【連載小説】朝陽のむこうには ~サバトラ猫のノア~ 5〈全8話〉
それから僕は何日も何日も歩き続けた。方向は間違っていないはずだ。
ある朝、見覚えのある街にたどり着いた。
ここ、覚えている。見覚えのある公園、見覚えのある家並み。
どんどん足早になっていく。
僕の家は、そう、この角を曲がったところ。
あった!僕が住んでいた家!
僕の家に向かって駆け出した。たどり着きドアを見上げる。
かつてのように自分でドアを開けて入っていくことはできない。
しかたなく僕はドアの前で長い時間待ち続けた。
突然、カチャリと音がしてドアが開いた。誰かが出てく