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【壱岐新報2023.6.23】リニューアル後の約5年でイルカ6頭目の死亡、現飼育は2頭のみ

 壱岐イルカパーク&リゾート(指定管理者/壱岐パークマネジメント株式会社)で、飼育するイルカの死亡が続いている。2019年4月25日のリニューアル以降、わずか約5年で6頭のイルカが死亡した。2020年5月、市は新たに2頭を導入したが、今年2月と今回死亡したイルカは、同年に導入したばかりの2頭のイルカだった。現在、園内には他2頭が残された状況だ。白川博一市長は行政報告で「イルカの死亡事故が続き、施設の存続に危機感を覚えている」と述べた。


今年2頭目、イルカがまた死亡


 市は14日、壱岐イルカパーク&リゾートで飼育しているイルカ1頭が死亡したことを発表した。死亡したイルカは、雌のハンドウイルカで推定年齢は18歳、2020年5月から同園で飼育していた。同日午前1時ごろに死亡が確認された。先月ごろから肝臓の数値が悪化し、投薬治療を続けていた。死亡した前日夕方ごろから食欲がないなどの症状があった。現在、死因などは調査中。

 同園では2月28日にも、推定年齢18歳の雄のハンドウイルカが死亡している。今回死亡したイルカと同じく2020年5月から同園で飼育していた。今回死亡のイルカとともに、市が2020年5月に1頭120万円、計240万円で購入したイルカだった。

 今年2頭目のイルカ死亡について、行政報告の中で白川市長は「2月にもイルカの死亡があり、指定管理者に対してイルカの飼育管理に万全を期すよう指示していた。本年はイルカの死亡事故が続き、施設の存続に危機感を覚えている。今後は、一刻も早く死因を特定し、指定管理者と協議を重ねながら、飼育及び施設管理の改善策を講じる」と、異例とも思える厳しい意見を述べている。

 現在、同園に残る飼育イルカは2頭のみになった。今後の新規導入について、市観光課は「現状況では答えられない。まずは内部協議で考えていく」と答えた。2頭のうち1頭は、福岡市の動物海洋専門学校からの預かりのため、市所有は1頭のみになる。行政報告にある「施設の存続に危機感」については「市長の言葉は、施設存続に向けた危機感の現れ。前向きに受け止めていく」と話した。

 同課は、これまでイルカの死亡原因の調査後、公式な発表を控えてきた。このことについては「今後は公表するよう検討する」と述べた。

 同園周辺の土地は、地域住民により、これまでに産廃土の露出などの汚染が指摘されている(詳細は別枠に記載)。同課は過去の取材で「定期的な水質検査は行なっており、問題はない」という。一方で、途切れることがないイルカの死亡を目にして、地域住民は「改めて施設地は飼育に適正なのかを検討する必要性がある」と疑問を呈している。

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