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【イタリア】雨の祝日 / 在伊日本人記者の功績と崇高な記事

12月8日はイタリアでは祝日でした。

「無原罪の御宿り」

旧約聖書によると、人間の始祖アダムとエバは、神の命に背きヘビに誘われて「禁断の実」を食べ(つまり原罪を犯し、現代風に言えば性交をして)楽園を追われ、以後、アダムとエバの子孫の人間は子供をつくり汗水流して働かざるを得なくなったとされている。


 一方、神の母である聖母マリアは原罪を犯すことなく聖霊を身籠もりイエス・キリストを生んだとされるのだが、無原罪の御宿りの日である12月8日に聖霊を身籠り、25日のクリスマスにイエスを産んだと考えるのはよくある誤解である。

 カトリックはマリアがこの日に聖霊を身籠もったと教えていない。12月8日はマリアが原罪なしに生まれてきたとする教義「無原罪の御宿り」を祝う日だ。   (坂本鉄男)
産経新聞より


だから、市民はどう過ごしていたかというと、
至って普通の休日。
おそらく、教会や信者の間ではお祈りを捧げたことでしょう。

しかし、街を歩いてみれば、この前の日曜日とそんなに変わりはありません。

どちらかというと、天気は雨どんよりしていたのに、街には人が溢れていました。それは、ナターレ(クリスマスのイタリア語)商戦でプレゼントを探す人や物色する人で賑わったのです。

幸いこの街は繁華街の両側がアーケードのようになっているので、雨でも傘をささずに歩けます。みんなここに集中したと考えられます。

中でも、新規オープンした雑貨店は超満員。ただでさえ厚着の冬は服で幅をとるのに、そこに家族で入っていくからはちきれそう。

イタリアではこのような状態を
「アンチョビ」という言葉を使って表現します。容器にぎゅうぎゅうに並べられている状態を想像してください。まさに小さな店舗はそれに見えました。


さて冒頭で、祝日の説明について、産経新聞の記事を引用しました。
最後に表記された名前を見て、同級生の名前と同じだったので思わず検索しました。

坂本鉄男

彼もマスコミの道に進んだのかなと期待をしていましたが、なんとそこには92歳のおじいさまが出てきました。

漢字も同じだからそうかなと期待をして踏み込んだ場所は、「国宝級」の世界。
その功績と執筆作品は、後世に受け継ぐべき内容でした。
思わぬ出会いに、書かずにはいられませんでした。



どんな人物なのか。

坂本氏は東京外大助教授を経て1971年からイタリアのナポリ東洋大教授を務め、2002年の退官後もローマに在住してきました。イタリア語に関する著作や訳書、編纂(へんさん)にあたった辞書が多数あります。

現地での研究・教育活動の傍ら、1970年代半ばから2020年12月までの長きにわたり、産経新聞の嘱託で毎週のようにイタリアとバチカン市国に関するコラムを執筆しました。

79年に本紙コラム「イタリア通信」(当時の名称)でイタリア文化会館のマルコ・ポーロ賞を受賞。83年には日伊文化交流への功績でイタリア共和国功労勲章コンメンダトーレ章、2000年に日本国勲三等瑞宝章を授与されました。
産経新聞より


日本とイタリアで教鞭を執り、記者としても多方面にイタリアの宗教と文化を伝えられてきました。
宗教や聖書の内容を解釈することはもちろん、
生活のちょっとした気づきを描写。
とても見応えある内容が連続で掲載されていました。


何に惹かれるかというと、イタリアへの窓がここにあるんです。時代を過去に戻したり不変の内容だったり。

特に1977年に書かれた、スーパーカーの記事。燃料高騰により、高速道路でスピード制限が始まったようで、超過すると罰金になるというその通貨がユーロではなく「リラ」と書かれています。最後の着地点もお見事。

見応えある内容に、もっと読みたいとさらに検索すると、「公益財団法人日伊協会HP」にたどり着きました。

これから、チミチミと日本酒を嗜むように、少しずつ味わっていきたいと思います。

そして、残念なことに坂本さんは、2022年の春に92歳で亡くなったことが記事になっていました。
もう少し気づくのが早ければ。お近づきになりたかった…

しかし、この巡り合わせに、「書くこと」の方向性が見えてきました。
これをバイブルに自分のホームを立ち上げていこうと思います!

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