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ニワトリと金の卵―今さら聞けない「資本金」ってなんなの?スタートアップ生存の物語

ある小さな村に、一羽のニワトリがいました。このニワトリは村の未来を変える鍵を握っていましたが、その成功のためには重要な要素が必要でした。それが「餌」つまり資本金です。この物語は、知っているけど、誰でも分かるけど、いざ説明すると難しい「資本金」についての物語。
今さら聞けない「資本金」ってなんなの?を書き残しておきます。

池松潤/Jun Ikematsu
スタートアップCEOの壁打ち相手/コミュニケーションデザイン/事業計画/エクイティストーリー/エンタープライズ営業コンテンツ/マーケティングなど。慶応義塾大学卒/大手広告代理店を経てスタートアップの若手と世代間常識を埋める現役57歳。ときどき婦人公論に雑誌コラムなど。 ⇒ https://lit.link/junikematsu



ニワトリと餌の物語

主人公:ニワトリ(スタートアップ)
村の端に住む若い農夫が、この特別なニワトリを育てることにしました。このニワトリは、まだ小さく弱々しいですが、農夫にはその中に大きな可能性が見えていました。このニワトリはまさに未来の輝く企業。つまりスタートアップです。

餌(資本金)
ニワトリを健康に育てるためには、毎日新鮮な餌が必要です。農夫は一生懸命働き、ニワトリのために最良の餌を集めました。餌が十分に与えられたニワトリは、次第に成長し、強くなり、やがて大きな卵を産むようになります。この餌こそが、スタートアップにおける資本金です。

金の卵を産むニワトリ
ある日、ニワトリは普通の卵ではなく、小粒ですが輝く金の卵を産みました。この金の卵は村全体に大きな喜びをもたらし、農夫の努力が実を結んだ瞬間です。この金の卵は、高収益を生む事業や製品・サービスを象徴しています。特別なニワトリが産むこの金の卵こそが、スタートアップの成功を意味しています。

資本調達の方法
農夫は最初の餌をどうやって手に入れたのでしょうか?それにはいくつかの方法があります。

・VC(ベンチャーキャピタル):
農夫は村の富豪に相談し、ニワトリの可能性を説明しました。富豪はリスクを承知で投資を決断しました。これはまさにスタートアップがVCから資金を調達する方法です。
・スタートアップ銀行融資:
次に、農夫は銀行にも足を運び、ニワトリの計画を説明しました。銀行は農夫の信念と計画を信じて担保をとって融資しました。
クラウドファンディング:
さらに、農夫は村の仲間たちにも協力を求め、少しずつ資金を集めました。インターネットの時代であれば、これはクラウドファンディングに相当します。

ここで重要なのが「資本金」って、卵が売れて現金が銀行口座に入るまでの「運転資金」ということ。言ってみれば立替金みたいなものです。クラウドファンディングによって、卵を生む前にエサ代が手に入るなら、銀行から借りたり、VCから資金調達しなくてもいいわけです。つまり柔らかいアタマで考えるのが大事。ココでプライドとか意味のない我が出ると選択肢を狭めることになります。自分が求めるゴールに似たケーススタディを調べることが大事です。

ヒナは産まないので、コレはイメージです。


成長と困難

餌が少ない時期
厳しい冬、餌が足りなくなりました。ニワトリは思ったように成長できません。これはスタートアップが資金不足で成長が停滞する状況と同じです。何事にも成長には「死の谷」が存在します。だから生き残る工夫をしなければなりません。

餌が豊富な時期
春が訪れ、農夫は再び豊富な餌を手に入れました。ニワトリは再び金の卵を産み始めました。資本金が十分にあるとき、スタートアップは必要な投資を行い、事業を拡大することができます。

金の卵を産むニワトリになるまで
さらに努力を重ねてニワトリはより大きく、より多くの金の卵を産むように育ちました。当たり前のことを続けることが一番難しい。やれることは全てやる。この継続的な努力がスタートアップの持続的な成長につながるのです。

人生もスタートアップも晴レの日ばかりではありません。雨天や風の強い日の方が多いものです


この物語の教訓

未来への目利き力
健康に育つためには、ニワトリには定期的に適切な量の餌が必要です。同様に、スタートアップが安定して成長するためには、適切な資本金が必要です。でも適切が誰にもわかりません。(便宜上の計算式は沢山あるのですが本音ではそれだけを信じる事はありません)つまり正直本音では未来は誰にもわからない。保証されたものではないからです。だから経営者には自らを見定める目利き力が必要になります。がしかし、この目利き力には数式などありません。(ウオークマンがない時代にその市場規模や利益額を示すことは出来ません)ですので、投資家や壁打ち相手である相談役に能力と目利き力が問われるのだと思います。

客観的なデータ分析とリスクマネジメント
健康なニワトリは継続的に卵を産むことができます。資本金をうまく活用したスタートアップは、持続的に利益を上げることができます。しかし突然餌が不足するとニワトリは「死」へのリスクにさらされます。スタートアップも資金不足に陥ると、経営が悪化するリスクがあります。特にステージが変わるときにこの症状が発症しがちです。医者(この場合はスタートアップ経営陣)はそのことを分かってはいますが、自分で自分の腹を割いて手術はできません。ですので壁打ち相手(農夫)が必要になるのです。

長期的視点
当たり前ですが、金の卵を産むニワトリは一夜にして育ちません。長期的な視点で資本金を投じ、育成と成長を見守ることが必要です。何がオトクで何が損なのか。そのような直線的な浅い思考様式では、健康なニワトリは育ちません。旅や人生と同じで、ときに苦くときに甘く芳醇な体験が、良質なニワトリを育てるのです。

リスクとリターンのバランス
金の卵を産むニワトリに投資することはリスクも伴いますが、ゆえに高リターンが期待できます。スタートアップはリスク管理を徹底しながら、資本金を活用して大きな成果を目指します。当たり前のことですが、我欲が強すぎると成長はとまり、野心が低すぎると成長できません。このバランスが個々によって違うので、一概に成功パターンがありません。しかし過去の失敗と成功から学ぶことができます。体系的なケーススタディと、その引き出しの量が大事になります。つまり「裏切らない仲間づくり」と「流動性が高い優秀な人財」のバランスに苦心するようになるのです。ヒトは想像以上に愛情があり、残酷な生き物です。経営とは人間の「器」を広げる旅なのだと思います。


まとめ

この物語は、スタートアップの資本金について比喩で書いてみました。資本金はスタートアップの成長と安定を支える基盤で、戦略的に投資することは高収益を生み出す事業が育ち、結果的に社会全体へ貢献することになります。

二十年前からは想像もできないほど資本調達の方法も多様になりました。VCによる投資、最近増えてきたスタートアップ向けの銀行融資、クラウドファンディングなど多様化しています。状況に適した方法を選択することが重要です。事業の大小に関わらず、誰でも主人公になれる時代。この物語から自分らしい人生の道を歩むことに繋がれば嬉しいです。未来は若い世代のためにあるのですから。

ではまたnoteでリアルでお会いしましょう。

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