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PCR検査、技師さんの方の話

新型コロナウイルスの検査はPCR検査と言います。
PCRは生物系の大学および研究所では基礎知識ですがそれ以外の人にはあんまり知られていなくて何のことか戸惑われたと思います。PCRとはポリメレースチェインリアクションの略ですが、遺伝子の元であるDNAをDNAポリメラーゼという酵素を使って増殖することを言います。
PCRは本来はDNAの増殖方法であって検査法と言うわけではないのです。
今回の新型コロナウイルスの検査方法に選ばれたのは、検体の中に新型コロナウイルスが存在するか確認する方法が当初なかったからです。
RNAウイルスである新型コロナウイルスのRNAをDNAに変換して、そのDNAを増殖させて新型コロナウイルスの遺伝子があるかないか判定する以外に検査方法がありませんでした。
抗原抗体検査ができるようになるまでPCR検査だけしかなく大変でした。

PCR検査は喉や鼻の奥の粘膜を取ってどこかに送って検査してもらうこともあるのですが、この検査をしている現場の話はあまり聞いたことがないと思います。
今でこそPCR検査ができる病院もありますが、PCR検体を持ってまとめて検査をしている場所があります。
これだけPCR検査しているのだからさぞ求人は沢山あると思ったのですが意外と見かけません。
専門サイトでしか募集していないのでしょうか?
おそらく臨床検査技師の資格がある人が主に検査をしていると思います。

8連チューブに左手の試薬を分注している写真。
検査の作業をする時はこの写真のように防護服を着ていると思います。
普通の実験では左手に持っているような大きさのチューブを使いますが、8連チューブを使うのは一度にたくさんの検体を検査するためだと思います。

この8連チューブのフタは8つのチューブ全てとつながっているので非常にフタが開けにくいのです。
私は実験中に(コロナウイルスではないですよ)8連チューブのフタを開け損ねて何度か中身をダメにしてしまいました、とほほ。

検体は鼻や喉の粘膜の不要な部分を取り除きながらRNA→DNAに変換してDNAを増殖させます。
以前は検査が最初から最後まで数時間かかっていましたが今ではかなり時間が短縮されました。
ウイルスに汚染された検体を扱っているので防護も大変かと思います。
次回は防護服について書こうと思います。

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