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最近のこと

最近はずっとぼんやりしていて、朝起き縦になりメシを食いトイレしてれば日が暮れていくという具合だ。屋外は激烈に夏だが、直射日光と疫病があるので外には出ない。昔から夏の気配が好きで嫌いだった。

小説を読んだ。『三体』はKindle版が黒暗森林の下巻まで半額になっていたので買って、勢いで死神永生も正規の価格で買い、読んだ。破壊的なセールになっていなければわざわざ読まなかっただろう。わたしはとくべつSFが好きではない。本の話をするのに値段のことをまず言う程度の愛情しか持ちあわせていない。その程度の人間でも、全五巻からなるこの作品はそれなりに面白く読めた。章北海という、コールドスリープで数世紀未来へ来た軍人が、宇宙戦争楽観論の未来人に対して反戦・逃亡論をぶつところが好きだ。「きみたちは教科書を通して戦争を知っているが、我々のトラウマは、父祖の血で塗り固められたものだ」というようなことを言う。あとはまぁ、智子が萌えだった。

そういえば新型コロナウイルスのワクチンを打った。わたしは無職なので自分で大手町の大規模接種の枠を押さえたわけだが、まあそれなりなところで予約ができた。それなりなところというのは予約枠争奪戦にそこまで苦労しないうちにという意味だ。実際のところ予想外の経験であり、在りし日のチケット争奪戦と似た経験でもあり、またわたしは現在健康な肉体の25歳独身女性で、率直に言うと予約枠を押さえるのはすこし楽しかった。故ジョージ・フロイド氏の事件が起きたとき、アメリカで気づかず偽札を使おうとした人でおそらく日本の人が、「この経験を私は楽しんだ。偽札を見抜き私に注意した店員も楽しんでいた。しかしこれは私がアフリカ系ではないからだ。」というようなことをツイートしていた。わたしは今これを思い出す。そして、病と賃労働と老親を抱え、ブラウザをリロードし続ける人のことなどを思う。

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