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アジア選手権を終えて.

 今書かないと,忘れるので.

 7月13日に行われた,第25回バンコクアジア陸上競技選手権の男子1500mにおいて,サポートしている選手が銀メダルを獲得しました.日本チームからこの種目でメダル獲得に至ったのは,9大会ぶりらしい.

会場のナショナルスタジアム.大阪球場(もうないけど)並みの街中&スタンド傾斜.

 とりあえず言えることは,こういう経験をさせてくれた選手に感謝.もちろん,競技に関わっている以上,「国際大会を経験してみたいな」とは考えていたけど,関わっているチーム(北海道大学陸上競技部)の在り方からは想像するのは難しい.それが,何が起こったか北海道大学に入ってくれて,競技を継続した上に成績を伸ばして,ついには国際大会にまで・・・そこらじゅうで言っていることなのですが,「宝くじに当たったようなもん」です.
 あと,これもそこらじゅうで言っていますが,正直なところ指導というような指導をした気はしていません.当然,いろいろ相談されることもあるけど,その時々で選手からの問いかけを聞いて,私の考えを伝えて,選手がどうするか決断した内容を支持する,というだけ.心のどこか(中心かも?)では「俺が指導したからここまで来たんだぜ.どや?」というように言いたい気持ちもあるけど,残念ながらそれは事実ではない.放っておいたら勝手に伸びた.何もしていない原っぱに,どこかから飛んできて根を張って,咲いたタンポポきれいだな,って感じ.「このタンポポ育てたん俺やから」ってのは違うよね,と.

チャオプラヤ川を下る.

 バンコクは,暑くて湿度が高く,なかなか過酷な環境でした.行く前は,「ゆーても大阪に毛が生えたくらいでしょ?」くらいに思っていたけど,日差しの凶暴さは格上だったし,湿度のこもりっぷりも強烈だった.緑のイキオイがハンパない感じで,熊とか鹿とかが出てきて生存圏争い,ではなく,緑そのものと生存圏争いをしないと生きていけなさそう.その中,開拓して治水してここまで発展するまでにはいろいろあったんだろうなぁ,と.
 市内は歩行者用信号があまりなく,バイクに関する規制があるんだか無いんだか?という感じで,「勇気あるもの優先」な様子.渡り始めると案外止まってくれるんだけど,現地の人は堂々と歩いている横を,小走りでないと渡るのが怖かった.中心街?のSiamは巨大商業施設がバンバン建っていて,中には有名ブランドが軒を連ねてクーラーギンギンで寒いくらい.そこから20分くらい歩いたら,ガチャガチャしたダウンタウンになる.1バーツは4円くらい?で,中心街ではコーヒー1杯が100バーツくらいするけど,ダウンタウンでは1食50~80バーツで食べられた.

きらびやかなSiam中心街.

 Siamは「きらびやかな世界」で,多くの人がそういうところでの生活を目指しているんだろうな,と思う.でも,私自身はダウンタウンで50バーツの安飯食って,勇気をもって道路を渡る生活も悪くない.もちろん,きらびやかな世界に達するには相当な運や努力がいることは想像に難くない.でも,10バーツで焼き鳥売り歩いている屋台のおっちゃんが,日々の生活を送ることに努力をしていない訳ではないだろう.それぞれの生活で,それぞれの苦労があって,それぞれの努力があるはずだ.
 そういえば,Siam周辺では物乞いの人も何度か見たな・・・

公園でセパタクローに興じるおっちゃんたち.周りにおいてある物や服装から,バイクタクシーの運ちゃんと思われる.結構真剣.

 地域選手権とは言え,国際大会はきらびやか.来ている選手・スタッフは,みんな努力を積み重ねてきたはず.そして,こういう世界を見れるところまで連れてきてくれた選手にとても感謝している.ただ,今回の旅を通じて,きらびやかな世界で脚光を浴びるのも良いけど,光は当たらなくても日々頑張っている選手に貢献していく生活を送らないとな,と思った.才能ある選手をより集めてバンバン上位大会行くぜ,ってのも相当な努力が必要なのは分かっている.けど,私は持って生まれた身体や境遇によって,思い通りの競技成績をあげられていない選手の背中を押せるような仕事をしていきたい,と.
 勇気をもって,踏み出していこう.

なんかすごい・・・

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