自室入院

自室で入院する準備を始めよう。

自室なので病院ではない。
シーツは白ではない。
白でなくともいいのだ、自室だから。
神獣がいらっしゃる。
青い草の香りと煙草の香り。
神獣は朗らかなのだ。

何もかも面倒臭く、何もかもやる気にならず、ただ、神獣だけはお元気にと、草を敷き詰めている。

枕元には水さしと薬。

薬中毒で何処かに飛んでいく。
馬鹿ばかりやる。
若者達はもういなくなった。

夏の夜の知らない街に行き、スピーカーに吸い寄せられる蛾のごとく、生きているのかなんなのか。
眠っている間に終わりにならないだろうか。

誰も私のことを知らないのだ。
いることもわからないのだ。
そのように妄想する。

あー。
お前の考えは甘いのだ。そんなだからダメなのだ。
辞書をひけ。
分厚い辞書だ、分厚いほど良しとされるのだ。

もう帰りたい。
どこへだ。
ああ。
夜の街。
あの街はどこにあるんだ。

身体が黒い夜に溶けたり、オレンジの蛍光灯に形作られたりする、あの街のあの場所は。
私の生まれ故郷。
知らない街。

頭に浮かんだフレーズで切り貼りしていく。
トランポリン、カフェイン、サプリメント、ビタミン、
オレンジ、ピンク、青、ピンク
横文字縦文字
予測して、そのあのこの
詩歌、ダンス、芸術、音楽、絵画、
女神

哀しき穀潰しよ

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