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2020生きさせろメーデー・アピール

新型コロナウイルスの惨禍が広がるなか、今年のメーデーは労働者の「命」をめぐって闘われている。100年の歴史を刻んだメーデーは、これまでも労働者が血を流しながらも、国際的な団結で社会を変革するために闘われてきた。
メーデーを勝ち取ることで、我々は資本との闘いが、各職場、各産別、各地域、各国で孤立しているのではなく、国境を越えてつながっていることを実感し、希望と勇気を得てきたのだ。
メーデー100年の歴史を引き継ぎ、すべての労働者に降りかかるあらゆる抑圧物を払いのけ、生きるための新たなメーデーをともに闘おう。

 コロナ惨禍は資本の責任だ
いま、全世界の人々に新型コロナが襲いかかり、病院のベッドで、自宅で、路上で死んでいる。その数は20万人以上となり、感染者は300万人を越えている。これは自然に起きている災いなのか。感染症に侵される人類の宿命なのか。
いや違う。犠牲の実態は労働者階級ではないか。労働者に襲いかかるモノの正体は病原菌ではなく、労働者を見殺しにするこの社会そのものだ。労働者は殺されているのである。
 新型コロナの感染拡大は、新自由主義が医療や自治体の機能を破壊し、利益優先の社会になっていたことを公然化させたのである。全社会で進行していた労働者の非正規化や貧困化、無権利化が労働者階級に死をもって襲いかかっているのだ。これは労働者階級を犠牲にする資本家階級の支配の結果である。
帝国主義がみずから招いた危機であるが、コロナの惨禍を契機に帝国主義の支配が崩壊しようとしている。各国首脳が「これは戦争だ」と叫んでいるが、これは真実である。労働者を救済するコロナ対策を優先すれば、世界経済が崩壊することに資本家階級は恐怖しているのだ。
すでに各国で緊急事態が宣言され、流通や消費のストップで実体経済が縮小し、株価も大暴落している。1929年の恐慌以来の景気後退、世界恐慌が迫っているのである。しかし、資本家は支配体制を守ることを優先し、労働者を犠牲にしようとしているのだ。これは労働者への資本家階級による「戦争」である。

帝国主義による階級戦争が始まった
コロナの感染防止を理由に、人の移動が制限され、集会や会議が規制されている。表現や結社の自由が抑圧され、労働者の権利が奪われている。国際的労働者の闘いの日であるメーデーも、日本では事実上禁止されているのだ。国家権力は支配の維持のために、労働者の権利を奪い、強権的な戦争体制の下で乗り切ろうとしている。その最たるものが、安倍政権の改憲への動きである。緊急事態宣言とは「戦争」への宣言なのだ。
資本の利益が優先され、経済活動が優先されているからこそ、労働者の感染が止まらないのである。資本の救済を優先するのが新自由主義なのだ。休業補償もせず労働者を職場から追い出し、「アベノマスク」に見るように労働者への支援などゴミのようなものしかない。
そして、コロナで経済活動が中断し、多くの労働者が解雇され、路上に放り出されている。世界では2億人が失業すると言われ、その大半がアジア太平洋地域だ。日本でも休業を理由にした雇止めや賃金カットが横行している。労働者を生きさせることを資本家は放棄しているのだ。
医療労働者は、コロナに感染していても「人員不足」を理由に働かされ、殉教者にさせられている。また、労働者の生活を支えるあらゆる部門の労働者も、自身と家族を犠牲にして働かされている。資本家は労働者の誇りと責任感を利用しているのだ。これはまさに、資本家階級による「攻撃」である。だが労働者は、このような資本による「階級戦争」には屈しない。

世界で労働者階級の決起が起きている
新自由主義が招いた医療崩壊を食い止めているのは医療労働者である。この極限的な状況でコロナの治療に従事している医療労働者が、アメリカで、イタリアで、韓国で、そして日本で「安全な職場と医療」を求めて闘いを起こしている。命をかけて労働をしている医療労働者を資本は見捨てているが、職場や産別、地域を超えて労働者たちが、彼ら、彼女らを支援しているのだ。マスクや食事を届け、エールを送っているのは労働者である。苦しい生活費からカンパを送っているのが労働者である。これが、資本家にはない労働者の団結と連帯なのだ。
そしてコロナ感染を強制する資本に対して、フランスではルーブル美術館が感染の危険を訴えるストライキで休館となり、スペインではメルセデスベンツの工場で休業を求めて5千人がストライキに突入し、アメリカでも造船所の労働者やアマゾン倉庫の労働者、鶏肉工場の労働者が安全対策を求めて職場放棄やストライキに決起している。日本では動労千葉が「安全配慮義務」を求め、列車の終電切り上げや運休を求めて闘いを開始し、全国に命を守るための闘いを呼びかける檄を発している。
全世界の労働者はあらゆる違いを乗り越え、国際的な闘いでこの情勢と対決し、みずからの命と権利を守ろうとしているのだ。

すべての労働者は労働組合に結集しよう
コロナの惨禍で明らかになったのは、安全のために職場を止めたり、安全のために働いているのは、労働者であるということだ。社会に責任を取り、社会を動かしているのは、1%の支配者でなく労働者ということだ。そして、労働者の国際的な連帯と団結こそが、その力の根源ということである。
新自由主義による団結破壊と分断を跳ねのけ、すべての労働者は労働組合に結集し、階級的労働運動を全世界に広げて、労働者が主人公の社会をつくろう。100年間にわたり、受け継がれてきた「万国の労働者よ、団結せよ!」という言葉を実現しよう。

2020.5.1
生きさせろ!メーデー実行委員会

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