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イタリアで「ふなっしー」乱用。無断許可と著作権の甘さ

先日、イタリアのカーシェアリング会社からメールが届きました。
新サービスの案内だったんですが、
なぜかそこに、ふなっしーが爆発から逃れる映像が貼り付けられていました。
カーシェアリングとふなっしー?
何を伝えているのか見ていきましょう。


メールの送り主はカーシェア会社


我が家は車を所有せず、カーシェアリングを利用しています。

このサービスは数年前に始まりました。
人口16万人の地方都市で5台の車が駅や街の中心地に停車しています。

利用者は少ないようで、使いたい時に必ず空きがあります。
全て電気自動車なので駐車料金は不要で街の通行規制も対象外、
充電する必要もなく、乗って元に戻すだけという優れたシステムです。



メールの内容は新サービス


カーシェアリング会社から届いたメールは
新たなサービスを始めたというものでした。

フリー フローティング」と英語で書いてあります。

従来のカーシェアリングとは違い、
近くに停車中の車に近づき、アプリを使って解錠し乗車。
移動し終えたら、施錠して完了。
主に移動するためだけを想定しています。

レストランでの食事中やスーパーでの買い物の間は
料金が発生しません。

乗ってきた車から降りて施錠すれば、
手から離れることになります。
また同じ車を使いたいと思っていても、
他の人に利用されることもあります。
その場合は、また近くにある車を探すことになります。

このようなサービスを、島の一部
開始したという案内でした。

街からフェリーで約8時間のところに、四国より少し大きな島があります。
主に旅行や海水浴へバカンスに訪れる人々で夏場に賑わいます。
そんな観光客や島民に向けて提供を始めたようです。


フィレンツェの自転車シェアと同じ

昨年末に訪れたフィレンツェでは、電動自転車の乗り捨てを利用しました。
アプリに個人情報を入力した後、事前に決済を済ませ、
自転車に貼ってあるQRコードで解錠すると利用開始。
30分間の料金を払っていたので、時間になる直前に停車し施錠。
ホテルから駅へと最短最速で移動することができました。

同じことを自動車でできるようになったんです。
不正利用や事故が起きたらどうなるのかと疑問を抱きますが、
利用者の情報は事前に登録しているので、
何かあった場合には把握できるようになっているのでしょう。



ところで、


なぜ、ふなっしー?


メールの内容は、新しいサービスを盛り上げている様子。
「これはまさに(喜びが)爆破するくらい(素晴らしい)でしょ」。
という意味が込められています。
分かるような分からないような言い方ですよね。

イタリアでは、何か素晴らしいことや、衝撃の強いことなどに、
英語の「BOM:ボム」に当たる、爆弾や爆破という意味の
「ボンバ」という言葉を使います。

例えば、
「揚げドナーの生クリーム添えはボンバだ!」
つまり、高カロリーで健康的ではないけれど、
満足度が大いにあることを伝えています。

もしくは、
「今朝、Aさんの寝癖はボンバだね」
という言い方もできます。


よって、このサービスは、
ボンバするように画期的で優れた内容であることから、
爆破する中を逃げるふなっしーの映像が
相応しいと考えたのでしょう。

そのメールがこれです。
中盤に貼り付けられていたのです。



…ですが、ですよ。


私が気になるのはここから。


勝手に使われている


ということです。


これは、イタリアではよくあることですが、
人の写真や動画を簡単に盗んで投稿することがまだまだ横行しています。
snsを見ていて、明らかに他から取ってきたものを
転送や貼り付けているな…とすぐに分かります。
さすがにテレビやメディアは見かけませんが、
手作り広告や何気ない呟きなどでは、罪悪感なく行われています。

この感覚は日本は少し違い、半径5mの仲間内では
このような投稿はあまり見かけません。
人や他人の物に触れない文化があるからでしょうか。


まさか、カーシェアリング会社は
ふなっしーから訴えられると微塵にも思っていないでしょうね。
誰かの作品なのに、知らなかったと主張するはず。

逆にふなっしー側はそれでもいいのでしょうか。
いや、そもそもふなっしーの動画は、
YouTubeで、日本の誰かによる無断投稿から切り取られたものです。
そうなれば放送元である日テレの著作物になります。

写真や動画は簡単に世界を行き来します。
著作権や肖像権があることを意識している人は
このご時世どのくらいいるのでしょうか。

世界的ブランドを発信しているイタリアで
自分たちの歴史とアイデンティティに誇りを持つなら
他の作品にを蔑ろにすべきではないです。


これからNFTやメタバースで
著作物の売買がどんどん盛んになっていきます。

知識不足と除外されるのではなく、
情報を積極的に取り入れて
得を掴める状態にしておきたいです。

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