悩み

会社員の給料 「手取り増えない! -健康保険編-」

前回の続き
今回でこのシリーズ3回目です。
会社員の給料がなぜ増えないのかということについてお話ししています。


【前回までの復習】

①手取り金額がこんなに減るのはなぜ?
②厚生年金保険の実態

についてお話ししてきました。

復習として、
手取り金額=
額面(総支給額)ー社会保険ー税金です。

さらに、社会保険には雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険の4つがあります。

では、今回は健康保険についてどんどん掘り下げていきましょう。


③ 健康保険の実態

みなさん、健康保険も増加していることをご存知ですか?

そもそも、健康保険は都道府県によって払う金額が違います。ご自身の都道府県ではどうなのかを知りたい方は全国健康保険協会の公式ページへGO!

現実は所得に対して平均10%くらいの健康保険額になっています。7年前はだいたい平均9.5%くらいだったので、0.5%上がっています

年収500万円の人で毎月とられる額が約5000円上がっているのですから、これは大きいですよね。

さらに、厚生年金額は上限に達しているのでこれ以上は上がらないようですが、健康保険はこれからも上がり続ける可能性はあります。

日本では、国民皆保険制度というのがありますので、国民全員が何らかの健康保険に加入しています。有難い制度ですが、逃げられないものでもあります。

だからこそ、みんなで健康保険制度を理解して、見直していく必要があると思うんです!


◆ 健康保険が上がっている理由

これは、健康保険を使いすぎているからです!
賛否両論あるとは思いますが、私が小さかった頃は、「薬局でお薬を買って、病院にはなるべく行かない」という考えの方が多かった気がします。


でも、今はどうでしょうか?
70歳未満は3割負担で、病院に行っても医療費の3割だけお金がかかります。
逆を言えば、7割は払っていません。

さらに、子供の場合は医療費が一律500円であったり、無料である都道府県もあります。

では、どこから払うのかというと、私たちが支払っている健康保険からです。


◆ 健康保険料でまかなえているの?

ここまでの話で気になるのが、こんなに負担してくれているけど、健康保険でまかなえる金額なの?ということです。

今後、高齢化社会が加速する中、70歳以上の方は2割、75歳以上の方は1割の負担でよいと決まっていますので、当然健康保険でまかなえる金額ではなくなるということがわかります。
かといって、負担する割合を増やせば、年金暮らしの高齢者が生活できません。

やむなく、健康保険料を上げるしかない。ということなんです。

(政府は2022年までに、一定の収入のある75歳以上の方は、窓口負担を2割にするという方針を示しています。)


◆ みなさんができる対策

ということは、各自が健康保険を使いすぎないように出来る限りの対策をすることが重要だと言えます。

まず知っておきたい事は
働き盛りの30〜50代の医療費は
年間10〜20万
80歳以上の高齢者の医療費は
年間90〜120万
と言われています。
という事は、ご高齢の方にも是非対策をとっていただきたいと言うことです。

定年を迎えた方々、今までご苦労様でした。さて、これからのあなたの行動で、若者は、日本は、変わります!


(1) はしご受診・時間外受診を極力やめよう

特に、子供に関して思うことですが、同じ症状で何度もハシゴ受診していませんか?
私ももちろん「はしご受診」したことがありますので、親として心配になってしまう気持ちはわかります。ですが、これによって健康保険の無駄遣いになっています。医師の診断を信じ、医師の指示通りにお薬を飲みきる。それでも改善しなければ、再受診というように心がけてみましょう。

さらに、夜間の受診はとても医療費が高くなります。なるべく、時間外にならないよう早めの受診を心がけるだけでも、健康保険の無駄遣いは減ります。

ただし、緊急の場合は別です!
お子さんの緊急受診を迷ったときは、救急相談センターに問い合わせてみましょう。

東京:救急相談センター#7119
大阪:救急安心センター#7119
小児救急医療電話相談事業:#8000


(2) ジェネリックを使おう

まず、ジェネリックは「品質性、有効性、安全性」が先発医薬品と同等であることが保証されていることを知って下さい。その上で、ジェネリック医薬品は価格が安いので実際の負担額は低くなります。たくさんお薬を飲む方や毎日お薬が必要な方にとってこの価格の差は大きいと思います。


(3) セルフメディケーション税制を活用しよう

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)は、健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けることができるものです。
詳しくは厚生労働省のHPへGO!→厚生労働省HP

要は、病院に行かずに自分自身できることは自分でやろう!その変わり、お薬代が多くなった場合は、その金額を負担します。ということなんです。確かによい取り組みですね。


(4) 健康診断を受け、健康であることを維持しよう

・日々の食生活を見直す
・運動を取り入れる
・ストレスを抱えないように労働環境を改善する

など、自分自身で健康維持のためにできることはたくさんあります。
また、定期的に健康診断を受けることによって、重大な病気を早期発見できるうえに、健康保険料の節約にもなります。


ということで、全3回に渡ってお伝えしてきた「会社員の手取りが増えない」シリーズ。いかがでしたでしょうか?参考になれば、幸いです。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ではまた、次回のブログで。

※前回の内容も読みたいという方は
こちらから(厚生年金保険について)


塾講師歴20年。二児の子育てをしながら塾を経営しています。 ここでは、「これからの世の中を生き抜くために必要な力」について考えていきます。もし、気に入って頂けましたら「スキ、フォロー、サポート」よろしくお願い致します。m(_ _)m やる気が倍増します!