かつての椎名林檎ファンたちへ

高校二年のちょうど高校を辞めたころに東京事変の「群青日和」を聞いてまんまと椎名林檎にハマり、去年まではapple musicの履歴がほぼ椎名林檎で埋まるくらい好きだった。特に「無罪モラトリアム」、「勝訴ストリップ」、この二つ。無罪だったら「正しい街」がぶっちぎりで好きなのだが、勝訴ストリップは全部好き。高校の頃がっつり病んでいたこともあって、「虚言症」を聞くと椎名さんはどうしてこんなに私のことがわかるのだろうかと不思議で仕方なかった。その他の曲も、自分の思っていることを全部代弁してくれている気がして、とても心強かったのを覚えている。昔のライブ映像を漁ったりデモ音源を聞いたりするのは楽しかった。あの頃の椎名さんは(今でもだけど)本当に唯一無二の美しさがあって、何度映像を見ても飽きなかった。私がストライクでビジュアルが好きだった時期は2003~2006、2015で、ちょうどアルバム「教育」、「大人」、「日出処」だと思う。「日出処」は最近のアルバムの中では一番好きで、昔の椎名さんの曲を聴いているみたいだった。私が椎名林檎を知ったのはちょうど2020年で、このころから椎名林檎の作風というか音楽は変わったと思う。万人受けを目指していないというかなんというか.…まず王道のロックという感じの曲は歌わなくなったし、大人の電子音楽、bgm、みたいな風にシフトチェンジしていった気がする。私は音楽のことに詳しくないからわからないけど、メロディーラインも難しくてあまり聞かなくなってしまった。それと歌詞が難解すぎる。去年行われたライブで初めて「私は猫の目」を聞いたときに何を言っているのかわからな過ぎて呆然としてしまった。それでもファンだったので、毎日歌詞の意味を考えて生活して、ようやくわかった気がする!という時にはすでに夏だった笑 正直このライブで、私が好きな椎名林檎は過去の椎名林檎だったのだ…ということに気が付いてから私の椎名さんへの熱は引いてしまったんだと思う。東京まで母親と行って自分の思った感じと違った、というのはかなり落ち込んだ。(2018年の「椎名林檎と彼奴等の居る真空地帯」の映像を見て昔の曲を歌ってくれると期待してしまっていた。)
そこから今日に至るが、最近また新しく「放生会」というアルバムが出されたが、私は次のライブには応募しない予定でいる。完全に新しくなった椎名さんは相変わらず美しいし、アーティストとして今でも精力的に活躍している姿はとてもかっこいいと思う。けれどこれからは新しい椎名さんをゆっくり追いかけていけばいいかなと思った。昔の椎名林檎が好きだった、なんで路線を変えたんだ、という意見はよく聞くが、彼女はもう20代ではなく40代の大人の女性だ。ずっと恋愛、ロックの歌なんて歌ってられない。ファンも彼女と成長していくし、それを楽しむべきなんだと思う。私は本当に一時期取りつかれたように椎名林檎を聞いていたから最初裏切られたようにも感じたが、それは間違いで、私の好きだった椎名さんは彼女の中に確かに存在するのだ。これからもゆっくり応援させてください。       5月31日


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?