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すみません より『ありがとう』

今日は、『大人の学びなおし』番外編…………『道徳』の授業です。


4月から資格取得のため通学をしております、定時制商業高校の社会人コース



先日、現役生に混じって『生徒総会』がありました。(社会人コースでも、『高校』なので基本的に現役高校生とほぼ同じ行事に参加義務があるのです。)


その時の学年主任の先生の話。A先生としましょう。歳の頃、40歳前後の熱血男性教師、といった感じです。



話し初めの生徒たちの反応を見ると、恐らく、生徒からの信頼も厚い教師なんでしょう。



ちょうど2カ月ほど前に、自宅で足の骨折をしたということで、人生初の松葉杖をつくことになったようです。その時の事故の様子を振り返って話し初められました。



病院に行くと、手術が必要なほどの骨折で、結果、ボルトを入れ、石膏で固め・・・手術の次の日から松葉杖生活になってしまいました。



石膏で固めているものの、痛みも残っている状態での通勤、ということで、普段と違う生活の中、A先生は、色々な気づきがあったようです。




それは………


通勤の車内では毎回すぐに席を譲ってくれる。




生徒も優しい言葉をかけてくれる。


職員室で先生たちも優しくしてくれる。


周囲の反応が、普段と大きく変わったようです。



世の中、心優しい人が多いのだなと改めて感じたということでした。



さてさてそんな中、2カ月が経過し、今回の生徒総会がある数日前には念願のギプスが取れ、若干の痛みは残るものの、何とか自分の脚だけで歩くことができることになりました。



痛みはあるものの、見た目は普通に生活をしている教師、に戻りました。



そこでA先生、今度は、松葉杖生活とギプスが外れてからの生活を対比して、話を続けました。



当たり前の話だけど、と前置きをしてから、松葉杖なしで通勤電車に乗ったとき、これまでと周囲の対応が違う、と苦笑されました。



自分の中ではまだ足は痛いし、満員電車で足を踏まれたら………とドキドキしながら乗っているけど、ギブスをしていた時のように、周囲のあたたかい反応が一切ない、と。



もちろん見た目では、まだ痛い、というのは周囲にわかる訳がなくて、スウェットを着た熱血系の40歳前後の元気なおじさん、としか見えないでしょう。



A先生は、そんな自分の体験談を話したあと、最後に今回の骨折で、改めて感じたことを2点話されました。



まとめると、1つめは、『思いやりを持って相手に接する』ということ


見た目ではわからないけど、痛みを抱えてる人が世の中にはいる。

『ヘルプマーク』や『マタニティマーク』でひと昔前よりはわかりやすくなっているけど、身体的な痛み以外にもメンタル的な痛みもある。

相手にできるだけ、でいいので想像力を働かせて接しましょう、ということ。


2つめは、『ありがとう』の言葉の大切さ


A先生は、松葉杖の状態で、通勤電車、駅から学校までの道中、職員室、生徒から……

生活の様々な場面で、優しくされました。




道や席を譲ってもらった時、はじめは「すみません」と言うだけで、とっさに御礼の言葉が出てこなかった。けれども次第に、自然に気持ちを込めて「ありがとう」と返すようになったようです。


「すみません」から「ありがとう」に変わったことで、相手はニコッと笑ってくれるなど、気持ちが伝わった瞬間を感じるようになった、とあらためて『ありがとう』の大切さを身をもって感じた、ということです。



翻って、大人になると、こういった当たり前のことって、日頃意識して考えることが少なくなります。



A先生のお話は、学生時代の道徳の授業を受けたような、あらためて立ち止まって考える時間、となりました。まさに『学びなおし』でした。


誰しも同じような経験があるのかな、と思いつつも敢えて、記事にさせて頂きました。


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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