カープダイアリー第8512話「末包開幕アウト!森下開幕投手へ始動」(2024年2月2日)

日南の夜明け、見上げればきょうも曇り空、そして雨…

午前中の全体練習は初日に続いて屋内スタートとなった。こういう流れはよくあることだが、選手にとっては調整が難しい。

狭いスペースでのアップでは、どうしても体の動きが限定される。ケガや故障防止のための準備は万全とはいかない。

ケガで言えば末包の状況報告が日南に届いた。前日の診断の結果は「左膝内側半月板損傷」。全治は未定で、決して軽いものではない。新井監督は「いつ復帰できるか分からないが、開幕までに直そうとすると焦ると思うので、本人にはしっかり治すようにと伝えた」といつものようなコメントを出したが、これで首脳陣は開幕スタメン構想をイチから練り直す必要性に迫られた。

龍馬が抜けた外野の一角に末包、あるいは新外国人ジェイク・シャイナーがモノにならなければファーストで起用。状態を見ながら四番に固定する、という流れがこれで不可能になった。

堂林がいるから大きな穴にはならないが、チームのホームラン数は下方修正される。もちろんその間隙を縫って田村俊介が台頭してくれることをファンも首脳陣も願ってはいるのだろうが、こればかりは紅白戦、オープン戦、開幕と段階を上げていかないと見えてこない。

四番候補脱落の悪いニュースとは対照的に、開幕投手候補の筆頭、エースの気配が漂う森下は順調に始動した。

ブルペンでの立ち姿からして違う。ひと冬超えて、また精悍さが増した。

黒田球団アドバイザーの後方からの視線もぜんぜん気にしていない。坂倉のミットめがけて26球。打席の矢野の内角を突くスライダーも披露した。

「いろいろ試せたらな、と思いながら投げました」

1月の自主トレでマエケンから伝授されたのはスライダーの握りや投げ方だけではない。もっと大事なことを数多く学んだ。日々の積み重ね、練習との向き合い方、そして短期、中期、長期での進化に向けたモノの考え方…

年末の契約更改ではチラリとしか話に出ていなかった「メジャー挑戦」の夢は「マエケンさん」と行動を共にすることでさらに具体化したに違いない。

「チームに一番貢献したいと思っていますし、チームが勝つためにどうしたらいいのかっていう行動をしながら、とにかくレベルアップするようにやっていきたいなと思います」

そう、もう先輩たちについて行く立場ではなくなった。今季の数字しだいでは九里、大瀬良を追い越して投手陣トップの年俸も狙える。だから大事なのは「一番」でいること。もちろんそれはチーム内だけの話ではなく、リーグの頂点を目指すことを指す。


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