カープダイアリー第8589話「マツダスタジアムがエディオンピースウイング広島に追いつかれる日」(2024年4月18日)

この日曜日にエディオンピースウイング広島で“大きなサッカーイベント”がある。

<MIKASACUP 全広島サッカー選手権大会決勝大会 兼 天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会県代表決定戦>

長い大会名だが、J1・サンフレッチェ広島を除く広島県サッカー界の王者決定戦で勝った方は天皇杯に進む。

社会人と大学の4強、計8チームでトーナメントを戦い広島経済大学と福山シティFCが決勝に進んだ。

前回大会までは、広島市中心部からは己斐の山の向こうに隠れて見えなかったエディオンスタジアム広島や広島広域公園第一球技場で行われていた。

それが街中に移動してきた。サッカー関係者の喜びは大きい。今や全国に知れ渡った国内最先端のスタジアムで広島ナンバーワンを争えるのだから…しかも入場は無料だ。

サンフレッチェ広島は新スタジアム効果を強い追い風にして、開幕から常時、優勝争いに絡んでいる。8試合を消化して無敗。首位のセレッソ大阪に勝ち点差2だ。

ホームゲームは常に満員で、スタンドは紫の熱気に溢れている。

J1リーグ開幕戦とエディオンピースウイング広島“デビュー戦”が重なった2月29日(祝)の浦和レッズ戦は2万7545人を集めた。それ以後も2万5500人以上で推移している。

プロ野球開幕は3月29日。

で、地元開幕のヤクルト戦は4月2日(火)が2万8078人で雨天中止を挟み4日(木)が2万2072人だった。
 
カープとサンフレッチェ広島が初めて同時刻にホームゲームを消化したのが4月7日(日)。中日戦のマツダスタジアムには2万9946人が入り、湘南ベルマーレ戦のエディオンピースウイング広島には2万5515人が入った。さすがにマツダスタジアムの方が多いが、しかしこれがもし平日ならどうなるのか?

同時開催の2度目は6月26日(水)。マツダスタジアムではヤクルト戦が、エディオンピースウイング広島ではアルビレックス新潟戦がある。

詳細なデータは持ち合わせてはいなが、コロナ禍の特別なシーズンは別としてもカープの集客数がサンフレッチェ広島よりも少なかった日はたぶんないだろう。

今、広島県サッカー協会関係者は「女子や幅広い層へ向けたサッカーの普及」を進めている。それは日本サッカー協会の森保ジャパンを頂点とした国内サッカーの普及発展に向けた努力目標とも重なる。

戦後間もない1949年12月に誕生したカープと、1992年4月生まれのサンフレッチェでは歴史が違う。だが、昨年の県内男子高校生の全国大会予選参加チーム(参加校)はサッカーが84チーム・92校で硬式野球が83チーム・89校。女子に目を移せば競技人口はサッカーが圧倒的に多い。

若い世代はやがて家族を持ち、子どもの手を引いてスタジアムに足を運ぶ。エディオンピースウイング広島には「基町・紙屋町・本通りショッピング&グルメ」というマツダスタジアムにはない集積スポットもある。

もちろんNPBとJリーグは同じ土俵では比較できない。両スタジアムは自転車移動でも20分かかるかどうか、という距離にある。広島に観光でやってきた人ならどちらの試合も見ることが容易にできることも付け加えておく。
 
広島人はやっぱり幸せだ、ということも…
 

 


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