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受験は格闘技


受験と格闘技には共通点がある」と
闘いを振り返りながら、そう思う。
相手の傾向分析、急所を突く攻撃、そして反復練習。
一見すると当たり前のように思えるが、これを実践するのは難しいものだ。
特に、反復練習。
しかし、私はその反復練習が最も大切だと考えているし、それこそが格闘技と受験との共通点だ。
では、なぜ反復練習が大切なのだろうか。


単刀直入に言えば、反復練習をすれば身体が反応するようになるからだ。
全然受験に関係ないではないかと呆れた声も聞こえそうだが、もうしばらく付き合ってくれ。

「身体が反応するようになる」とはどういうことか。
格闘技を例して、まず、人が追い詰められた時にとる行動は何かを想像してほしい。
相手の攻撃に圧されて、窮地にたたされた。
さあ、この状況でどのような攻撃を繰り出すか。
それは、日頃から練習を重ねた攻撃になる。絶体絶命の状態では、日頃から練習を重ね、身体が覚えている攻撃が出る。
人は急に新しいことはできない。追い詰められれば、追い詰められるほど自分の癖が出るものだ。その自分の癖が、最後の頼みの綱だ。

入試という一発勝負で、繰り出せる攻撃も、日頃練習してきたものになる。練習でできなければ、本番でもできないというが、まったくその通りだ。
誰もが口を酸っぱくして繰り返し練習することの大切さを説くが、それには理由があるのだ。
さらに、そうして練習すれば、一撃必殺の武器になる。
最強のボクサーと名高い、マイク・タイソンを例に挙げよう。
生涯58戦で50勝、うち44戦がKO勝ちだ。
なぜこれほどKO勝ちが多いのかと言えば、反復練習が鍵だった。
タイソンは、相手の急所を的確に突く練習を常日頃から行っていた。
どんな相手、どんな状態でも急所を打てるほどに。
相手が顔をガードすれば、ボディの急所を。
顔のガードを下ろせば、その隙を逃さない。
そして、その洗練された攻撃はKOに繫がる。
そう反復練習は、時として守りからのカウンターに。さらには、一撃必殺の攻撃にさえ化ける。

私の体験談も紹介しておこう。
私は、英語が得意とは言い難い受験生であった。それゆえ、英語にはかなりの時間を費やし、対策を重ねた。
しかし、強調構文の苦手意識がなくならず、壁となっていた。
そして、受験本番となり、
英語の文法問題に立ち合う。
すると、目に入ったのは、幾度となく間違え、幾度となく忘れまいと叩き込んだ強調構文。
本番では反射的に答えを選んでいたほどで、
やはり、反復練習した甲斐があったというものだ。

これまで、反復の大切さを説いてきたが、これだけでは受験に太刀打ちすることはできない。
この練習を生かす準備も必要なのだ。



その準備の一つが傾向分析だ。
これは必ず必要になる。
入試問題というのは、各々の大学等で大きく変わることは少ないと言ってよいだろう。
センター試験から変更された共通テストであっても、傾向は変わらなかった部分もある。
多少の変更点はあろうが、大筋は変わらない。
ならば、繰り返し練習をすることが、効力を発揮するに違いなかろう。
むしろ、傾向分析なくして、反復練習は効果をなさないと言っても過言ではない。
分析をふまえて自分に不足している箇所を洗い出し、その箇所を重点的に反復する。
しからば、己は完成に近づくだろう。

そして、常に一つ、二つ上のレベルを想定することも大切だ。
MARCH志望者がどこに進学するかと言えば、実は、日東駒専のレベルになってしまうのだ。
これは、MARCHより上位の早慶志望者が滑り止めで受験するため、MARCHに焦点を合わした志望者では戦いきれないのだ。
さらに、標準的な問題でも、少し捻られただけで対応できなくなる恐れがある。
故に、志望するレベルの一つ、二つ上を意識して、目標のレベルには余裕がある程まで仕上げるべきなのだ。
私はMARCHから成成明学のレベルを志望していたが、直前期には得意の国語と世界史は早慶上智のレベルで調整していた。英語に関しては、私程度の受験生が勝負できるはずもなく、これまでやり尽くした問題集を解き直すという選択をした。これも反復の一環だ。

私は苦手を克服することより、得意を伸ばす方を重く見ていたから、特に世界史は兼ねてより高いレベルに照準を定めていた。
これが功を奏し、本番でも好成績を出し、過去には満点も獲得している。
苦手を伸ばすことは、確かに大切だが、自分の利点を最大限引き出すことも考えるべきだ。
再び、マイク・タイソンを例に挙げるが、彼は常に間合いを詰めにいくファイティングスタイルだった。
それは、おそらく相手の隙を逃さずにKOに持ち込むためであろう。反復練習を重ねた拳は急所を外すわけがないから。そう思えるほど、タイソンは洗練されていた。
これと同じことが、受験にも言えるのではないかと思うのだ。
だからこそ、欠点を補っても余りある程の長所を備えることも忘れないでほしい。



要するに、傾向分析をふまえた反復こそが受験を勝ち抜くための捷径なのだ。
そして、これを最大限生かすためにはミスを恐れてはならない。そのミスは、次の得点源になる。そのための傾向分析・反復練習だ。
私には苦手な科目があるやら、どうせ私は成績が伸びないやら戯言をほざくやつもいるかもしれない。しかし、反復がその憂いをかき消してくれる。
これまで書いてきたことは、諦めない堅固な心を持ってこそ験を得ることができる。
諺に、「己に克つより強い者はいない」というものがある。さらに、孫子は「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉を残している。
そう、古来より最大の敵は己であり、その己を知り、己に打ち勝ってこその勝利なのだ。
だから、最終的には自分自身こそが頼みの綱であるのだ。

受験生の諸君よ、Break a leg !!

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