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【感想文:1】朝倉未来「強者の流儀」

「2021年でやってみよう」とおもっていたものの一つが「読書などをふくめてインプットをした感想文を定期的に書く」ということ。

なぜこれをやろうかと思ったかについては、会社の先輩から「年間100冊本を読むだけ」より「年間30冊を読んで、アウトプットする方が脳への定着も良いし、身になるよ」と聞いたからです。

ぶっちゃけこうやってドキュメントにする程でもなく「口頭で教える、感想を伝える」という程度でも良いらしいんですが、せっかくなのでnoteに書いてみることにしました。

今回読んだ本が朝倉未来さんの「強者の流儀」という本です。何を隠そう僕はかなりの「総合格闘技音痴」というかほぼ格闘技について無知です

なのですが、2020年の年末にTVで何となく見たRIZINで朝倉未来選手が出ていて「なんか良くわからないけど気になって」しまったので本を購入して読んでみたのでした。

Amazonにはかなり悪い評判と良い評判が出ていましたが、個人的には割と学ぶ点があったなと思いました。というか「格闘技ってこんなにちゃんと考えてるんだ」ということが良くわかったので、その点が一番学びになったのかもしれません。

以下、箇条書きで思ったことをつらつらと書いていきます。

メタ認知能力が高い

気になったキーワード 練習を録画する/感想を聞く/第三者視点を持ち続ける、「自分の体をモビルスーツ」として考える....など

本全体を通して語られているのは「とにかく客観的に見る」という点。客観的に見る事にはメリットがたくさんあると思いました。

・感情に支配されて「反応」で物事を進めるような事が少なくなる。
・客観で考える事で「常に最前手を考え続ける」「状況を修正していく(し続ける)」ことがしやすい。
・物事を修正しやすく、失敗が少なくなり、結果的に「成功する確率が高くなる」

特に一番驚いたのが、「自分の体をガンダムと考える事」。試合中や練習中に自分を乗り物として考えて、痛み(ガンダムで言えば損傷)などを客観的に見るようにしているというお話でした。

自分の思考として「複雑なものを単純化して理解/判断するのが怖い」というのがありまして、なのでメタ認知能力が結構必要だなと常々感じており、この点は強く共感するポイントなのでした。

目標設定が上手い

本の中で「目標設定」について語られていますが、朝倉選手はこの辺がすごく上手いのかな、と考えました。

その昔、チームマネジメントをしていた際に、メンバーに対して目標を設計するのですが、そこで難しさを感じたのが「あまりにも高い目標」でも「あまりにも簡単な目標」でもなくて「ちょっと無理をしないと達成できない」という目標を立てる事でした。

人は「ちょっと無理をして新しいことにチャレンジをして健全に成長していく」かと思っているのですが、この辺は「主観が強すぎる」メンバーだと自己評価が高過ぎ/低過ぎで上手く目標が作れなかったりします。

この点、朝倉選手はすごく上手いなと思いました。これも「自分を徹底的に客観的にみられているから」なのかなと思いました。

途中まで読んで思った朝倉選手の成長サイクル

徹底的に研究/対策→実践&振り返る→強くなる→余裕が出る→視野が広くなる→視野が広がる事でより新しい事を学べる→そしてまた実戦へ.....

こんな感じで成功の循環を作っているのかなと思いました。さらに、この流れの中でトラブルなどあっても「修正力」で事態を悪化させない。この能力によって無駄なくサイクルを回し続けているのかと思いました。

依存とバランス感

気になったキーワード 一つのものに依存しない/バランスを整える/ミットうちはもうやらない/新たな事を取り入れるメニュー

また、もう一つ全体を通して感じるのが「一つのものに依存しない」ということ。

「格闘技だけやらない」ことで「価値観や視野をを固定し過ぎず、結果的に視野の広さと柔軟な発想を持ち続ける」ということに繋がっているのかなと思いました。

この辺は僕らにも重要なポイントかなと思うのですが、例えば「ずっとバスケだけやっていて、普段の生活もバスケ一色」という場合において、他社の評価も「バスケの上手さや知識で計ってしまうような事がある」ということ。

ある一つの断面で他者を評価し、判断する。という思考には僕自身もおちいりやすいので、常に新しい価値観に触れて、評価軸を更新し続けなくてはと考えさせられました。

無駄なことはしない/新しい練習をする

「無駄なこと(練習)はしない」「だらだらした4時間の練習より、集中した2時間の練習をする」とも語られていて、ここは完全にアグリーでした。

また発見だったのが、「本質にあまり関係ない練習はしない」具体的にいうと「ウエイトトレーニングやランニングなど総合格闘技において(少なくとも朝倉選手にとって本質的ではない)練習はしない」と語られていたのが、印象的でした。

「本質的ではない」ことについて、ここは僕の解釈ですが「その領域やその当事者において伸び代があまりない」ことはせず「成長の伸びしろが大きいところに着手する」ことなのかなと感じます。

確かに、NBAのジェームズ・ハーデンが「ドリブルの基礎」を練習するより「誰もみたことのないステップバック」を練習した方が本人にも、またバスケットボールというシーン全体にも成長の余地が与えられる、と、そのような受け止めをしました。

背景や意図を理解する

「取り組む事の背景や意図を理解する」という事はどんな事に対してもすごく重要かと思います。

何かをお願いする時、ただ、「〇〇をやっておけ」とお願いするより「〇〇に使うので〇〇をしておいてくれない?」とお願いすると、割と人が動いてくれると思っています。

これは自分に対しても当てはまるのかな?と思います。コミットしていくには「なぜやるのか?どうしてやるのか?」という行動に対する原理が分かってからやる事で「工夫や考えて取り組む」事が能動的にできるのかな?と考えました。

もの凄い「準備」

朝倉選手が何回か本の中で話していた事が「臆病に準備する」事。これについてはもう少し砕いて言うと「相手を想定よりさらに強く想定する」という事。

相手の強さを「多く見積もる」事によって、実際の試合では「余裕を持って対応ができる」のだと思いました。

そして個人的驚いたのが、「何十回もビデオを見て相手の癖を見抜きそこに対応する」「対戦時のプランは何パターンか用意する」「セコンドの指示を使ってフェイクをかける」などなど綿密な準備で勝負に挑んでおり、まさに「臆病な準備」を体現しています。

全体的な感想

個人的には「格闘技についての認識が変わった」読書体験でした。今まで「格闘技は身体能力や先天的な才能が左右する豪快なスポーツ」と認識していました。

今回はそれをいい意味で壊され、今後、格闘技を観る目が変わるのかなと思いました。また、仕事にも役に立つポイントを学べたのも発見だと感じます。

今回は新年から視野を広げるいい読書をできたなと感じました。

追記

最終章にあった恋愛観についての話はいらなかった気がする。

今回はAmazonのオーディオブックを導入したので「読んだ」というか「聴いた」という方が表現としては近いです。

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