カープダイアリー第8522話「日南キャンプ実戦最終日、シート打撃に見る新井監督ら首脳陣の意図」(2024年2月12日)

新井カープ2年目の日南キャンプは明るく、元気に、しかもあっという間に移動日前最終日を迎えた。

第1クールでは雨に祟られたが、キャンプ後半は南国の強い陽射しが降り注ぐ中、日焼けした選手たちの表情がどんどん逞しくなった。

総仕上げの3日間は連休と重なり、紅白2連戦で互いに火花を散らしたあと、この日は午前11時からシート打撃での真剣勝負、となった。

日南最終日のマウンドに上がったのは、大道、高太一、滝田一希、そして二軍からの“推薦状”を携え、初めて天福球場に乗り込んできた育成ドラフト1位の杉田健だった。打者4・5人、20球前後を目途にこれまでやってきたことを表現できるか、どうか…

受けて立つのは田中広輔、ジェイク・シャイナー、マット・レイノルズ、宇草、内田湘大、矢野…

田中広輔は新井監督の下で完全に息を吹き返した。1年前のこの時期、いい感じでスイングしていたがまだファンの目、周囲の目は懐疑的だった。結果は3年ぶりに100試合出場クリア!まだまだ十分にやれる、そんな雰囲気を漂わせつつ、早めに目慣らしして仕上げていく。

両外国人は日本での生活に慣れながら、徐々に…だろう。

宇草が呼ばれたのは興味深い。「少しでもいいものを見せられるように…」。1年前のこの時期には一番候補としても名前が挙がっていたのに、まったくいいところがないままシーズンを終えた。さらに田村俊介ら若手の台頭によってますますその立場は厳しいものになってきた。それでも現時点での打撃がどんなものか、を自身の目確認するところが新井監督らしい。

内田湘大も、まだまだのレベルではあるが一軍首脳陣としては見ておきたい人材だ。矢野は打撃が課題なのに紅白戦2試合でその内容はさっぱり…今の打ち方では厳しい。打席に数多く立たせてもらえるのは幸せなことだが、チャンスがもらえる今のうちに形を作りたい。

大きな拍手を受けてゆっくりとプレートに歩み寄った大道は、わずか9球でお役御免となった。田中広輔・三飛、シャイナー・浅い右飛、レイノルズ・遊ゴロ、宇草・内野安打。真っすぐの威力で押し込めていた。

高太一は18球。内田湘大・右飛。矢野・投直、田中広輔・一塁強襲安打、シャイナー・四球。「変化球の腕の振りが弱かったのでしっかり修正したい」

滝田一希は16球。レイノルズ・四球、宇草・右前打、内田湘大・空振り三振、矢野・左前打、シャイナー・右前打。打者5人で被安打3。8日のランチタイム打撃で一緒に投げた赤塚健利は今回のシート打撃参加を見送られた。滝田一希も踏ん張りどころだ。

杉田健は16球投じる中でボール球は4球。緊張感いっぱい、という中でも良く投げた。最高球速も149キロが出た。レイノルズ・見逃し三振、田中広輔・右前打、内田湘大・空振り三振、宇草・投直…

宇草の強烈なライナーが体の中へ入ってきそうなところを、グラブをうまく使ってキャッチしてそのまま120番をつけた背中から倒れてスタンドを沸かせた。

練習後に沖縄行きメンバーが発表された。第2クールから合流した二俣、韮澤、中村奨成、塹江はそのまま一軍に帯同する。トーマス・ハッチ、テイラー・ハーンの新外国人投手コンビも沖縄での実戦に投入される。

遠藤は予想通り日南組に回された。日髙暖己、コルニエル、羽月、ドミニカ練習生コンビも日南に残る。

沖縄移動後、今週末から対外試合が始まる。スタメンでは誰が一、二番を打つのか?外野陣はどんな顔ぶれになるのか?ピッチを上げつつある常廣羽也斗のデビュー戦も注目される。

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