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【イタリア】ボーナスで街が変わった!

10年前、憧れを抱いきイタリアへと足を踏み入れました。降り立ったのが花の都フィレンツェということもあり、観るもの感じるもの全てが洗練され、暮らすことで気高さえ備わるのではないかと特別感を抱きました。

左にヴェッキオ橋 中央にウフィッツィ美術館
右が街のシンボルである大聖堂


腰を据えてみると、実は美しいものばかりではないことに気づいていきます。道はガタガタだし、ゴミはあちこちに落ちているし、落書きは多いし、犬の残したものも頻繁に見かけるという現実。これが ”日常” というものでしょうか。

とは言いつつも、フィレンツェは世界中から人々がやってきます。一般人もいれば芸能人も普通に出会ってしまう街だから、市の規制やルールである程度の清潔さや景観は保たれています。

その後結婚し、夫の住む港町へ来ると、そのレベルさらに低いと感じました。道路は凸凹、手入れされていない樹木、雑に扱われている公園など、見ていてかなしくなるくらい。私がしようかと何度も思いました。

そして、貧しさとも感じるものが顕著に現れるのが「建物」だと思います。

どうしてこんなにボロボロなままなんだろう。なぜ手入れしないのだろうとずっと思っていました。
その一つがこの写真です。

Attias広場 coinというデパート


Aの方に目が行きますが、注目してほしいのは、coinという建物。一、二階部分はデパートですが、丸みを帯びた建物は住居です。よく見ると、至る所の壁が剥げているのが分かります。街で唯一のデパートがこれだと、どんな暮らしぶりか想像できると思います。


外壁ボーナス

政府は、外壁を修復するための「ボーナス」を発表しましま。

2021年に外壁修繕すると90%控除されるというものでしたが、2022年には少し下がって60%になったけれど、まだまだ改修作業はあちこちで行われています。

工事の種類

住居や事務所に関係なく行えます。壁面だけでなく、バルコニーや装飾品も対象となるようで、塗装や清掃も含まれています。対象外となるのは、通りや公共の場から見えない内側。一部の人の目に触れないところは、できないとか。見えるところだけ綺麗にするようです。


修復と塗装

よくある、建物に覆いを被せて修復する作業。こちらは、窓辺の装飾や、損傷した壁を直した後に、色を塗る両方の作業を行います。
数ヶ月はかかるので、じっくり丁寧に仕上げてくれます。


塗装

大きな足場を組まずに、高所作業用車を使って、ササッと行うことができます。これを何度も見ました。

ということで、街はどんどん生まれ変わっています。




冒頭の広場の建物も崩れていた壁面を修復しました。

このようにして修復された建物がどんどん増えていきました。今、街を歩くと手入れされているなと感じるほど、見た目が良くなりました。

これからは、街を綺麗に保つためのボーナスを出してほしい。犬の排泄物に対する罰金の強化、道路舗装もできれば徹底的にしてもらいたい。今でも暮らせないことはないけれど、これらに手をかけることで、街をもっと丁寧に扱うのではないかと思います。


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