Men and I

僕は無類の麺好きだ。どうでも良い話ですが。

産まれた病院から家に初めて行く途中、親に連れられ初めて行ったのはラーメン屋だったらしい。そのラーメン屋さんは今はもうなくなってしまったけど、中学くらいまではよく家族で行っていた。かなり大盛りの店だったが、野菜もたっぷりのった自家製麺の味噌ラーメンが大好きだった。

長期休みのほとんどを過ごした母方の祖父母の家では、ばあちゃんがたまにうどんを打ってくれた。長い延棒で生地がどんどん広がっていく様子をいつも見ていた。そのリズムと生地がペタンペタンと音を立てて広がっていくのを見るのが大好きだった。もちろんそのうどんを食べるのも大好きだったから、うどんの日は何度もおかわりして食べたのを微かに覚えている。母にこれだけは継承してくれと何度もお願いしたが、それは叶わなかった。僕が今うどん作りに挑戦しているのも、ばあちゃんの血が後押ししてくれているのかもしれない。

高校生の頃、回転寿司屋でバイトをしてその帰りにいつも同じラーメン屋でラーメンを食べると言うのがルーティンだった。いつも決まった席に座り、お疲れーなんて言って店に入りいつものと言って、メニューにないネギ塩ラーメンを食べていた。あまりにも通っていたので、高校卒業前にはラーメン屋に入れと本気で店長さんに言われたほどだった。その時からラーメン屋で働くのは一つの夢だった。

18で横浜の学校に通い始めたので、そこからはいろいろなラーメンを食べる機会が増えた。とは言え貧乏学生だったので頻繁にはラーメン屋には行けない。スーパーで買ってきた麺で色々試して作り食べていた。その流れで、家にいる時は製麺所の麺を買ってきてスープは自分なりにアレンジして家族に食べさせている。基本的に塩ラーメン好きなので、野菜たっぷりなタンメンが多いのだが。

嫁さんもラーメン好きと言うのも結婚するには大きなポイントだったかもしれない。まぁそこまで大きくはないにしても、デートでラーメン屋にいけない様な相手とは価値観が違いすぎて長くは続かないものだし、味覚が近いと言うのは重要な要素だ。そう言う意味ではそれぞれの実家の味は違うにせよ、基本的に薄味の料理が好きなのは二人とも共通なので、いつも口に合うものを出してもらうのは本当にありがたいことだ。家を離れて久しいので帰った時に出てくる味噌汁は身体に染み渡っていく程美味い。

最近始めたうどん作りは週2回くらいのペースだが見た目は少しうどんぽくなってきた。生地をしっかり踏んで休ませ、たっぷりのお湯で茹で冷水で閉める。小麦粉と水と塩と非常にシンプルな材料だが、作ってみるとなかなか難しい。初めの数回は茹で時間が短すぎた様で、小麦粉感が強く残ってしまったし、踏む回数が少ないとコシが出ない。冷水で表面のぬめりをしっかり取らないと艶々にならないし舌触りが悪い。昨日作ったものは見た目だいぶうどんぽくなってきたけど、麺にしなやかさがないので、ズルズル吸い込めない。まだまだ練習が必要だ。

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