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身近なかっこいい音

フィールドレコーディングを始めた頃は、とにかくかっこいい音を録音したいと思ってました。かっこいい、ってなんだかわかりませんが、言い換えると、映える音を録音したいと思ったのです。

さて、どんな音がかっこいいのか? 

その当時、僕の中で気になっていたのが、水琴窟(すいきんくつ)。簡単に説明すると、地面に埋まっている大きなかめの中に、上から落ちた水滴の音が反響し、その音を楽しむという、なんとも風情のある仕組みです。この音を録音したら、さぞかし、かっこいいに違いないって考え、おもいきって京都まで録音をしに行きました。今となっては一体どこのお寺だったのかすら覚えていないのですが、改めて資料をあたってみると、きっとそこは妙心寺 退蔵院です。
心弾ませながら音を聴いた印象としては、、、音が小さい。その当時の録音機材はMiniDisk(!)だったので、ものすごくメカニカルノイズが大きく、MDが動いている「ウィ〜ン」みたいな音がずーっとなり続けて、思ったほどかっこいい音に録音できない…。ああ、どうしよう、と思いあげねているうちに、水琴窟の音を聞きたいと訪れた人たちが並びはじめて、しかたなく退散。。。

ところで、最近ではリモートワークになり、家にいる時間が増えた分、なにかを飲む機会も増えました。普段コンビニで買ったコーヒーを飲むことが多いのですが、この状況ですし、家でドリップして飲む方がいいかなと思い、久しぶりに豆を買ってきてコーヒーを入れることに。すると、なんだか聞き覚えのある音が…。

録音してみると、これはまさに…あのときの音! 灯台下暗しとはこのことか。

※ヘッドホンで聴くことをおすすめします。

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