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臓器に相談しない人々

人は自分が食べたいから食べ、呑(の)みたいから呑む。それは自分の自由であり、人はこの細(ささ)やかな自由を謳歌(おうか)したい。医者に飲酒を止められると断腸の思いである。だが本当は医者に止められる前に、自身が体感的に飲み過ぎだと気づかないといけない。酒好きだから、酒を浴びる程飲みたい。だがその時自身の内臓は、疲弊し傷つき悲鳴を上げている。私は酒飲みなので、塩っぱい物が好物なんです。だがあなたの舌がそれを欲しても、あなたの腎臓は、拒絶反応を示しているかもしれない。こうして人々の食習慣は、自分の好みと性癖によって、胃とか膵臓(すいぞう)といった自身の大切な臓器を疲弊させている。グルメを自慢して食道ガンや大腸ガンを患ってしまう。あなたの肝臓のアルコール分解能力はもう限界なんです。あなたの身体はもう砂糖の摂取に堪(た)えられません。にもかかわらず、コーヒーに砂糖を何杯もぶち込んでいる。これは客観的に見て、自分の臓器を自分が拷問にかけている。自由の行使が自身を病(やまい)へと誘(いざな)っている。人間は、健康よりも病気の方を欲していたのだろうか。自由の謳歌は間違いだったのか。今人類の臓器という臓器は相当疲れ果てている。あなたの臓器を救えるのは、一体誰なのか。

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