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【ラジオ】イタリア通信:ウサギの話。〜食材・月で餅・ミッフィーって誰?〜


隔月で出演しているラジオ「イタリア通信」の記事版。


今回の放送は、外から行いました。

やっと寒くなったことと一月も半ばを過ぎても
未だクリスマスの名残があったので
その風景をお伝えすることにしました。

共和国広場という近所にある場所へ。
ここは、広場と言ってもここは、巨大なロータリー。
トラック競技ができそうな楕円形をしています。
その周りには放射線状になった道路がつながっています。

では問題です!
ロータリーは時計回り?反時計回り?

・・・

・・・

・・・

イタリアでは、道路は右側通行です。日本と反対側で、
左ハンドルになります。
真っ直ぐ進んでいてロータリーに入る場合、
信号機はないので、右に曲がります。
つまり、「反時計回り」となります。
よって、日本にあるロータリーは時計回りになります。

クリスマス時期には、移動式遊園地が各広場に出現します。
ここでは、今年は巨大観覧車とスケートリンクが出来ました。

遠くに見える車はすべて進行方向左(撮影12月)
奥のスケートリンクと小さなステージ(撮影12月)





実は、その解体作業を今行っている状態です。

お昼に撮影。観覧車話は1/4に。
荷台に積まれたボックス


およそ1ヶ月に及ぶ施設は、非日常を味わうことが出来ました。
現在、観覧車は半円になり、スケートリンクも溶けています。
間にあるツリーはまだ残っているのが不思議な感覚です。



ここからが今日の本題。

「卯年からウサギにまつわる話」


イタリアに住んでいて、たま~に聴かれるのが干支のこと。
こちらでは「中国の占い」と呼ばれます。
興味がある人は、自分の干支を知っていて、
あなたは何?と聴かれることもありました。

ということで、今回はウサギについて。
ちなみにイタリア語では「Coniglio(コニーリオ)」と言います。


ウサギと検索すると…


イタリアのグーグルで「coniglio」と調べると、
耳が長く背中が丸い、また毛の長いウサギの写真がいくつも出てきます。

その次に出てくるのが、「レシピ動画」!!
そう、イタリアでウサギは食べるお肉の一つでもあります。
なんと、豚・牛・鶏に次ぐ4位に食されています。
スーパーにも並ぶほど、一般的な食材です。

えぇ~かわいそう」、と思った方もいらっしゃると思います。
馴染みがないからと言って、「かわいそう」ということは、
相手の文化を否定することになるのでご注意を。

鳥や豚と何ら変わらないこと。
逆に、「日本人は馬や鯨・イルカを食べるのか」と聴かれることも。
同じことなんですね。


食材として

実は、我々の先祖である日本人もかつては食べていたんです。
飼っているウサギというより、猟師が山で狩ってきた野うさぎのこと。

イタリアでも、狩猟で捕まえたものもありますが、
戦前には既に繁殖技術が確立されていて、
一般的に食されるようになっていたようです。


お肉の特徴として、白く口当たりが良くて消化しやすい。
高蛋白質で栄養価も他のお肉と遜色ないようです。
健康面で鶏肉ではなくこの肉を食する方もいます。

料理方法
・トマトの煮込み料理(猟師の料理)
・オーブンでロースト
・揚げ物
・野菜を包んで焼くなど
鶏肉料理とほぼ変わりはありません。

我が家はというと、滅多に食べない。
料理の方法から言うと、
漁師のトマト煮込みや揚げ物という
冬に食される食事という印象があります。

また、革製品を多く手掛けてきたイタリアでは、
ウサギの皮を使った製品も作られてきました。


農場削減へ

今や一般的なウサギ肉ですが、数年前に、農場の数を減らしました。
犬や猫のように家で飼われる動物に対する消費者の変化や、
ある調査では、30%が消費しないとのこと。
さらに食べる人の中でもおよそ半分が頻繁に食べないと回答。

また、悪烈な環境で育てていることが発覚しました。
鶏のように自由に歩き回れる「平飼い」は、
イタリアでは一般的で、我が家では卵はこの表記がないと買いません。
ケージで育つウサギを守るため、革製品に拍車をかけないためなど、
動物愛護の面からも削減したということです。



