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野鳥撮影が自然写真家へのきっかけ・ヤマセミとの出会い(その3)


ヤマセミ撮影で学んだ撮影術

レンズについて

野鳥撮影をはじめた当初、被写体を大きく撮りたくてキャノンの500mm、800mmを購入しましたが、800mmは重たすぎること、撮影化能な最短距離が長いこと、色収差が出やすかったため、すぐ手放しました。
500mmは使いやすく、野鳥撮影で常用していました。
ただ、ヤマセミ撮影を始めて、被写体に近づいて撮ることから、ブラインドなどに隠れて「待って撮る」という撮り方になりました。
そのため、使用レンズは300mmが軸になり、捕食シーンなどは50mmマクロ、営巣撮影などでは、環境や風景を入れ込むため、24mmを使うようになりました。

カメラについて

野鳥撮影を始めたばかりのころは、絞り優先で撮影をしていましたが
ヤマセミ撮影を始めてからは、捕食シーンの撮影や日中シンクロ撮影などもするようになり、絞りもシャッタースピードもマニュアルで撮ることを覚えました。
当時のカメラは、フィルムカメラですから、写真の画質は、レンズの質とフィルムの種類で決まるわけで、カメラ自体は、決めたシャッタースピードでシャッターが切れてくれさえすれば、撮影にさほどの影響はありませんでした。
常用していたカメラはキャノンA1、ペンタックスMEスーパーです

ストロボについて

ヤマセミ撮影を始めてから、ストロボを使用するようになりました。
フィルムの場合(デジカメも同様ですが)感度が低い方が粒子が細かく、解像度が高く、引き伸ばした時の写真が美しいわけです。
当時は、写真の発表は紙媒体しかなかったわけですから、多くの写真家がコダクローム感度64を使用していました。
そのため、捕食の瞬間などを撮影するためには、ストロボの発光時間を利用するしかありませんでした。
例えば、真っ暗な場所ではシャッターを1分開けておいても、フィルムは感光せず黒いままです。そこに、ストロボの閃光時間を10000分の1で発光させることで、10000分の1で撮影した写真が撮れることになるのです。
その原理を利用し、ストロボを多用するようになりました。
ただ、ストロボの閃光時間を短くすると、光量が小さくなるため1灯では光量不足になるため、3~4灯の多灯撮影になります。

リモコン撮影

フィルムカメラの電磁レリーズは単純で、プラスの線とマイナスの線があるだけの2芯コードで、スイッチを押すことで、それが接触し電気が流れるという仕組みでした。ですから途中でコードをハサミなどで切断し、ホームセンターでイヤホンコードを購入し、線をつなぐだけで、好きな長さに延長することができました。
ある程度離れたところに、ブラインドを張り、置きピンで捕食シーンや巣への出入りを撮影をする場面で、大変役に立ちました。

その後の撮影活動に生かされる

ヤマセミ撮影は、その後の自然撮影にとても生かされました。
ヤマセミ写真は、それがそれほどの収入になることはありません。ある意味、趣味の写真ということになります。
ただ、その時に覚えたストロボ多灯撮影、水中撮影、リモコン撮影など。全てがその後の撮影に生かされています。
自然写真は、10年かけて撮った写真も、ほんの短時間で撮った写真も、使用時の値段に違いはありません。
ひとつ、軸になる生態写真を撮りながら、幅広く自然を撮れる自力をつけることができるようになったのも、このヤマセミ撮影の10年間が生かされていると感じています。
その力が、40年の写真活動を支えてくれています。
簡単な解説でしたが、プロを目指す皆さんの、参考になればと思っています。



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