マガジンのカバー画像

チョコレートリリー寮の少年たち

52
自己満足で書いているお話です。チョコレートリリー寮に住んでいる少年たちの、とうといまいにち。 ご飯を美味しそうにたべます。 (少年たちがいちゃいちゃします、要注意)
運営しているクリエイター

#クリスマスイヴ

ギフト④【チョコレートリリー寮の少年たち】

ギフト④【チョコレートリリー寮の少年たち】

僕たちはめくるめく鮮やかな露店に瞳を奪われながら、はしゃぎつつ行進した。リヒトがブルースハープを高らかに吹き鳴らしている。そしていきなり立ち止まる。ちいさなせなかにぶつかってしまった。ごめんね、とあやまると、気にしないで!と朗らかな笑みを浮かべてくれた。
「わー!!すごい人。クレープ屋さんとフライドポテト屋さん、彼処ですか?」
「そうそう。併設されてるんだ。エメ・ラボっていうお店。レシャさんとファ

もっとみる
ギフト⑤【チョコレートリリー寮の少年たち】

ギフト⑤【チョコレートリリー寮の少年たち】

かくして僕らは無事波止場にたどり着いた。たくさんの露天が軒を並べている。
「すごい、今まさに太陽が沈んでいくところ、奇跡みたい。綺麗な夕焼けです。まるで湯むきしたトマトのようです」
真っ赤な夕日が、嘘みたいなまぼろしをはらんで水平線にきえていく。しばらくの間、僕たちは黙って、ゆっくりその光景に見とれた。
「素敵ですね。僕とレシャはこのくらいの時間から夕飯の支度をはじめるから、こんなに雄大な空、どこ

もっとみる