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【イタリア】言い返さない美学なんてない/車ぶつける

昨日と今日は踏んだり蹴ったり。
凹んでいます。

今、書きながら頭を整理します。

昨日のレストランで仕事中のこと。
ドルチェの注文が入りました。
担当しているので私が盛り付けを行うのですが、
その直前、シェフに頼まれて持ち帰りの料理を
容器に詰めていました。
とりあえず目の前のこの作業を終えて、
ドルチェに取り掛かかろう。

黙々…

すると、ホールにいるスタッフから、
「ドルチェまだ?君はいつも遅いよ!素早くしないと!」
と、少しイラッとしているんです。

カチン

「今、持ち帰りの準備しているの!」

その作業を辞めてドルチェに取り掛かりました。

シェフも「彼が言うのも一理ある。もっと速くしなきゃ」

もちろん、遅いのは自覚しています。
雑にやって不細工なまま出したくないんです。
納得するまでやるとどうしても時間がかかる。
ただの軽食店ではなく、「レストラン」という
誇りを持って働いているんです。

何だか、ヤル気を失い黙り込む私。
楽しい職場なのに、笑顔も出ない。

しばらくして、例のスタッフから
「今日は僕に笑顔を見せないの?」と話しかけてきます。

「もっと言い方があるでしょ。いつも綺麗な盛り付けをありがとう。
でも、お客さん待っているから早くして!と
言えないの?ヤル気を削ぐだけだよ」。
なんて、笑顔混じりの冗談で伝えました。

確かに私もゆったりしていました。
そんなに急いでいると知らなかったから。
あと、お客さんが少し苛立った口調で言ったんでしょうね。
そのままのエネルギーで私に伝えてきた。
分かる。私も同じような経験を何度となくしてきました。



今日のできごと。

夫から連絡が。「夕方に、インコを買いたいと来客がある」とのこと。
「だから、家を掃除して片付けてね」と。

インコグループを運営する夫は、直接買いたいと、
400km離れた遠方からでもわざわざ人がやってくるんです。


はいはい…

イタリアでは、お客さんが初めて家を訪れると、
「家の中を見たい!」と言われたり、
「見せようか?」と案内したりします。
好奇心を満たすか自慢のひとときとなるのです。

だから、いずれにせよ片付けをして
モデルルームのようにしておきたいのです。

朝ごはんを食べて、洗濯して、トイレや洗面台などの水回り、
寝室もきちんと整えて、掃除機もかけて。あっ、
掃除機の充電が切れた。
その間に、昼食にでもしようか。焼きそばをサッとつくる。

そして、片付けしようと立ち上がったところで夫が帰宅。

家の中を見て周り、何にも片付いてないじゃん!と。

カチン

もう、床にお皿を投げつけまわって、
散々にしてやりたいくらいの腹立たしさ。

綺麗にした部分は見ずに、キッチンと床が汚いだけで怒っています。

呆れて何も言えず、出勤することにしました。

強めにドアを閉めて無言で出かける。


ナニあの言い方…悶々


車に乗り込み、エンジンをかけたその時、

想像もしないことが起こりました。


ガタン…


エッ⁈

当たった⁈

よね⁇

どう考えても、


音がしたよね⁇


とりあえず車を降りて後ろを見る。

少し塗装が剥がれて、擦り傷がある。


どうなったかと言うと、

前日に車を使った夫が、

ギアをバックに入れたままエンジンを切っていたのです。

そうとは知らない私は、ブレーキを踏まずに

エンジンをかける。

すると突然後ろに下がり、停めていた夫のバイクにコツン。

ミッションはこんなことがあるんですね。

教習所で習ったことがありましたが、
もう20年も前のこと。忘れていますよ。

運転用のメガネを忘れたので、一度家へ戻ることに。


夫に、ことの説明をする。
「信じられない!エンジンかける前に
なぜギアを確認しないんだ!」と。


カチン

「バックに入れてままだから、ぶつかったじゃない!」と言い放ち、家を後にしました。

憤慨。身体は少し震えています。
買ったばかりなのに…悲しい

職場には無事に到着。
スマホを飛行機モードにして夫からの着信拒否。

何度も頭の中で場面が繰り返される…
どうすれば良かったのか。
これも学びたと、安全確認をして動かそう。
ヨシッ。
前向きに捉えようとするも、負の思考が巡ってくる。

仕事をしていると夫がレストランにやってきました。
ムッとした表情。

「車の窓が開いたままになってる」と。

半開きのまま忘れていました。動揺していたんです。

鍵を渡し、閉めて戻ってきた私にもう一言。

「君のせいじゃない。僕のせいだ。
僕が後ろにバイクを置いたのが間違いだった」って。

またもや、カチン

何でそんな言い方するの?

でも何にも言えない私はムッとして終わりです。


職場のみんながいる前でこの態度。


悔しい…


同僚は、「何で言い返さないの!」

と、みんなにも鬱憤が溜まった様子。

「黙っていたってあなたの意思は伝わらない!
きちんと説明しないと分かってもらえないでしょ!」

おっしゃる通り。
でも、言葉が出て来ないんです。

何が言いたいのか…

・バックにギアを入れたままにした意図が分からない。
・バイクと車の距離が近すぎた。
・オートマ車に慣れているから、ギアを意識しないんだ
・みんなの前での言い方がひどい

・掃除したのにしてないと頭ごなしに怒る
・ありがとうが全くない
・前日からあんたが掃除しとけ

うまく言い返せないこと、言葉が出てないことが
悔しくて悔しくて。
黙り込む習性のある私に対し、女性の先輩やシェフは、
「もっと強く悪い部分を持たなきゃ!」と。
説明するのが下手なんです。
これでも鍛えられたと思ったけれどまだまだでした。

イタリア在住12年。全く強さが足りません。
仕事をしていても、ため息が出てしまう。
己の弱さに落胆します。

仕事は仕事。切り替えも必要と、笑うようにしました。

先輩は「ここはあなたの場所よ」と
優し包んでくれて泣きそうになりました。

今、夜中ですが、車の中で書いています。
さて、夫はどんな態度でくるのか。
とりあえず、言いたいことをまとめたので
きちんと意見を述べたいと思います。では。



翌日の追記


さらなる追記

夫以外、話す相手のいない私にとって黙っていることに耐えられず、
結局3日経った夕方、挨拶から始まり徐々に会話をしていきました。

親友に話てもいいんだけれども、心配させすぎてもいけないし、
夫への悪い印象を受けさせたくないし。私の味方になってくれるから。

3日しか持たないことに同僚は少し呆れ気味でしたが、
身内やなんでも話せる人が少ないことを想像して、
「私たちは、あなたの家族なんだからなんでも言いなよ!」と。
この言葉には、心が温かくなり嬉しかったです。

イタリアでは、蠍座は "自分のことは話したがらない" 秘密めいた性格。
でしゃばって話すタイプではないのですが、隠しているつもりもないんです。
もっと胸の内を言葉にすべきなのかなとも感じています。

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