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営業のはなし

ハンドメイド作家をしていると、一体どこでその情報が出回っているのかわからないけど営業の電話やメールが来ることがあります。

「○○に出店しませんか?」

「SEO対策しませんか?」

「雑誌に掲載しませんか?(掲載費数万円)」

etc.

基本的に全部断っているんですが、1件だけ話に乗ってみたことがありました。

昨年の6月頃にハンドメイド品を対象とした在庫リスクフリーの卸売ECサイトに出品しませんかという営業メールが来たんです。

最初はスルーしてたけど気が変わって話だけでも聞こうと連絡して資料データなど色々見せてもらったら結構面白そうだったので出品してみようかなぁと思いました。

連絡が来た時点ではまだサービスのリリース前で出品する作家さんと卸先の小売店を募集している段階でした。

その会社を検索するとセンス良さげなホームページとベンチャー企業の紹介サイトがヒットし、社長や従業員は現役の大学生でした。

うーん……

若者が新しいサービスを考えてすぐに起業できるって素敵なことだけど、本当に大丈夫かな?

というのが正直な感想。

8月頃にサービスがリリースされるとのことでしたが、その頃私は他のイベントや委託販売が決まりそちらの在庫を優先して製作する必要があったので、とりあえず出品は保留にしてそのサイトが実際どんな感じなのか観察してからにしようと思いました。

サービスが開始されると、ぽつぽつと商品がアップされるようになりました。
数百円〜千円前後のアクセサリーがメインでしたが、アートなデザインのお皿やオーガニック石鹸なんかも。
商品ページには卸値と希望小売価格が記載されていました。

卸先の小売店側は、このサイトで仕入れたものはもし一定期間経過しても売れなかったら運営会社に返品してもよいというのが"在庫リスクフリー"という売りでした。
返品されたものは運営会社が将来的に持つ予定の小売店で何とかして売るとのこと。

本当にそんなうまいこといくんだろうか?

そんな疑問を持ちながら時々そのサイトにアクセスして観察を続けていると1ヶ月後くらいにハンドメイド品ではない既製品の商品がたくさん掲載されるようになりました。
よくよく見てみると某卸売ECサイトの商品をそのまま引っ張ってきて掲載されていました。

きっと商品数が少なすぎるのを埋める為に載せているんだろうなと思ったけど、そもそもハンドメイド品を対象にしてたんじゃないの?

これでもう一気に怪しいと思い出品するのはやめることにしました。

その後、10月頃にそのサイトにアクセスしてみるとページは削除されていました。

あぁやっぱりな…という感じです。

ハンドメイド品専門の卸売ECサイトって発想はとても面白いけど、そもそもハンドメイド品は一点ものや量産に向かない作品が多いから難しかったのかな。

そしてそれから約5ヶ月が経った今日、ふとその会社を思い出し検索してみると、

スポーツ専門のニュースアプリを提供する会社になっていました。


おわり。

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