幼馴染みの話

私には、長い付き合いの友人がいる。何年なのかはパッとはわからない。とにかく十数年、とにかくそのくらい。

私と彼女は、互いが固定電話以外の連絡手段を持つまでの間、(あえて携帯電話とは書かない。彼女はいまだ携帯電話を持たない古風な人なのだ。)ずっと手紙でやり取りをしていた。多いときは月に4回、普段は月に2回くらい書いていただろうか。

LINEやInstagramを使用するようになって、手紙でのやり取りはぐっと減ったが、時々彼女から手紙が届くことがある。「なんか手紙書きたくなっちゃったぁー!」からはじまり、「マジで嵐カッコいいの笑」などと、LINEのメッセージとなんらかわらない文体で書いてある。手紙が届く度に、ああこの人はこんな人だった、と思うのだ。いつだってメッセージを送りあっているのに、手紙でふと思い出すのだ。一方の私はというと、綺麗なメモパッドや便箋、葉書が手にはいった時などに無性に手紙が書きたくなるので、書く。このように一人でnoteに書き込んでいるくらいなので、文語的に手紙を書く。互いの近況報告を、互いで飲み込んで終わり、という淡白なやり取りが私はたまらなく好きだ。たまに、奇妙な豚の絵(奇妙ではあるが彼女は非常に絵が上手い。)を送ってくれる彼女が好きなのだ。

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