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爬虫類イベントでの生体購入時注意点

最近、爬虫類イベントで生体を購入した際にトラブルに巻き込まれる方が増えているのを目にすることが多くなりました。一人でも不幸な飼育者が減ることを願い、僕の個人的な経験に基づいた注意点をここに書き留めておこうと思います。


読む前の注意点

特定の出店者を責める意図はありません。イベントには、良いお店や悪いお店、独特なお店、大手から個人までさまざまな業者が参加しています。また、お互い人間同士ですので、購入者側も十分な注意が必要です。この文章を読んでいただいた業者の方々も、もし思い当たる点があれば、改善していただけると嬉しいです。

購入時注意点

「状態が良い」という話を信じすぎない

以前、状態が良く餌も食べると言われて購入したリクガメが、数日後に死んでしまったことがありました。解剖してみると、内臓は肝硬変を起こしており、腸管には餌の欠片すら残っておらず、明らかに説明と異なる状態でした。

また、あからさまに死にそうな個体を『状態が良い』と言って売ってくる業者や

病気の個体を平気で売ってくるショップもいるので注意が必要です。

昔に比べて爬虫類や両生類の輸送状態は改善されていますが、それでも最終的には自分でしっかりと見て判断することが大切です。

性別(雄雌)の情報を鵜呑みにしない

特に蛇などでは、店によってはプローブを使って性別を確認してくれることもありますが、2匹まとめて売りたい店舗が、実際はオス同士なのに片方をメスだと言ってペアで売ってくることもあります。そのため、半信半疑くらいで受け止めるのが良いでしょう。(プローブに慣れていない店員の場合、性別判定を間違えることもあります。)
また、種類に関係なく、先に『オス(メス)を探している。』と言うと、売りたいからか逆の性別だと言ってくることがあるので注意が必要です。
実際、何度か買い物をしたお店でも、他の人が見ても明らかにオスなのにメスだと言い張られたことがあります。見た目で性別が分かる種類に関しては、必ず自分の目で判断することが大切です。

亜種や品種の説明をそのまま信じない

良心的だったり知識のある業者だと、独自に判断して記載しますが、多くの店は、問屋から仕入れた際のインボイスを記載していることが多いです。そのため、X(旧Twitter)で話題になったように、バナナスパイニーテールイグアナを購入したつもりが、実際は違う種類だったということも起こり得ます。

また、店舗によっては意図的に偽装して販売することもあります。このような場合、たとえ偽装があっても、販売者が認めなければ民事裁判になるため、証拠や証言が揃えば勝てる可能性はありますが、時間とコストがかかります。最終的には、自分の目で確認し、しっかりと判断することが重要です。

店舗の知名度で判断しない

イベントに頻繁に参加していたり、X(旧Twitter)で露出が多く信用できそうに見える店舗でも、注意点に書いたような問題を起こすところがチラホラあります。そのため、知名度が高いからといって信用するのは避けるべきです。また、店員と良い人間関係ができていれば、評判の良い店でも悪い店でも、良い生体を適切な値段で提供してくれることがあります。逆に、関係が築けていない場合、どんな店でも売上を優先する対応をされることが多いように見受けられます。特にイベントでは一見の客が多いため、売上を優先する対応が目立ちます。したがって、店の知名度や評判に盲信せず、冷静に判断することが大切です。

また、アクアリウムバスやアクアリウム東京の運営をしているFeedOn(フィードオン)など、有名なイベントの開催者や運営者でも、問題が起きる業者もいるため、注意が必要です。

また、爬虫類・両生類・熱帯魚界隈では、伏せ字や暗黙の名前で投稿されることが多いため、確実とは言えませんが、Googleマップの口コミやX、5chなどの投稿から店の評判を調べてみるのも一つの手かもしれません。

行動時注意点

無理な値下げ交渉は避ける

多少の値下げ交渉はイベントの醍醐味だと思いますが、『少し下がったら買う』といった背中を押してほしい場合や、本当に手持ちが足りない場合を除いて、こちらから金額を指定するのは避けた方が良いです。生体を選び、立ち上げた店舗に対して失礼ですし、後々の人間関係にも影響を与える可能性があります。また、特に利益が少ない種類については、店舗が持て余している場合を除き、値下げ交渉は控えた方が良いでしょう。さらに、交渉を断られた場合は、すぐに引き下がるのが賢明です。

他の客に迷惑をかけない

たまに生体を先に買い占めたいあまり、他の客を突き飛ばして購入に走る人がいますが、そういった行為は他の人から『人間のクズ』と思われかねません。そうした行動は避けるべきです。

イベントや店舗のルールを守る

欲しい生体がいる気持ちは分かりますが、とんぶりやぶりくらなどのイベントで、ルールを破って夜中から並ぶような行為はやめましょう。
また、無断撮影なども許可がない限りやめましょう。

決断時注意点

探している種類なら即決も検討

探している種類が高価だったり、飼育に自信がなくて迷っているうちに、会場を何周かしている間に売れてしまい、『どうしてこの種類が今売れるの?』と後悔することがよくあります。そのため、探している種類で状態が良さそうな個体が見つかったら、とりあえず購入することをおすすめします。

