「#note酒場ロス」が溢れる日曜日の夜に

2018年12月10日 07:00

ひと言では言い表せない。あえて、note酒場を「テレビ時代の思考様式」の方に向けて解説するのであれば、「n対n」の場を実現した稀有な、時間限定「コミュニティ」とでも言い表せばいいのだろうか。

『それ儲かるの？』的な経済至上主義者や、『それって何が面白いの？』というテレビ時代の思考様式にドップリな情報消費型なヒトにはそんな解説をしても、意味は無いのだろうけど。

しかし、いずれ『note酒場って何？』と多くの人に聞かれるだろう日を想像してMEMOを残しておこうと思う。歴史の立会証人的な役割として。そしてnote愛に感謝を込めて。

■参加者側と運営側に『際』は無い。

ここには、お客側とお店側の関係性は無い。noteの読み手と書き手の際が混然としているのと似ている。紙の時代は読者と著者の間には、出版社・編集者が存在していた。イベント開催にも開催側と来場者の間には、イベント運営会社・プロデューサーが仕切っていた。ココにはそんな存在は居ない。ニュースピックス的な書き方だと『イベントの民主化』とでも描くのだろうか。

では『際』（きわ）が無ければ『所詮、子供の遊び』なのであろうか？提供される飲み物、食べ物、子供の遊戯、ボードゲームなどは、すべてビジネスレベルで活躍しているnoter（ぽこねんさんいわくnoteユーザーの事）が自発的に提供している。子供のお遊びじゃないのか？という考えは『テレビ時代の思考様式』と言わざるを得ない。そもそも論的に、この場所の成り立ち方が違う事から認識してないと『何か？』を間違えてしまうと思う。

■自律型チームワーク運営

やらされてる義務ではなく、やらねばならないとも違う。『やりたい』好きだからやる。しかも『人気に煽られた子供の所作』ではない。自立したオトナの判断で『それぞれが動く』これは攻殻機動隊のチームワークに似てはいまいか。そんな劇的では無いのだけども。

我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。
あるとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。
攻殻機動隊　STAND　ALONE　COMPLEX　第５話より。

■多種多様だが「アウトプット」が唯一のキーワード

憧れの有名人や、その界隈の人気者が目当てで来ている人が集まる『1対n』型のコミュニティでは無い。唯一あげるとしたら『アウトプットしている』もしくは『アウトプットしたい』人たちが集まり、それぞれが楽しむ『n対n』の場が出来ていた。

年齢、性別、趣味、地域、どれも偏りは無く、多種多様な人たちが集まっていた。これは東京ならではの特性なのかもしれない。地方でこの規模の多種多様性が実現できるだろうか？

先日福岡で参加したLovegraphのBBQイベントは8割が２０歳代が約150名集まっていたが、note酒場とは全く違うコンテキストであった。まったく違う。

個が確立し難い地方の『集団社会』文化ではこの自由さと、安全性が担保された空間は実現が難しい。確かに、SNS時代だから実現できるのだけど、ある種『経済力』『施設インフラ』や『文化的』な環境が前提として揃う必要がある。

note酒場は、短文で解説すると葛上さんのtweetが分かりやすいと思った。

■体験した者だけが分かる世界。
こういう言い方は、得てして『年寄りの戯言』になるので気乗りしないけど、この際だから書き記しておこうと思う。20年前のことだったが「おい！Eメールって何がいいんだ？！」と当時こわもての上司に聞かれた。新人会社員だった自分は「はい！1秒で手紙が届くんです！」と答えた。

上司は満足げな顔で「そうか1秒で届くんだな」と、ある種「自分だけが知っている情報の独占感」を噛みしめて納得した笑みを溢していた。自分は「CCやBCCの概念とか説明できんし。使わないと解からないし」と口に出さなかった。否、言えなかった。的確に言う方法が思いつかなかったのだ。ハガキしか知らないヒトにどう説明すれば良いというのだろう。

そんな遠い日を思い出した。緑色にじんわり染まるnoteカクテルの向こうに見える、黒いシャツの女性バーテンダーになっているnoterのとってぃさんをぼんやりと見ながら、心の中に今日の事をしっかり留めておこうと思った。大事な宝物として。