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【イタリア】シェフへの道 〜真っ直ぐ前とだいたい〜

先週末は、昼と夜両方入りました。
久しぶりに暑さが戻り、朝から人の多さを感じました。

朝は仕込みの時間

ランチ営業に入ると言うことは、下準備をするということです。

朝は注文しておいた野菜や食材が既に厨房にとどいています。

ズッキーニ 3kg
にんじん 2kg
パプリカ 2kg
リーキ 3本
ベビーリーフ 5袋
じゃがいも 5kg
玉ねぎ 3kg
ニンニク 5玉

マスカルポーネ、小麦粉、塩、パスタなどの乳製品

そして、タコ、いか、えび、マグロ、サーモン、鱈、ロブスターなど。

次々にやってきます。
この到着して、厨房を満たすときに興奮を覚えます。
さっきまで出尽くして隙間があった巨大冷蔵庫の棚に
所狭しと詰め込まれていきます。

この巨大冷蔵庫、ウォークインクローゼットとような、
数歩勧めるほどの奥行きがあります。
だから、奥の食材はたまに使うもので、
手前のものは頻繁に出し入れをするものです。

野菜類は、朝の段階で必要なものを下準備に使い、残りは一番奥の棚に入れます。
昨日届いたものを一度出して、古いものから使うために容器に分けていく。
この作業も好きで、整頓されて見やすく使いやすさを
いつも追求して勝手に改善しています。


野菜の下準備は、揚げ物用、オーブン料理用、サラダ用、パスタ用などに切り分けます。

イカやタコは一度下茹でをします。
どちらもグリルにしたり、揚げ物になります。


ソースづくり

私が行った作業は、ソースづくり。


ビーツソース

ビーツ: 赤蕪は、既に煮たものを購入しています。
袋から出すと赤い汁が出て、次々に染めて行く。
まな板も棚も、服に付いた時にゃ格闘です。
ゆっくり袋から出し、皮を剥いで攪拌機へ。

そこに、塩少々、胡椒、植物油をいれるんですが、
油の量はシェフの目分量。

「はい、入れて。」と言われ、「OK」と言われたのが、
意外にも早かったんです。少ないんだなと。
「分量は説明できないから、だいたいで覚えてね」と。

続いて、にんじんソース


揚げ物用の野菜を長い千切りにするんですが、スライサーを使って行います。
この時、人参の中心部である硬い部分は使いません。
その残った芯ばかりを薄く切って、にんじんソースをつくります。

まずは切る作業から。
シンクの上でまな板を橋のように掛け、
下に容器を置いて、切ったら下へ落とすようにしていましたが、
シェフから「待った!」

安定しない場所ではなく、きちんと作業台の上で、
身体を真っ直ぐ前に向かいなよ!
」と忠告を受けました。

「これは料理の基本です!」

ごもっとも。
さらに、斜めの変な角度で切っていました。

どうしても、食事や勉強をしている時に姿勢が
歪んできます。
それが厨房の作業中でも、寄りかかったり、
前屈みになりすぎたり、
正しくない態勢になってしまいます。
普段のだらしなさがここに出てくるんですね。

この後、何度も意識して正すようにしました。



さて、にんじんソースの作り方

耐熱容器に刻んだにんじんと、少しの水、半個分のレモン汁、塩を入れ、
レンジで20分。
クタクタになったにんじんと植物油を
専用のマシンで攪拌。マヨネーズほどの柔らかさにします。
この時の油の量は、先ほどと同じくらい。
"案外少ないのね!" というところで止めました。
攪拌し数分経ったところで、シェフの味見。

" Mmmm Buona! "

ちゃんと美味しいと言ってくれることが嬉しいですね。
なんだか照れ臭く感じます。褒められ慣れていないので、
どのように反応すべきか戸惑う39歳…

さて、これらのソースは、料理のデコレーションとして使ったり、
付け合わせのソースにもなります。

食材の味を生かした簡単ソース。
あらゆる食材で試したくなります。


【今日のことわざ】

習い性と成る
ナライセイトナル

【意味】
同じことを繰り返し、習慣として身につくと、それが生まれつきのようになる。善行は良い性格を培い、悪行は悪い性格の原因になるという意味。「習い」は習慣、「性」は性質の意味

ことわざ・慣用句の百科事典より

誰にも注意されないから、思う通りにやろうとしたところ、
このまま癖になるところでした。
大人になっても注意してくれる人が身近にいるというのが
貴重な存在であり財産です。

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