サン・ヴァレンティーノ2022

ヴァレンタインの起源

聖ヴァレンタインのことを、イタリアでは、サン・ヴァレンティーノと言う。「恋人たちの日」となった由来は諸説あるが、起源は古代ローマにあるとか。あらゆる時代において、この日にカップルを救ったり、結婚に導いたり、子宝にまつわる話だったりが語り継がれてきた。
1400年代には、イタリアでの2月14日の出来事を、ある外国人が広めたとも言われている。おそらく彼らの間で、ヴァレンタインの日に、恋人たちに何かが起こる、もしくはあやかるべきと考えられてきたのかもしれない。それが現代にまで続いているのだ。

イタリアのヴァレンタイン

日本のように、女性から男性へチョコレートを贈る風習はない。これは独特な文化として把握しておいてほしい。外国人からすると、少し異様に映るかもしれない。イタリアで始まったとされるヴァレンタインの出来事ともかけ離れている。また、現代の日本は、友チョコにまで発展し、独自の文化を突き進んでいる。
では、イタリアでは何を贈るのか、またどのように過ごすのか紹介しよう。

お花のプレゼント

イタリアでは、2月14日は「恋人たちの日」。男性が女性にバラの花を渡す人もいれば、パートナーに赤やハートをあしらったプレゼントを贈くる人も。昨日は、街で花を売っている人があちこちにいた。かく言う我が夫も、花束の配達員を急に頼まれ、各家庭に届けたようだ。仕事から帰宅し、私にもあるかと思ったが、数には入れてくれていなかった。(欲深い私w)

ドルチェ

プレゼント以外では、ケーキやチョコレートを贈る人も。近所のカフェのショーケースはハートで溢れていた。


キャンドルディナー

食事の時間を大切にするイタリア人にとって、二人で過ごすひとときにこだわった人も多かっただろう。

スーパーマーケットの冷蔵コーナーでは、赤い風船でデコレーションし、購買意欲を掻き立てていた。ハートに形どったハンバーグや豪華でおしゃれな料理ができそうな魚介のコーナーが賑々しかった。

私が勤める日本食レストランでは、カップルの予約が殺到した。また、持ち帰りやデリバリーも多く、店内はごった返していた。
注文を受けても、なかなか料理を出すことが出来ず焦っていたが、お客さんは二人の時間を満喫しているようで、皆穏やかだったのが印象的。普段なら、「料理はまだ?」と半分キレたように言ってくる人もいる中で、ヴァレンタインマジックだったとまで感じる。


友だちとヴァレンタイン ランチ

市場へ行くと、いつもと変わらない風景だったので、特別売り出すものはなかったのかもしれない。強いて言うなら、どのお店も溢れんばかりに食材を陳列させていたと思う。

当日は、恒例となっている、日本人の友だちと料理の会。本当は、パンを作る予定だったが変更し、豪華なランチにした。
シチューとグリルチキンというパーティメニュー。シチューは、各々家で食べるように多めに作り、チキンは、肉屋さんで骨のない もも肉ステーキを購入。
シチューに入れる野菜を何にしようかと考えていると、いきなり、「ほうれん草1kg 1ユーロ!」と叫ぶ声が聞こえた。近くに寄ると、どんどん煽ってくるので、買っても良いかも!という気分になった。だけど、安いのは確か。彩りにもなるし、納得した買い物となった。

カメラを向けると入りたがるイタリア人

あと、チキンの付け合わせにマッシュルームも購入。イタリアに来て、よく食べるようになった。余談だが、今 八白土星さんはキノコを食べると良いらしい。




主食をパスタにしようと、生パスタ屋へ行くと、こんなものが目に入った。

Tagliatelle alle Fragole
いちごのタリアテッレ

目を奪う鮮やかなパスタ。2月限定のバレンタインを意識したもの。今しか食べられないものに、女子は弱い。「魚介と合わせると良いわよ!」とのアドバイスに従ってみることにした。

すぐに、魚屋で貝の剥き身パックを手に入れた。
家に帰って、早速料理に取り掛かる。



お料理ドンドン!

まずシチューの野菜を煮込む。友だちが担当。野菜を切り、少なめの水で煮込んでいく。さすが。私ならたっぷりの水でビシャビシャシチューになっていた。人参をハートにくり抜いて気分もあげて♡ 
シチューのルゥなんて売ってないから、小麦粉とバターと牛乳で、ベシャメルソースを作っていた。友だちの手際の良さと完璧な塩梅には脱帽。みんなにも声を大にして伝えたい。美味しいバターが有ればルゥなんていらないと。

私は、マッシュルームの下処理と調理。土を取って、一口サイズにカットし、義母にもらった、「玉ねぎ・セロリ・人参・イタリアンパセリのオイル漬け」で炒め始めた。最後に牛乳を入れるのが義母のアドバイス。今回も美味しくできた。

いざ、パスタ。
フライパンにオイルとニンニクを入れ、先ほどの義母のみじん切りをこちらにも入れ、火を通し貝を入れた。半分 火が通ったところにパスタを入れてじっくり絡めていく。私は、この時間が特に大事だと思う。ソースを麺の中まで味を染み込ませるように混ぜ続ける。でも、貝に火は入れすぎない!こうしてできたのがコレ

茹でている間に色が抜けてしまったが、薄くなったくらいでちょうどいい。味はというと…

イチゴの味はしない!

これも、ちょうどいい。甘酸っぱいとケンカしてしまうから、色の主張だけで完璧。最後にレモンの皮を削ったものを乗せてね!と言われていたけど、すっかり忘れていた。また次の機会に。

鶏肉のステーキとマッシュルーム、ほうれん草と野菜シチュー、キャベツのリコッタ巻きも合わせると、豪華なランチになった。

ほうれん草は付け合わせにも活躍
食欲に負け、ハートの位置を気にせず撮ってしまった



実はこの後、GODIVAが出している、チョコケーキも作って食べた。もう、一日のカロリーを爆越え。「特別だから、いいんだょ。」なんて言いながら、自分たちを労う。

今回も、友だちとテキパキと作り、片付けも食べる前に済ませることができたので大満足。やはり主婦の阿吽の呼吸は気持ちが良い。お互いの役割を理解した上で、自分のやることを判断し即作業。見事なコラボレーションだった。

さて、次回はパン発酵の会の予定。イタリアでうまくパンが焼けないので、あらゆるイースト菌を試そうと思う。その結果もこちらで綴る。乞うご期待。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?