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藤子・F・不二雄が描いた歴史の暗部

ジャレド・ダイヤモンドの
本の話を少しだけ書きました。

以前読んだ『銃・病原菌・鉄』、
今読んでいる『文明崩壊』

いずれも個人的に
お気に入りの本なんですが、

こういった本と
セットで読みたくなるのが、
藤子・F・不二雄の
『T・Pぼん』です。

(「T・P」=タイムパトロール)

藤子・F・不二雄といえば、
『ドラえもん』
『キテレツ大百科』
といった有名な作品が多いので、

埋もれがちな作品ですが、
個人的には
『モジャ公』とともに、
イチオシの作品です。

『T・Pぼん』は、
'70~'80年代に
不定期連載された作品で、
未完で終わっています。

作者自身も
お気に入りの作品だったようで、
完結させるのに
ためらいがあったのかもしれません。

歴史上で不幸な
亡くなり方をした人々を救う
「タイムパトロール隊」を
描いた作品になっています。

こう書くと、
『ドラえもん』の
タイムマシンを
連想されるかもしれません。

しかし、『T・Pぼん』は、
『ドラえもん』よりも
壮大なスケールの物語で、

古代文明やヨーロッパの
暗い歴史にも
(魔女狩りや奴隷制度)
焦点が当てられています。

読者の対象としては
中学生がターゲットに
なっていたようですが、

暗い歴史も包み隠さず、
残酷な描写も
そのまま表現されているんですね。

私が持っているのは、
'90年代に発行された文庫版で、

巻末にある作者の
あとがきを読むと、
作者自身も歴史が好きだ
という話が書かれていました。

『T・Pぼん』には
作者がおもしろいと感じた
歴史のスケール感が
見事に表現されていて、

私にとっては
ジャレド・ダイヤモンドの著作と
同じ種類のおもしろさを
感じるんですよね。

本当の歴史を知ったうえで、
『T・Pぼん』を読むと、
ただの「おもしろさ」とは違った、

知的好奇心が満たされるような
喜びが感じられるはずです。

歴史に興味がある方は、
ぜひ、ジャレド・ダイヤモンドの
著書とともに、
『T・Pぼん』も読んでほしいですね。

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