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琴葉姉妹オーナーの集い?に行ってきた【エーアイ株主総会2023回想レポ】

【注意】
この記事は、筆者が4か月前の出来事を回想して書き上げた記事です。そのため、不正確性な情報が含まれることがあります。ご了承の上、お読みください。

1.前日談

2023年1月に遡る。
私、いきねばは温めていた計画を実行に移そうと決意した。

「株主になって琴葉姉妹のオーナーになろう!」計画である。

要は、琴葉姉妹を始めとして合成音声ソフトを開発しているので、その権利を持つ企業さんの株式を保有すれば、株主(オーナー)となるだろう。それは即ち、琴葉姉妹のオーナーだと言い張れなくもないと考えた。少なくとも筆者はそう思いたい。

そこで、その企業についても確認しておこう。合成音声ソフトA.I.VOICE琴葉茜・葵は株式会社エーアイが提供する製品で、このエーアイ社の株式を所有することが計画達成に不可欠な要素となります。会社概要は下記引用の通りです。

企業名  株式会社エーアイ
事業内容 音声合成エンジン及び音声合成に関連するソリューションの提供

株式会社エーアイ 会社概要」より

オーナー云々の話は置いておくにしても、投資した資金の一部は合成音声技術を高めるために使われるであろう。仮に資金が思惑通り活用されていて技術開発に寄与すれば、琴葉姉妹ちゃんの表現の幅は広がり、一層実在性が高まるかもしれない……そう妄想するとファンとしては嬉しい。

ところで筆者、計画完遂のため人生初めて株を買う。知らないことばかりだではあるが、証券口座は開設していたので、とりあえずスマホで最小単位の株を注文し取引成立。6月初頭に株主総会招集のお知らせが届いた。

この株主総会とやらで、何か合成音声ソフトファンとして面白い話や経験を得られないかと、僅かに期待が高まる。仮に面白い出来事がなかったとしても、どんなものなのか経験しておきたいし、可能な限り共有もしたい。株主総会の招集に応じることとしました。

2.総会当日

2023年6月22日、東京。

9:30
会場となるTKPガーデンシティPREMIUM神保町に到着。

ビル入り口には、「エーアイ株主総会」と書かれたボードを持った社員らしき方。そのままビルへ突入。エレベーターで3Fに到着。

ホール近くの掲示板にはエーアイ株主総会。

会場前の掲示板

ところでこの空間、なにやら”ビジネス”を想像させる堅苦しい空気が漂っており、軽い気持ちでやって来た筆者としては、居心地が悪い。

開場前に掲示板を撮って、「コトフェス来てます」とTwitterで冗談ツイートをしよう!などと参加前日などは考えていたけれど、場の雰囲気というか完全に空気に飲まれてしまい、そんな心の余裕も消えていた。

受付にて

長い通路を進むと、ホール前では受付が行われていた。

そこで議決権行使書を手渡す。
議決権行使書といえば、株主総会で採決をとる各議案事項に対して、株主が賛否を記す投票用紙のこと。この用紙は事前に郵送されているので、出席せずに議決権を行使することも可能。
それで議題議決は会社運営上、重要な採決が採られるわけで、本来であれば熟考に熟考を重ねるべき事柄。その結果、企業と株主の利益を最大限に引き出せる選択肢に票を投じるのか、などと考えるべきなのだろうが......

分からん!資本額の減額や選任される役員候補者等、議決権行使書と一緒に送られてきた株主総会招集ご通知用紙に書かれていたけれど......やっぱり分からん!!ここでの分からんは、知識不足ゆえに賛否の判断が付かない状況を指す。

株主とは大変な立場である。最小単位しか持たぬ筆者のような株主では賛否、ましてや経営になど影響を与えることはなど毛頭ないだろうが、それでも選択を突き付けられると悩んでしまう。

とりあえず、「賛成」の欄に丸を付けた(思考停止)。特に会社の方針に不満はないし、そもそも最小の泡沫株主なので影響も皆無だろう。

ゲットしたアイテム

そんな話はともかく、受付が完了したようだ。
議決権行使書と引き換えに、受付の社員さんよりアイテム(?)を受け取った。

  • 株主総会招集ご通知(郵送でも送られてきたので、所持は2冊目)

  • 事業紹介資料

  • 番号札(下記画像の通り、奇しくも茜ちゃんカラー)

受付で貰った番号札(下2桁は伏せている)

アイテムについて、番号札は株主質問のときに使うらしい。残り2つの資料は、アイテム使用時に説明しようと思うので、この場では割愛させていただく。

あ、そうそう。株主総会と聞いて、欲張りな筆者が期待していたものがあった。そう、お土産だ。ネットで調べた限りではなさそうだったが、現地の状況は流動的に変わるので何があるか分からない……はい、お土産らしきものはありませんでした。当たり前です、勝手に期待してごめんなさい。

