見出し画像

教員採用試験に合格して、来年度から働き始める人は

教員採用試験に合格して、来年度から働き始める人は、

(どこが赴任地かなあ。まだ決まらないかなあ)

とそわそわし始める頃ではないだろうか。どこに決まるのかは、結構人生を決めるように感じるからそわそわ、どきどきだろう。

新任がどこに決まるかは、退職する先生、異動する先生、新年度の子どもの数が確定しないとなかなか決まりにくい。だから、新卒の場合、都道府県、市町村名ぐらいはなんとなく決まっても、学校が決まるのは3月というのが結構ある。私は3月も25日を過ぎてから決まったなあ。

赴任地の希望はできる。でも、希望ってのは、希な望みなんだよね。どこに行くか分からない。大学受験までの希望とは希望の意味が違う。大学受験までは、親、先生、塾の先生までもが、あなたの「望み」をかなえる為の大応援団になる。しかし、仕事の場合そんなことはない。

仕事は、依頼されて、それを完遂して、成果を出して、次の仕事をまた引き受けてという流れに乗る。んー、乗れることが望ましい。依頼から始まる。それが出来ないと次は無い。教師の場合、公務員が多いので次もあるんだけど、実際はないような気がする。そこに行けと言われて、降ってくる仕事にどう応えて行く。これが仕事。希望とはほとんど関係ない。

どこに着任するかは、あなたの人生においては極めて重要だろう。が、子供達から見たら、保護者から見たらどう見えるだろうか。当たりとか外れとか言われるかもしれない。ま、そうだろう。じゃあ、いまどうしたらいいのか。はずれとか言われない為には。いろいろな教育書を読むことも大事。でもね、もう一つ大事なことがある。

それは、あなたが赴任する土地の歴史を勉強することだ。都道府県、市町村。この二つのカテゴリーで勉強しておくこと。子供達が、親たちが知らない、その土地の素晴らしい部分を理解しておくこと。ほら、東京人が東京タワーを良く理解していないように、その土地の有名な場所を知らない人は多い。

更に言えば、ちょっと調べれば分かる事実のレベルを知らないまま、ん十年生きている親たちもいる。万葉集第一巻の最初の歌は雄略天皇の「国褒め」の歌だ。この土地はとても良い所だぞと褒めている。先生と天皇ではまあ、違うけど、でもね、外からやって来た先生が「ここはいいところだね」と言う。

それは大事なことだと思う。先生が「ここは酷い所だねえ」というのと「いやあ、ここはいいところ」というのでは、全く違う展開になる。だから、新しい赴任地が決まった先生は、その土地の良い所を沢山、沢山手に入れておくべきだと思う。地元の図書館で地誌を手に入れればわかることだ。赴任が決まった市町村役場に行けば資料はあるはずだ。

卒業旅行でここではないどこかへ行って、見聞を広げることもとても大事。それと同じ位にあなたが赴任するここを理解することも大事。「これって、◯◯にある、あれですよね。素晴らしいですよね」と保護者の前で言えたら、保護者はあなたのことを簡単には捨てないでしょう。その学校の一員として受け入れてくれるでしょう。

自分の住む土地を褒めてくれる人を、悪く思う人はいませんって。

よかったらサポートをお願いします。いただいたサポートは、アーティストとしての池田修の活動費に使わせていただこうと思います。