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広告クリエイティブは聖書もわかりやすく語れるのか?その78

普段広告のクリエィティブ業をしつつ、プロテスタントの教会でお子様にお話をさせていただいています。その原稿を公開するシリーズ。今日はサムソンのお話です。旧約聖書は荒唐無稽な話ありますがキングオブ荒唐無稽です。ペリシテ人VSユダヤ人の血で血を洗う大抗争。やられたら、やりかえすの連鎖。その連鎖を終わらせるのが、というお話。


29:それからサムソンは、建物を支えている真ん中の二本を探りあて、一方に右手を、他方に左手をつけて柱にもたれかかった。 30:そこでサムソンは、「わたしの命はペリシテ人と共に絶えればよい」と言って、力を込めて押した。建物は領主たちだけでなく、そこにいたすべての民の上に崩れ落ちた。彼がその死をもって殺した者は、生きている間に殺した者より多かった。 31:彼の兄弟たち、家族の者たちが皆、下って来て、彼を引き取り、ツォルアとエシュタオルの間にある父マノアの墓に運び、そこに葬った。彼は二十年間、士師としてイスラエルを裁いた。

日本聖書協会

旧約聖書っぽい話
旧約聖書のイメージ、みなさんどんなイメージでしょうか?3000年以上前の話だったりするんですが、遠いお話ですよね。時間も場所も遠いところで起こったお話。特に今日の話はめっちゃ旧約聖書っぽいお話。っぽいってどういうことかっていうと、めっちゃワイルド。2024年の感覚からしたら、え?ほんまに?っていうお話です。旧約聖書の中でいちばんワイルドな話かもしれません。でも、その中身をよく読んでみると、今につながっていて、そしてイエス様が来られた意味にもつながってくるというお話なんです。どんぐらいワイルドなのか、読んでいきましょう。
 
サムソナイトの語源
今日も士師記、これはモーセさんと一緒にイスラエルに戻ってきてから、サウル王という王様が出てくるまでの間のころのお話です。その間は士師というリーダーが国を治めていました。日本だったらいまは首相、アメリカだったら大統領みたいな感じですね。その士師、先週はギデオンさんでした。今日はサムソンさんという人。サムソンさんはめっちゃワイルド、タフな人で、みなさん旅行する時にコロコロひきずって持っていくトランクありますよね。あのブランドでサムソナイトというブランドがあります。まさにこのサムソンさんをイメージしてつくられた、創業者がタフなイメージをつけたくて名前をつけたそうです。
 
生まれる前からペリシテ人と戦うことが決まっていた。
その頃のイスラエルの人たちは、神様に対してまた逆らったこともあって、ペリシテ人という近くの大きな国に支配されていました。そんなときにマノアという男の人がいて、その奥さんがなかなか子供が生まれなかったそうです。その奥さんに神様の使いが現れていいました。「あなたはなかなか子供ができませんね、でも今度子供が生まれます。その子供は、神様のために働く子供です。」と。このへん、何かににてますよねえ。そうイエス様が生まれる時によく聞く話。エリサベツさんの時とそっくりです。そして神様の使いがいいました。「神様にささげられているので頭にカミソリをあててはなりません。」と。カミソリってわかるかな?髪を切る道具ですね。どういうことかというと髪を切ってはダメですよということです。まだ生まれてないのに!不思議ですね。そして彼は「ペリシテ人の手からイスラエルを解き放つ救いの先駆者となろう」と。つまりサムソンさんは生まれる前からペリシテ人から救ってくれる人として約束されていたんですね。
サムソンさんはそこからペリシテ人といろんな場面で戦うことになります。

ロバの骨で1000人殺すサムソン
 ユダヤ人のひとたちからしたらサムソンがんばれ!ということなんですが、なかなかそうもうまくいかなくて。サムソンが戦うことで、戦争になってしまってユダヤ人も死んでしまうことが起こってしまいます。そこでユダヤの人たちがサムソンを縄で縛ってペリシテ人に引き渡したりしたんですね。もう好きにしてくれ!と。そうしたらペリシテ人は大喜び。サムソンが縛られてやってきたんですから、やっとあの厄介な、暴れん坊がいなくなるぞ!と嬉しかったわけです。ところが、そこで神様がその縄を燃やして解いてしまったんですね。みなさん、絵が浮かびますよね。ブチブチブチ!そしてなぜかそばにあったロバのあご骨を手にとってあたりにいたペリシテ人を1000人殺してしまったそうです。ハリウッド映画!って感じですよね。またペリシテ人からしたら、サムソンめえええってなりますよね。
 
