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目的的な学びはインストラクションに優る

#医療教授システム学

#医療ID

Informal Leaning(Jay Cross)、読了後再読しています。同時にグリーンブックIV、learner-centered learningを取り出し再読を始めました。

ということで現在の関心はinformal leaning。

その頭を持って那覇の沖縄看護専門学校(おもと会グループ)を訪問しました。訪問の目的は2021年の日本医療教授システム学会総会・学術集会の会場探し。2021年の大会長である津嘉山さん(大浜第一病院副院長・看護部長)にご紹介いただき今回の見学になりました。

この記事のフォトは看護専門学校6階の学生フロアの写真です。この開放感、一面に広がる沖縄本島西側の海、空の色、海の色・・・。

このフロアで学生が行っているのが目的的な学習です。この時期は4年生が来年春の国家試験に備えてグループで勉強しています。

目的的で、会話と情報の共有化を基盤とした学習が成果を上げないはずがありません。このフロアの設計と使い方のデザインは学校が意図したものですが、学生はこの環境を自分たちが思う通りに使ってlearner-centered learnigを実現しています。

Grant LK, Spencer RE: The Personalized System of Instruction: Review and application to distance education. Int Rev Res Open and Distance learning 2003に、どんなに優れたインストラクション(ティーチング)よりPSIの方が効果が高い、とあります。この論文を羽田からのフライトの中で読んでいたので、まさにこの風景がPSIだ、と直感しました。

学校の講義、BLSコースのインストラクションは意図的なインストラクションです。カリキュラムがあり、合否判定があり、学習のスケジュールがあります。インストラクターは、カリキュラムに沿って、時間内に、学習者が合格することを満たせるように意図的にインストラクションを行う必要に駆られます。これがフォーマルラーニングと意図的なインストラクションの関係になります。

先ほどの論文の結論は、どんなに準備された上手なインストラクションでも、学習者の目的的な主体的な学習の成果には及ばないということ。学習者の主体的な学習の仕方の一つがPSIで1960年代に開発されたデザイン手法です。現在も実践・研究が行われており、その意味では信頼性が高い方法だと思います。

医学教育、看護学教育は基本的にコンテンツの学習です。今使われているコンテンツ(教科書)を利用して二次教材を新たに作りPSIを導入すれば、医療職の能力開発はより効果的に・より経済的に、なにより圧倒的に学びやすくなります。

というのが今後12年の方向性になります・・・。そのことを沖縄の西の海を眺めながら共有できればと考えています。



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