メジャー挑戦問題について考える

つい先日上沢投手(日本ハム)のポスティングに関するして、球団はそれを認めるようだという記事が出ていました。
その一方、高橋光成投手(西武)の記事では球団は認めない方針と書かれていました。(10/4 高橋光成投手は代理人を雇い今オフの移籍を目指す模様)
もちろんポスティングは球団の権利であり、認める認めないは球団の判断になります。現時点では海外FA権でも、メジャー移籍できるため「行きたければその権利をとれ」と言う球団があるのも事実です。

なぜポスティングでの移籍を目指すのか?

主な理由として挙げられるのは海外FA権取得までの期間が長いことがあげられます。(以下NPBより引用)

セ、パ各リーグの年度選手権試合期間中に145日以上出場選手登録されたシーズンを1シーズンとして計算し、

  • 合計8シーズンに達したときに「国内FA」となる資格を取得する。
    (ただし、2007年以降のドラフトで入団した大学生・社会人選手は、7シーズンで資格を取得する。)

  • 合計9シーズンに達したときに「海外FA」となる資格を取得する。
    (ただし、それ以前に国内FAの権利を行使した場合を除く。)

つまり海外FA権をとるには高卒でも最短27歳、大卒ならば31歳となり、大卒となれば最短で取得してもピークのほぼ終わりの時期での移籍になってしまう。また、近年では高卒1年目は二軍で体作り、2年目は一軍経験も積みながら3年目に戦力化と言う育て方をする球団も多く、高卒でも27歳で取れる選手は現実的に表れにくいと思われます。
そのため海外FA権取得より前のある程度年齢の若いうちにメジャー挑戦できるポスティングでの移籍を球団に主張するわけです。

簡単なポスティングの話

ポスティングって何?って人のために簡単にポスティングについて触れます。本当に簡単に触れるだけなので詳しく知りたい人はご自分でお調べください。

このnoteで重要な点は
・球団の権利
・球団には選手の契約金に応じた譲渡金が払われる
この2つだけです

あと、メジャーの契約制度として
・在籍6年以上、25歳以上の選手のみメジャー契約できる
というものも理解が必要で、ポスティングの重要な点として挙げた譲渡金は選手の契約金によって決まるというものがあるので、マイナー契約の安い契約で選手を送り出してしまうと譲渡金もろくにもらえず、ただ戦力がダウンするだけという事象が起こります。

メジャー移籍をどう考えるのか

最近では言われなくなった感じもありますが、日本のスターがアメリカに行くというのを好意的に見れない人は古い世代の人を中心にまだ存在し、その他にも
「メジャー行きたいなら最初から行け」
「NPBはマイナーじゃない」
「1流選手がいなくなってNPBのレベルが下がる」
等理由に差はあれど批判があるのは事実だと思います。
そもそも「移籍」と言うものに対して、あまりいいイメージを持っていない日本人からするとメジャー移籍を「メジャー挑戦」と言うのはあくまで挑戦であるというプラスの意味合いを持たすものなのではないかとも思えます。

これはあくまで個人の考えなのですが、私はもっとメジャーへの扉を開きやすくするべきだと考えています。理由としては今年開催されたWBCを見ても日本の投手力はメジャーの投手と比較しても中位くらいに入り込める実力者も多く、TOP層に至ってはメジャーのTOP層にも引けを取らないのではないかと思います。
そんな中、日本野球界(NPB)において、歴史的な投高打低具合、パリーグでは3割を超えるのは3人以下で終わりそうなレベル。
これは、メジャーレベルの投手陣とメジャーレベル未満の打者陣でリーグが構成されているが故の事態だと考えます。
玄人は投手戦でも楽しめると思いますが、何も知らない人や子供が投手戦を見ても楽しいと思えるのか。投手戦ばかりになって野球人気は低迷しないのか。などなど今の状態が続けばただでさえ減っている野球人気がマイナスのほうに加速しそうな気がしてなりません。
なので私はTOPクラスの成績を収めた選手はどんどんメジャーに送り出すべきだと思っています。

新しい移籍システムを考える

ここからはあくまで「こんなのはどうだろう」という私なりの考えです。

1.海外FA権を早める
 簡単な話海外FA権取得までを短くすればポスティングする必要もなくなるわけです。しかし、ただ短くすると球団側のメリットが何もない事態になるので、一番実現しそうなものの実現するのはかなり先になるか永遠に不可能か…

2.別の海外FA権を作る
 ここでは早期海外限定FA権と呼ぶことにしますが、今の海外FAにある条件を付けた場合のみ早期に海外FAできるという制度。
その条件例をあげるなら、
・通算715イニング以上かつ715奪三振以上or直近3年間の平均防御率が2.2未満もしくは、通算200登板200イニング以上かつ150ホールドor150セーブ以上(合算可)
・通算3500打席以上で、OPS.900以上もしくは通算250本塁打以上
あくまで一例に過ぎないですが本当の超1流の成績を若いころから残せた人のみが使えるように考えるのがベストです。
イメージとしては山本投手(オリックス)や岡本選手(巨人)などのみのが使えるくらいのイメージ。(上の例で縛ると山本選手はクリアできるものの、岡本選手はクリアならず)
取得年数自体に言及はないものの通算のイニングや打席数である程度の実働年数は確保できます。

3.球団にポスティングを認めさせる権利
 前述のとおりポスティングとは球団の権利です。各球団別にノルマがあったりするとは思うのですが、それをNPBのルールとしてノルマを決めようという話です。
上の早期海外限定FA権との違いは球団に金が入るというだけですがただで出ていかれるよりはいいのではないかと思います。
そうなると取得条件の中に「25歳以上」という条件は必須となります。(前述のため理由は省きます)
他にも「権利を行使し、海外移籍してから31歳を迎える年もしくは移籍2年目終了までは所属球団に優先交渉権が発生する」などとして通称「有原式FA」を防ぐような形も用意すべきでしょう。
26歳で移籍してその年の終わりに帰ってくるとなった場合、1年で他球団に巨大戦力が流れるという事態になるためこのような優先権を付随させるのがベストです。この優先権を「破棄した場合のみ他球団と交渉」ができるようにする。ただ、優先権を理由に格安の年俸を提示するケースもありえなくもないので
「優先交渉権を行使する際は、(当該球団の所属最終年の年俸) × 0.8 以上の年俸を提示するものとする」
つまり、海外移籍前に年俸1億円だった場合は8000万以上の年俸を提示しなければならないという形。
年俸の幅は改善の余地があると思いますがこういった決まりは必要だと思います。

以上3つが私の考えです。どれも実現が難しいと思いますが、どうにかして海外への扉を開けやすくしてほしいなと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?