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アンビエントは希望の音楽

昨年から毎日のように
寝る時に聴いている音楽があります。

ブライアン・イーノの
『Ambien 1: Music for Airpots』(‘78)です。

「アンビエント」とか「環境音楽」
と言われる静かな音楽です。

高校3年生の時から、
テクノにハマりはじめ、
近いジャンルであった、
アンビエントにも興味を
持っていました。

テクノと同じく、
アンビエントも電子音を
中心にした音楽で、
‘90年代にはテクノとアンビエントを
融合した音楽も生まれています。

そんなこともあって、
私がアンビエントに興味を持つのは、
必然でした。

しかし、20歳の頃に、
このアルバムを買って、
はじめて聴いた時は、
退屈な音楽にしか感じなかったのです。

その頃も、このアルバムは、
おもに寝る時に聴いていました。

今も寝る時に聴いているのは、
変わらないですが、
音楽に向き合う姿勢が、
若い頃とは違います。

今の私は、寝る時に、
この音楽を聴けるのを
毎晩楽しみにしているのです。

優しい音に包まれながら、
徐々に身体が弛緩していき、
深い眠りに落ちていく感覚は、
一度ハマると抜け出せません。

こうなってくると、
もはや、この音楽を聴くために
寝ているのか、
寝るためにこの音楽を聴いているのか、
どっちだかわからなくなってきました^^;

若い頃の私は、
おもにアップテンポな曲を求めていました。

アンビエントの深さがわかるには、
それなりに歳を重ねる必要が
あったのかもしれません。

あるいは、感染症拡大にともなう、
世相の変化も
大きく影響している気もします。

YMOをやっていた頃の
細野さんが毎日のように、
アンビエントを聴いていた、
という話は高校生の頃から
知っていましたが、
20年経ってようやく、
その気持ちがわかってきました。

アンビエントは、
一見、暗い音楽にも聴こえるし、
変化が少ないので、
単調で退屈な音楽に感じさせます。

でも、その変わらない反復の中には、
いつもと変わらない日常に対する愛着、
未来に対する希望が、
込められているような気がします。

決して賑やかな音楽ではないですが、
今の私は、この音楽が明るく感じます。

希望を感じます。

若い頃はどちらかというと、
苦手だったこのアルバムに、
こんなにもハマってしまうとは、
歳をとってみないと、
人間ってわからないものですね。

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