デリラに騙されるサムソン
あるときサムソンはデリラさんという女の人を好きになっていっしょに住んでいました。ペリシテ人の人たちはデリラさんに、お前といっしょにいるサムソンになんでそんなに力があるのか聞いてくれ、スパイしてくれと頼んだんですね。そこでデリラさんはサムソンさんに聞きました。「あなたの怪力がどこに秘められているのか、教えてください。あなたを縛り上げて苦しめるにはどうすればいいのでしょう。」そこでサムソンさんは答えました「7本の弓の弦でわたしを縛れば、わたしの怪力なくなりますよ」そう答えたのでデリラさんはその通りにしてみました。これでサムソンさんも力がなくなるかなと思ったら、またブチブチブチ!って切ってしまいました。デリラさんは怒りました。なんで嘘つくのん?と。そしてまた聞きました。どうすればあなたの怪力がなくなるの?と。そうしたらサムソンさんは答えました。新しい縄で縛れば、でもそれも嘘でブチブチ!つぎはちょっと複雑でサムソンさんの髪の毛と糸を織り込めば、と。織り機に髪の毛を巻き込む感じですね。これなら、と思ったら織り機ごとぶっとばしてしまいました。また嘘ついたんですね。デリラさんがもう毎日毎日、なんでなんで?って聞くものだからサムソンさんついに秘密を打ち明けてしまいます。「私の髪の毛を剃ったら力がなくなりますよ。」と。これは最初にお話したサムソンさんが生まれる前から神様に言われていたサムソンさんの怪力のもと、これは本当です。
 
怪力と目を失うも髪は伸びていたサムソン
デリラさんはサムソンさんが寝ている間にサムソンさんの髪の毛を剃ってしまいました。サムソンさんは剃られているけれどもいける!と思って朝起きてペリシテ人をやっつけにいこうとするんですが、力がでなくなってしまってペリシテ人に捕まってしまいました。ここから酷いんですが、、サムソンさんの目をくり抜いてしまって見えなくしてしまって、ガザといういままさに戦争が起こっているところにつれていって、粉を引く奴隷にされてしまいました。
でも22節に「しかし彼の髪の毛は剃られた後、また伸び始めていた」と書かれています。いやー、面白いですよね。そしてペリシテ人は大喜び、大騒ぎ。やった!ついに目の上のたんこぶ、サムソンがいなくなったぞ!と。そしてパーティーが盛り上がって、ペリシテ人がたのしくなっちゃって、そういえばサムソンつれてこい!ってなったんですね。そして目が見えない、そして足枷をつけられて、情けない姿のサムソンをみんなで見て笑い物にしようとなったんです。そこでサムソンは、一緒にいた人に、柱にもたれかからせてくれ、と頼んだんですね。あーわかったよ、と柱のそばにサムソンさんを案内しました。すごい神殿だったみたいで、柱が支えるその上には3000人もいたそうです。

2度目の復讐
髪の毛も伸びていたサムソンさんは神様にお願いしました。28節「わたしの神なる主よ。わたしを思い起こしてください。神よ、今一度だけわたしに力を与え、ペリシテ人に対してわたしの二つ目の復讐を一気にさせてください」と。ここで一回目の復讐は先ほどお話したロバのあご骨を振り回した復讐ですね。
そして、やっと今日読んだ聖書の箇所です。サムソンさんはその柱2本を両手で、髪の毛があるから出るものすごい力で押して、2本の柱を折ってしまいました。その神殿のいちばん大事な柱だったので神殿は崩れ落ちてしまいました。ガラガラガラ・・・・。そしてサムソンさんも死にましたし、ペリシテ人もたくさん死にました。いままでサムソンさんが殺した人数よりも多い数を一気に殺したという大事件でした。ものすごいワイルドなお話ですよね。
とても旧約聖書らしいお話。これは復讐、つまりやられたらやりかえすお話の究極、の復讐劇です。
これを読んで何を思えばいいのでしょうか?ひとつ、サムソンさんに神様は味方してくれました。神様は復讐していいよと言っているのでしょうか?
 
イエスキリストがつかう力
そこで私たちには新約聖書があり、イエス様がいらっしゃいます。イエス様は復讐してはならないと私たちに教えてくださっています。イエス様はわたしたちにゆるすことを教えてくださいました。それはとても難しい、やられたら、やりかえす、それが普通。実際にこのサムソンの出来事がおこったガザでもやられたら、やりかえす、が繰り返されています。でも、私たちにはイエス様がいまも一緒にいてくださって、ゆるす力を与えてくださっています。十字架にかかり、わたしたちの罪を許してくだった十字架の上から「おゆるしください、何をしているかわからないのです」と言ってくださったイエス様。憎しみの連鎖、やられたら、やりかえす、この連続を終わらせることができるのはイエスさまだけ。あたえられた力を復讐に使うのではなく、ゆるすために使う。その新しい力の使い方をわたしたちに教えてくださったのがイエス様、それが新約聖書です。わたしたちのまわりでも起こるやられたら、やりかえす、の世界の中で地の塩世の光として教会に来ている私たちだからできること、あるんです。

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