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【イタリアで禁止】ChatGPT 本当に使えない!停止するワケ

先日、意気揚々と使い始めたChatGPT。

この記事を書いて以降、何度も利用してきました。
イタリアでの一般的なことを訊いたり、
調べ物をするにあたり例を挙げてもらったり、
情報の確認や新しい知識を仕入れることができました。

しかし、


突然使えなくなりました。


ChatGPT のサイト画面より


停止の理由

【4月1日 AFP】イタリアのデータ保護当局は3月31日、米新興企業オープンAI(OpenAI)が開発した対話型人工知能(AI)「チャットGPT(ChatGPT)」について、個人情報に関する懸念から使用を一時的に禁止すると発表した。チャットGPTの使用を禁止するのは、欧米諸国で初めて。

また、チャットGPTによる誤った回答は、データの扱い方のずさんさを示しており、子どもたちを「明らかに不適切な回答」にさらしているとして同社を非難した。

 さらに、3月20日にはユーザーの会話と支払い情報が漏えいしたとも指摘。オープンAIはこの漏えいについて、バグが原因だと主張している。

 オープンAIは、20日以内に対応を取らなかった場合、2000万ユーロ(約29億円)か年間売上高の4%を上限とする罰金が科される可能性がある。(c)AFP/Alexandria Sage with Joseph Boyle in Paris

 


イタリアのニュース局 sky tg24では、

個人データの収集と保管を正当化する法的根拠がないこと、
情報が不正確である可能性。
さらには、13歳以上の人々を対象としているにもかかわらず、
年齢を確認するフィルターがないこと。
これにより、未成年者は不適切な回答にさらされる。…

13歳以上の規制があることは知りませんでした。
そんな質問もなく、簡単にアカウント登録できました。
誰でも楽しそうだけれど恐ろしい世界に入れるということですね。


イタリアの聞き入れ体制

そもそもこのサイト停止は、ユーザーの指摘によって始まりました。
現在プライバシーの専門家による調査を行なっているとのことです。

この辺りのイタリアの行動力の速さは見事だと思います。
イタリアでは市民が「おかしい」と意見すれば聴いてもらえる体制があります。
Denunciaデヌンチャと言い、日本語だと「告発」という意味になりますが、
「物申す!」という感覚も含んでいます。

例えば、道路の舗装が剥がれていて、危険な状態なら Denuncia。
しつこい態度や言葉で傷ついたならこれも該当。
sns 上でのいじめに当たる行為ももちろん Denuncia できます。


よって、ChatGPT を利用した人から、これはプライバシーの面で
違反していると感じた人の意見がいくつもあったようです。

私自身、このサービスを知った時から「グレー」だなとは感じてました。
先日投稿した、日本に対する質問の答えでも、
求めていたものとは違う答えが返ってきました。
それはまだ完全ではなく、ほんの一部だということは
答えを知っているから感じたこと。


ユーザーによっては、AI だから完璧と勘違いする人や
それが事実だと受け取ってしまう人ももちろんいる。
子どもが使った場合を考えると… 恐ろしいですね。
客観的に判断する能力がないと偏りを助長してしまうことにもなります。


ChatGPT側の意見は

ChatGPT のサイトによると、
「できるだけ早くChatGPT へのアクセスを回復することを目的として、
保証者と協力します。」と書かれています。
また、サブスクリプションを利用したユーザーには払い戻しの手続きを行なったとのこと。対応が早く誠実さを感じます。
そして、現在はサブスクリプションの更新を一時停止中。

企業としては、人を助けるサービスとして開発しただけなのに、
利用者の悪意ある行動によってただ停止しているようにも感じます。
もちろん、万全な体制が整っていたいとも言えます。

この辺りのネット界の発展は、
Winny 事件に似たような香りがします。


日本ではまだ使える状態。
相手は AI とは言え、他のサイト同様、
卑猥・暴力・中傷などもちろん禁止されています。
新たに始まったサービスであるだけに、法的な体制が整っていない今、
無法地帯を悪意を持って利用する人がいることも念頭に入れて、
過信しすぎないよう、眉につばをつけることをお勧めします。
これからの AI 発展を進めるのか後進させるのか
イタリア当局の判断が気になるところです。


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