「安いから」という理由だけで買わない

なんとなく安いからと雰囲気で買ってしまうことがありますが、そういった場合、結局大事にせず後々手放したくなることが多いです。無理して購入しないようにしましょう。

購入後の管理ができるかよく考える

探している種類でない場合は、衝動買いは避け、飼育管理ができるかどうかをよく考えてから購入することが大切です。もし、とりあえず購入してしまった場合は、その後の対応をしっかり考える必要があります。第一種動物取扱業の販売を持っていると、困ったときに生体を相場付近で手放す選択肢ができるので、取得できそうならば取っておくことをおすすめします。

購入後注意点

受け取り前に生体が生きているか確認する

特にカエルや小型のトカゲ・蛇などでは、実は容器の中で死んでいることもあります。一度受け取ってから気づくと、移動中に死んだのではないかとトラブルになることがあるため、受け取り時に生きていることをしっかり確認するべきです。

生体販売説明書は必ず受け取る

爬虫類を購入する際、店によっては『生体販売説明書は無くてもいいよね?』と言われることがありますが、いつ生体がサイテス入りするか分からないため、必ず生体販売説明書や確認書を受け取り、家で保管しておきましょう。また、トラブル時に音信不通になり、販売していないと言い張る店もあるため、その意味でも説明書をもらっておくことを強くおすすめします。

生体を夏場の炎天下や冬場の極寒に置かない

特に夏場は、購入した生体が入った袋を少し日光に当てただけでも、簡単に死んだり状態が悪くなったりすることがあります。そのため、直射日光や急激な温度変化を避け、できるだけ安定した環境で持ち帰るようにしましょう。

寄り道せず、早めに帰る

移動のストレスで餌を食べなくなるなど、状態が悪化することもあるため、寄り道をせず、できるだけ早く帰ることを心がけましょう。

飼育方法はできる限り購入店舗に相談する

購入した生体の飼育方法を、購入していない近場の店舗やX(旧Twitter)で質問する人がいますが、断ると関係が悪化しやすいため、対応してくれる店舗も多いです。しかし、店側にとっては時間を取られて迷惑になっていることが多いです。せめて餌や用品などを何か購入してから質問するか、店員と仲良くなってから聞くようにしましょう。基本的には、最初から購入した店舗で質問するのが望ましいですが、アクバスの運営のように、音信不通になるショップや業者もいます。イベントで購入する場合は、店舗での購入よりもアフターサポートが期待できないことがあるため、やむを得ない面もあるかもしれません。

爬虫類に詳しい動物病院では、診療ついでに飼育方法を教えてくれることもあるので、アドバイスを求めてお金を払って相談に行くのも良い選択です。また、飼育環境やレベルは人それぞれ違うので、飼育本を何冊か購入して読むことをおすすめします。さらに、日本や海外のブリーダーがやっているYouTubeを観るのも、良い参考になります。

まとめ

イベント参加のメリットとリスク

爬虫類両生類イベントで購入するメリットは、近場の店舗では売っていない種類を実際に見て購入できることや、実店舗をいくつも回らなくても、ある程度まとまった種類を一度に見られる点だと思います。

状態の悪い個体を引いても、自分で立ち上げられると思える人や、実際に生体を見て判断できる人にはイベント購入は良い選択かもしれません。しかし、交通費や入場料、消費する時間などを考慮すると、イベントでの購入は必ずしも安くないことが多いです。衝動買いを避け、リスクを理解した上で、賢く活用することをおすすめします。

実店舗とイベントの比較

爬虫類・両生類イベントでの生体購入時の注意点を思いつく限り書き出してみましたが、いかがでしょうか。正直なところ、イベントで購入するよりも、よく行く店舗で購入した方が確実なことが多いです。購入した店舗との関係が築けることで、飼育に困った際に相談しやすくなり、他の問題が生じたときにも頼りやすくなります。多少高くても、実店舗でしっかり意思疎通を取り、吟味して購入した方が、総合的に得をすることが多いです。

ただ、僕もジャパンレプタイルズショー、レプタイルズワールド、エキゾチックレプタイルエキスポ、ジャングルハンター、ブラックアウト、WAF、とんぶり、HBMなど、爬虫類・両生類を扱うイベントにはよく行きますが、必要なものだけ買うつもりでも、ついつい何かしら買ってしまいますし、自制心や冷静さを保って行動するのは、なかなか難しいんですけどね😅

トラブルに巻き込まれたら

もし何かトラブルに巻き込まれた場合や、「この店舗や業者、出店者は大丈夫?」といった疑問があれば、分かる範囲で相談に乗れるかもしれませんので、気軽にご連絡ください。

僕のXアカウント
https://twitter.com/ikimonooki

アフェリエイト

なんとなくAmazonアフィリエイトリンクでおすすめの本を紹介してみました。noteは収益化が難しいイメージがありますが、皆さんは何をモチベーションに記事を書いているのでしょうか🤔

ドリルを売るには穴を売れ

マーケティングを覚えて、どのように店が売ろうとしてくるかを把握しましょう。

反応しない練習

感情的に反応しない技術を身に着け、衝動的に判断するのを避け、常に冷静でいられる心を鍛えましょう。

改定増補版 爬虫類の病気ハンドブック カメ・トカゲ・ヘビ

雄雌判断や、症例として状態の悪い生体の写真も載っているので、生体購入時の目を養いましょう。

欲しいものリスト

欲しいもの一覧です、よかったら恵んでください😊

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