思想家がやるべきことは「生きることと死ぬこと」について考えることだと思う。 生きることについて考えること。それは人生の諸相、人間存在の本質を突き詰めてゆくこと。そして私たちがどうすれば世界をより良くできるのか、少しずつ答えを探してゆくこと。 死ぬことについて考えること。それは見えないものを感じること。聴こえない声に耳を傾けること。私たちが生き抜いたあと、生命が何処へ向かうのか追いかけてゆくこと。 意味なき世界、価値なき世界で、私たちはどう生きて、どう死ぬか。それ
小沢健二は変化した。特にその歌詞が。あるいは歌詞の裏にある意味が。また、その表現が。 人はいつまでも瑞々しいままではいられない。時間と共に歳をとり、必ず老いてゆく。それは決して悪いことではないし、変えようのない真実だ。けれど、もし神が許すなら小沢健二のあの若い頃の感性だけは変わらないままにしておいてほしかった。 もちろん今の小沢健二が悪いわけではない。若い頃よりもむしろ洗練された部分もあるし、歌詞の内容も具体性というか、エッセイ的になっていて面白いと思うところも多い