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今が不遇だと誰が決めた?

瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』を読む。久しぶりの長編ものである。

親が何度も移り変わった女の子のお話。生みの親がいないって勝手に不幸なことだと考えてしまうけど、物語は新しい家族との生活を前向きに捉え、注がれる愛を感じとる主人公の視点で描かれ、不幸であるとは微塵も感じない主人公の姿が印象的である。

境遇について考慮するって凄く大事だけど、主観を入れすぎないようにしないといけないね。離婚して母子家庭って不幸かもしれない。でもDVとかで困っていて何とか離婚できたとなったら?幸か不幸かなんて決めかねない。


きっと幸か不幸かを決めるのはその境遇にいる本人だけなんだと思う。周りがどう思おうと本人が幸せならいいのかなー。

境遇は選べない場合もある。特に子どもは。だからこそ選択し得ないものに僕らが勝手に評価をつけること。もしそういう視点でしか考えられないとしたらそれこそ不幸だよな。

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