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鼻水で死にかけた話

ある日突然咳が出るようになった。でも熱はないし鼻水も出ないから、空気が乾燥してて咳が出てるんだと思って2、3日様子を見てた。

3日経っても咳が止まらないどころか酷くなったので、病院に行った。扁桃腺が少し腫れているだけで大したことはないといわれ、咳止め薬だけもらって帰った。

1日3回食後に咳止め薬を2日飲んでも咳は全く止まらなかったので、もう一度病院に行ったら、今度は感染症に感染してると言われた。咳止め薬と鼻水を止める薬、抗生物質をもらって帰った。

全部の薬を指示通りに飲んでも症状は改善しなかった。また3日後、今度は他の病院に行って鼻から入れる内視鏡検査を受けた。
鼻から感染症に感染していて、鼻水が鼻の穴からではなく喉の奥に流れる「後鼻漏」という状態になっていた。鼻水や痰が喉に溜まって咳が出ていた、というよりむせていたらしい。

鼻水が喉の方に流れる。これだけ書くと大したことないように感じるが、実際は命に関わるほど危ない状態。

朝起きたとき、寝てる間に溜まった鼻水が喉のあたりで固まっているのが分かった。息をするだけでむせそうになる。喉を刺激しないように慎重に息をしていたが、息を吐いたときに固まった鼻水が震えて気道の入り口に当たって激しい咳が出た。喉が焼けるような激しい咳だったが、固まった鼻水は取れなかった。

最悪なことに、息を吸い込むとき、ドロドロの鼻水が膜状になって気道を塞いだ。咳が出るときは膜が破れて息が外に出るが、息を吸おうとすると膜が元に戻って息が吸えない。パニックになった。

今度は体が吐こうとした。だが、朝起きたばかりで胃の中には何もなかったので、ただ嗚咽してさらに息が出ていく。このときはじめてわかったが、吐きながら咳をすると気道が完全に塞がって息ができなくなるようだ。さらにパニックになった。

スマホで救急車を呼ぼうと思ったが、指が震えてうまく押せない。さらに声も出ない。一瞬死がチラついた。視界が狭くなり、意識が遠のいていった。肺の中の空気は完全に吐き切っていたが、ドロドロの鼻水は取れていないので、咳はまだ止まらない。

この状態で意識を失うと死ぬと感じたので、必死に腕をつねった。痛みで少しパニック状態が収まった。落ち着いて力を抜こうとした。

空気は出ずに咳の動作だけが続く。落ち着いて息を吸い込もうとした。少しだけ息が吸えた。声にならない「うぁー、うぁー」という音が出た。鼻水、涙、よだれをゴミ箱にこぼしながら必死に息をした。本当に惨めだった。

何とか呼吸が正常に戻った。あと少し息ができなかったら死んでいたかもしれない。

今現在、感染症は治って鼻水の色は透明になり、量も少なくなってきた。感染症との3週間の戦いはやっと終わりかけている。本当にしんどかった。。

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