ではウサギにまつわるもう一つの話題。

「月にウサギはない」


日本とイタリアは、時差が8時間あろうが、距離が1万キロもあろうが、
当然のことながら地球から同じ月を見ています。
よって見える柄も同じなんです。

月を見ながら、遠い彼方の世界に憧れを抱いたり、
月の光に救われたり、霞がかる空に恐ろしさを感じたりするのは、
どの地域でも同じことのようです。


しかし、見える月の模様なさまざま。

日本のように、「ウサギ」のように見えるという話題は出てきます。
ですが、「ウサギが餅をつく」。
これは私たちならではの特徴ではないでしょうか。

日本だけでなく韓国や中国でも似たように言われるようです。
ウサギはわかったとしても、もちって!
イタリアで検索してみると、このアジアの文化を紹介していて、
そこには「MOCHI」と書いてあります。
どこまで想像できているのか。食べたいと思うのでしょうか。


月とウサギのアニメ

ネットでは「月ではウサギが餅をつく」から派生して、
あるアニメも紹介されています。

月とウサギ…


ピンときた方もいらっしゃるでしょう。


美少女戦士セーラームーン
主人公は「月のうさぎ」。
セーラー服を纏った美しいプロポーションと黄色く長い髪、
そしてその仲間たち。
月や宇宙にまつわる、これまでにない世界観でした。

30年前に放送開始し、イタリアでも遅れること3年後に入ってきました。
今でもNetflixで見ることができるようです。


イタリアでは何模様?


古代ヨーロッパの言い伝えには、
犯罪を犯した男が、月に追放されたとのこと。

その犯罪とは何でしょう?


羊泥棒なんだとか。
生き死ににかかる、生活に必要な「羊」だったんでしょう。
当時としては、罪深いことが伺えます。

また、人の姿、動物のシルエットなどの他、
宗教との密接な関係があることも書かれていました。

中でも興味深いのが、
キスをしている二人の模様と言った人もいました。

1880年にイタリア人詩人が妻と一緒に訪れたナポリで
「キスをする月」を発見したようです。

http://www.unsaltonelcielo.it/il-bacio-nella-luna/

http://www.unsaltonelcielo.it/il-bacio-nella-luna/


この月の写真、キスをしている人が分かりますか?
詳しくはリンクで見ることができます。

さすが、イタリア人と言えるようなロマンチックな話です。



そして、最後の話題は、

ミッフィーって誰?


今や世界でアニメや漫画文化は瞬く間に浸透します。
ですが、キャラクターだけの文化はそれとは逆にあるようです。


昨日出会った小学生は『NARUTO』のパーカーを着ていました。
また、『鬼滅の刃(Demon Slayer)』グッズも人気です。
流行は、日本とそれほど時差は無くなってきました。

ですが、グッズとしてキャラクターを利用することが少ないイタリア。
キティちゃんも、スヌーピーも、ムーミンも
雑貨屋でキャラクターをあしらった商品をあまり見かけません。

その中にウサギのキャラクターといえば、オランダ発祥のミッフィー。
これもイタリアではあまり知られていません。

でも、販売はされているんです。
ミッフィーグッズはどこで売られているでしょう?


柔らかくて小さくて…



赤ちゃん用品や子ども用の雑貨店です。

つまり、「かわいい=子どもを対象とした商品」なんです。

大人が、キティちゃんやミッキーというのはあまり見かけません。
例え好きだとしても「子ども」として見られるために、
隠しているという可能性もあります。
アニメや漫画好きということを嫌がる親もまだまだいます。

これも文化の違いですね。
窮屈な思いをしているファンはいます。
日本に行けばパラダイスだろうなとも思います。

今後、この子どもたちが大人になった頃には、
今の日本のような、堂々と好きと言える時代に
変わっていることを祈るばかりです。


屋外から、街の様子と車が行き交う音と
ウサギにまつわる話題を紹介しました。

1週間以内ならradikoでお聴きいただけます。西日本放送ラジオ「CHIT CHAT ラジオ」
1月18日(水)15時過ぎ




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