ホールの様子

前から3列目の席に座る。
会場となるホールの様子は下記のリンクが参考になるので、気になる方は見てほしい。

プレミアムボールルーム/TKPガーデンシティPREMIUM神保町

会場の様子を確認。
4×20テーブルほど。

ふむふむ来場者は……席数の割には人はまばら。最後列には立っている人が数名いたけれど、社員の方だろう。会場にいる株主は、推定で10人前後だと思われる。

服装について、念のためスーツで来場。案の定、周りもスーツかジャケットを羽織った株主ばかり。Tシャツ姿の猛者もおられた。絶対にスーツでなければいけないわけではないようだ。

[アイテム]事業紹介資料

受付でゲットしたアイテム、事業紹介資料に目を通す。形式はいわゆるTHE・パワーポイント資料で、営業さんとかが説明のために使ってそうなやつだ。資料内容は、エーアイ製品を導入した企業の利用実例を、株主に紹介するための資料で、聞いたことのある企業の事例も掲載されていた。エーアイは行政防災無線で活用されているとか、かの空港ビルのアナウンスで使われてたとか、そんな具合で紹介されている。

それを読み進めていると……!?
おや?おやおやおや??偉大なる空に輝くエーアイの星にして琴葉姉妹……それにA.I.VOICEの面々のイラスト!AHS VOICEROIDシリーズのパッケージも!利用実例(パッケージソフト)として掲載されているじゃないですか!!

……最後から2ページ目なんですけども(涙声)

3.株主総会

総会開始

10:00
第20回定時株主総会が始まる旨がアナウンスされる。株主席と対面で配置されていたホール最前列の席に、エーアイ社の経営陣が一列に座る。その面々が紹介されていく。

株主総会の進行にあたって、議長の選出が行われる。会社側が指名した人物、代表取締役を指名。拍手で採決を取り、総会の議長が決まる。

[アイテム]株主総会招集ご通知

ところで、先ほどから何度か登場した株主総会招集ご通知。これに記載された内容を基に総会が進められていく。興味がある方は、第20回定時株主総会決議ご通知から同じものが公開されているので、興味があればリンクから一読しておくことをお勧めします。
簡単に説明するなら、株主総会で必要な企業情報をまとめた資料で、事業、会計、監査についての報告、並びに総会での決議議題について記された資料といえばよいと思う。

事業報告・会計報告と合成音声サービスの活用

議長より報告。株主総会招集ご通知を見るように促され報告を受ける。プロジェクターにも凡そ同じものが映されている。

議長が席に下がり、詳細な事業報告並びに会計報告となった。
この報告では、自社の合成音声サービスによって、株主総会招集ご通知記載の内容に沿ったテキストが読上げられているようだ。
このとき「自社製品を使ってくるかー……」と意表を突かれた思いをしたが、冷静に考えてみれば、これが合成音声サービスの本来の使われ方であることは明白であろう。報告内容が膨大で、かつ言い間違いが命取りとなるような事業報告の場で、正確かつ淡々とテキストの読み上げが可能な音声合成サービスが活用されるのは適材適所というものである。それに報告単体を切り取って検討してみても、情報発信が一方通行の場面であるから、リプライの必要もなく相性が良い。
他企業の株主総会がどのような手段で報告されているか、筆者の経験不足で比較等の評価はできないが、今回の経験で語るのであれば、株主総会での合成音声技術の活用が広まることに期待したいところである。

で、誰の声?

もう少し合成音声サービスに注目してみよう。事業報告は女性声、会計報告は男性声で読み上げられていたわけだが、この音声、どこかで聞き覚えのある声だった。

まず女性声について考えてみたい。当時はこの女性声が誰なのか分からなかった。後日、記憶を頼りにホームページの音声合成デモンストレーションで聞き比べてみた。おそらく女性声は「かほ」だったように思う。あまり自信はないけれど。

次に男性声、こちらは検証せずとも判明した。安心感がありつつ伝わりやすい声に定評があり、ニュース番組のアナウンサーを長年務めるベテランアナウンサーのような声で表現力豊かな音声……
そう、男性声は「風見壮一」だ!コンシューマー向けの製品名が風見壮一なので、より正確に言えば「せいじ」だと思われる。

……ところで、来期の報告にあたっては、琴葉姉妹ちゃんを活用することを株主として強く希望する(過激な提案)

ともかく、株主総会の場でエーアイ製合成音声サービスの活躍と、その本来の使われ方を目の当たりにした。

議題議決

会計報告を終え、決議事項の説明へと移る。受付で手渡した、議決権行使書議題からつながる話だったか。議長により、第1号議案から第5号議案まで読上げられる。

そして議決へ。といっても、集計結果は判明しているものと思われるので、形式的な議決の場であろうか。
賛成者は拍手してください、ということで拍手……気まずい空気が流れる。賛成されたということで経営サイドがお辞儀、残りの議案も同じく可決されていった。

