IKEUCHI ORGANICが“アスリート支援”の先に目指すもの
IKEUCHI ORGANIC代表の池内です。
スポーツにおいて、タオルは欠かせないアイテムです。特にアスリートにとっては、一般の方よりも発汗量が多いため、より高い吸水性が求められます。
しかし、様々な競技のアスリートにヒアリングを重ねたところ、「理想のタオルに出会ったことがない」「タオルで感動した経験がない」という声が多く聞かれました。
「心地よいタオルを通じて、アスリートの挑戦を支えたい」
その想いから、IKEUCHI ORGANICでは、日本をはじめ世界で活躍するアスリートを支援する『タオルサポートプログラム』に取り組んでいます。
プログラム内容としては、主に以下の3つです。
例えば、『イケウチの人たち』で取材させていただいた、車椅子テニスの小田凱人選手もサポートしているアスリートのひとりです。
18歳という若さで金メダリストに輝いた小田選手ですが、IKEUCHI ORGANICでは、小田選手が14歳の頃からタオルサポートを行ってきました。
次々と記録を塗り替えながら、世界のトッププレイヤーへと成長していく小田選手の姿は多くの人々を魅了し、車椅子テニスの世界に新たな風を吹き込んでいます。私たちもいちファンとして、小田選手の背中を追いかけ続けた4年間でした。
ありがたいことに、タオルサポートプログラムは多くのお問い合わせをいただき、支援しているアスリートの数は年々増え、競技の幅も広がっています。
私たちのような地方の中小企業では、活動資金の提供など大きなサポートは難しいですが、心地よいタオルを通じて少しでも選手の力になれればと思っています。タオル会社として、私たちなりのアスリート支援の形を模索してきた数年間でもありました。
どの選手にも「ユニークストーリー」がある
本来であれば、いただいた全てのお問い合わせに応じたいのですが、私たちは小さな会社であるため、それは難しいのが現状です。
そこで、アスリート本人やその活動をマネジメントしている方と直接お話をさせていただき、そのアスリートの挑戦を会社をあげて応援したいと感じられるかどうかを、支援の判断基準とさせていただいています。
どんな想いで競技に取り組んでいるのか。競技人生を通じて何を達成したいのか。アスリートとしてどんな信念を持っているのか。面談では、こうした少し踏み込んだ質問をさせていただいています。
また、タオルについてもお伺いします。競技の中でどのようなシーンでタオルを使用しているのか、タオルに関するお困りごとはあるかなど、競技人生においてタオルがどれほど重要な存在になっているのかもお聞きします。
このような面談を通じて、「この選手の挑戦を本気で応援したい」、そして「この選手なら、私たちのタオルを大切に使ってくれるはず」と心から感じたアスリートのみ、サポートプログラムを提供しています。
そのため、私たちの選手に対する思い入れは人一倍強くなります。選手が活躍するたびに、自分のことのように嬉しく感じますし、そうした選手たちに私たちのタオルを愛用してもらえていることに、大きな誇りを感じています。
IKEUCHI ORGANICのWebサイトでは、サポートしているアスリートの一覧を掲載しており、「ユニークストーリー」として、それぞれの選手の挑戦を紹介しています。どの選手にも独自のストーリーがあり、その挑戦を微力ながら支援できることに喜びを感じています。
小さなルーティーンを積み重ねる大切さ
アスリート支援に取り組むことは、ものづくりにも良い影響を与えていると感じます。
アスリートの方々とお話しすると、競技に真摯に向き合う姿勢が素晴らしく、人間的にも尊敬できる方ばかりです。そうした選手たちと接することで、私たち自身も「もっと頑張ろう」と自然に感じることができます。
特に印象的だったのが、細部に至るまでルーティーンを大切にする姿勢です。
スポーツにおいて最も難しいのは、「これをすれば、必ずパフォーマンスが向上する」という明確な正解がないことです。選手それぞれの体の特徴は微妙に異なるため、他の選手にとって効果的なトレーニングが、自分には合わないことも少なくありません。
そんな中でも、自分が「これだ」と納得できる道を見つけ、突き進んでいく。トレーニング方法、毎日の栄養管理、競技で使用する道具に至るまで、細部にとことんこだわり、それをルーティーンとして積み重ねていく。
例えば、先ほど紹介した車椅子テニスの小田選手は、試合中の気持ちの切り替えとして、タオルを手に取るルーティーンを大切にしているそうです。
チェンジコートの際には、まず左肩にタオルをかけ、右手で取って、左腕の外、内、頬、おでこの順に拭いていく。ボールを選んだり、トスをするのと同じように、タオルで体を拭くことも重要なルーティーンのひとつだと語ってくれました。
こうした姿勢は、私たちのものづくりとも通じる部分があり、「私たちも、もっと追求しなければ」と強く感じさせられます。パフォーマンスを安定させたり、ここぞという時に力を発揮するために、ルーティーンを大切にする必要性を改めて教えてもらいました。
アスリートのパワーを届ける架け橋へ
アスリートの方々と話をしていると、自分の競技結果だけでなく、競技の未来についても真剣に考えていることがよく伝わってきます。特に「マイナー競技」や「パラスポーツ」と呼ばれる競技に取り組むアスリートほど、その思いは強いように感じます。
以前、『競技生活への貢献だけでなく、未来を一緒に作っていく。僕らが“アスリート支援”で目指したい姿』というnoteで紹介しましたが、アイスホッケー日本代表の簑島圭悟選手と愛媛のアイスホッケージュニアチームの子どもたちとの交流イベントを開催したことがあります。
簑島選手は、私たちのサポートプログラムの第一号となるアスリートで、7年前から支援を続けています。箕島選手は「アイスホッケーの楽しさを子どもたちに伝えたい」と常々言っていて、愛媛にもアイスホッケーをやっている子どもがいることを伝えたところ、「ぜひ会ってみたい」と返事をもらったことが、この企画のはじまりでした。
私もその場にいましたが、会場は熱気に満ち、子どもたちは目を輝かせながら簑島選手の話に熱心に耳を傾けていました。その光景を見ながら、私たちが目指しているアスリート支援の理想の形は、まさにこういう瞬間なのではないかと思いました。
支援しているアスリートと、私たちと縁のある人たちが繋がり、一緒に元気になれるようなことを実行する。そんな輪が少しでも広がっていけば、これほど嬉しいことはありません。
アスリートはやはりスターであり、多くの人にとっての憧れの存在です。その一方で、彼らの背後には様々な苦難があり、それを乗り越えてきたからこその、人間としての芯の強さがあります。
アスリートの挑戦を支援するだけでなく、彼らが持つパワーを多くの人々に届ける架け橋となりたい。それが、アスリート支援で目指したい姿だと感じました。
タオル会社として、どんな形で貢献できるのか。これからも、IKEUCHI ORGANICらしいアスリート支援のあり方を模索し続けていきたいと思います。
<編集協力:井手桂司>
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