見出し画像

同じ位置に立たせて考えさせるのがいい

小中学校では、学級内には様々な学力を持つ子供達がいて、学力格差がある。この差があるから色々な考えが生まれてきて授業は面白くなる。しかし、それは学力の低い子供たちが発言をするときであり、また、授業がうまくいくときである。


学力の低い子供たちが恥ずかしがって、怖がって発言をしないとき、授業は学力のある子供たちの発言で満ち、教師はその発言を見繕って授業のストーリーを作り、できる子供は益々できて、できない子供はそのままの授業になってしまう。


これを解決する方法の一つとして、私が比較的多くやっていたのは、学力の差をなくしてしまうということである。考えられる方法は三つある。下を上に揃える。上を下ろし下を上げて揃える。上を下ろして下に揃えるである。
通常は、下を上にと考えるが、これは実はなかなか難しい。上の子供に足踏みをさせなければならないし、下の子供はそう簡単に上に上がっていかない。だからすべきなのは、上を下ろして下に揃えるなのである。そうすれば、学力差はなくなる。


理屈ではそうだが、そんなことは可能なのか。私は可能だと考えている。それは、表面でわかっているものを深いところで考えさせることで可能になる。例えば、燃えるには熱、酸素、燃えるものの三つが必要だ。これは上の子が答える。


その上で、黒板に地球の絵を描いて、「表面は土と水ですね」「内部は? そう数千度の熱で燃えています。なんで?」とやるわけだ。5年生ぐらいでこれがわかる子供はなかなかいない。「火山から酸素を地下に取り入れているんだ!」などと答えてくれる。


上を下ろして学力差をなくすには、指導者の確かな専門性が必要になる。学力差がない中で学ぶことができる下の子供たちは、実に安心して学ぶ。安心に楽しく学べるって、それは幸せだからね。

よかったらサポートをお願いします。いただいたサポートは、アーティストとしての池田修の活動費に使わせていただこうと思います。