株主からの質疑応答

さて、株主総会の一番の目玉。株主からの質疑応答である。
株主が質問する場面といえば、経営サイドに対して直接話を聞くことのできる数少ない機会で、様々な質問が投げつけられていた。この場を例えるならば、雰囲気は記者会見に近い。

質疑応答の一連の流れとしては、株主が挙手、議長より指名され、番号と氏名を名乗ってから、質問を簡潔に行い(大体は簡潔とは言い難い質問が多い)、それに対して経営サイドが答えるという流れになる。このときに名乗る番号は、受付で渡された茜ちゃんカラーことピンク色の[アイテム]番号札にある番号のこと。ようやくアイテムを全て使い切った。

さてここからは、実際にどのような質疑応答をしていたかを記していこうと思います。けれど、読む上で注意してほしい事項が2つあります。

一つは質疑の正確性について、二つめにセンシティブな内容が含まれていることだ。

上記注意を承知の上、以下の質疑応答を読まれることを推奨します。
読まない方は『グレーの引用ブロックの終わり』まで読み飛ばしてください。

【事前質問への応答】 (郵送の質問状に対する質疑応答)
Q.1
昨年10月ごろより「暇な空白氏」による風評被害が報告されているが、この件への対応について。
(「当社キャラクターへの風評についての質問」と議長が要約、復唱)
A.1
これまで通りキャラクターガイドラインを遵守していくよう広めていく。
個別の事案については回答を控える。
ただ問題のある利用については、必要に応じて、専門家と相談しつつ適切に対応していく。
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Q.2
キャラクターガイドラインは曖昧ではないか。
A.2
二次創作を推奨しつつ、ガイドラインを遵守するよう広めていく。頂いた意見については真摯に受け止め、より良いガイドラインに改定していく。
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Q.3
自社製品、またはサードパーティの管理について適切に保護されているか。
A.3
適切な保護をしている認識。
また、来年で琴葉姉妹が10周年を迎えるにあたって、引き続き成長への施策を行なっていく。
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【会場での質疑応答】
Q.4(株主A)
フュートレックの株式取得について。
A.4
(※筆者がメモ取り忘れたため、回答掲載できず。申し訳ありません。)
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Q.5(株主B)
栗田まろんが無償で公開されているが、その開発費について、また費用対効果は出ているのか。
A.5
栗田まろんの開発費について、非公開の情報のためこの場でお答えすることができない。また費用対効果について、ニコニコ超会議やニコニコ動画などでプロモーションのためにコラボレーションを行なっており、その効果は出ている。
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Q.6(株主C)
キャラクターガイドライン違反に対し、適切な対応をしてほしい。
A.6
キャラクターを広く活用して育てていくという方針であることから、ガイドラインに沿った利用を遵守するよう広めていく。個別の内容についてはお答えすることはできない。問題のある利用については、専門家と相談しつつ、厳正に対処していく。ガイドラインについては、分かりやすく、かつ利用を狭めないような対応としていきたい。今後もご支援をお願いいたします。

……センシティブな質問が散見しており、文字起こしするのも億劫というのが正直な感想。けれど情報を隠すのも気が引けるので、とりあえず情報として書き記しておき、読者の判断に委ねれば良いのではないかとも思い、掲載することとしました。

質疑応答後~終了

さて、質問が出尽くしたので、総会は佳境を迎える。
今回でエーアイの創設者が退任されるということでした。お疲れさまでした。

あと新任される役員、監査役の紹介。
1列前の席の株主側の席にいるであろう人が突然立ち上がる。会社関係者だったのか……

こうして、1時間程度で株主総会は終了した。

4.株主総会 終了後

11:00
終了後、少し寄り道。
エーアイ社にて開発中のデモ機が見れるとアナウンスされていた。
是非とも見てみたいと、入口でスタンバってる社員さんのところへ行く。

……なるほど?
筆者はガジェット関連はあまり詳しくないことを断った上で説明する。

見たところによると、chatGPTをカスタマイズした社内業務支援Webアプリであろうか。AIと対話しながら業務を処理していくのだろう。各業務ごとに特化した機能が実装されていく予定なのだという。デモで見せてもらったのは、ブログラムのデバックを想定した利用事例だった。

開発中ということなので、自分にはまだ関わりがなさそうなシステムだけれど、株主としては今後に期待したい。

というわけで、神田神保町を後にした。

【補足】
この記事は、「ぼすきー Advent Calendar 2023」10日目の参加記事です。
他にも合成音声またはぼすきーにまつわるユニークな記事が閲覧できますので、興味のある方は是非ご覧ください。


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