう。

これらの状況を総合的に勘案して首脳陣がどんな結論を導き出すのか?

あすの広島の天気と同じく投高打低の春雨前線通過後に、マツダスタジアムそばのソメイヨシノも開化の時を迎えることになる。


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