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世界一流エンジニアの思考法を読んで思うこと

世界一流エンジニアの思考法
牛尾剛(著)

頭がいい人たちも操作動画を何度も見直して時間かけて理解するという話が書いてあると聞いて読んでみることにしました。頭のいい人は、すぐ理解して、すぐ行動して、失敗したらすぐ修正して、といったイメージだったので、それと実際どう違うんだろうか?と疑問に思いました。その理由を整理できればいいなと思い、読みました。

答えとしては、説明できるまで理解に時間を費やし、思いつきからの試行錯誤ではなく、情報を集めて仮説を立て、検討ではなく検証をすぐに行う、ということでした。長くなりそうなので分かった結果を先に書いておきます。生産性が高い、タイパいいまとめ方にしてみました。

今回も付箋がいっぱいになりました。

どんな本か

一流のエンジニアの思考法の紹介から、思考法、情報整理、コミュニケーション、生活習慣、AI時代の生き残り方と広い範囲の内容を扱っている本です。そこから「幸せを感じられるような働き方」を行う方法が紹介されています。

方法論の数々に「圧倒」されてしまったなら、足し算というよりは「○○○をやめる」ーー身を軽くすることがお勧めされています。「脳の酷使をやめる」「準備や持ち帰りをやめる」「マルチタスクをやめる」「情報の詰め込みすぎをやめる」「管理をやめる」「批判や否定をやめる」などなどです。

重要なところはすでに黒太文字+オレンジ入りでマーカーで強調されているので、そこだけ読んでみるという「全部読むことをやめる」という読書方法でも面白く読めると思います。

著者の思い

本書では、私がどうやって、一流エンジニアたちの思考法にもまれて、仕事の質と効率をテクニカルに高め、ソフトウェア開発の最前線で働いているか、現場で掴んだ技を皆さんにお伝えしていきたい。彼らはなにも全員が常人と比べて著しく頭の回転が速いわけでも、天才的記憶力を持つわけでもない。主に「思考法」(マインドセット)が高い生産性を形づくっているのだ。

海外チームにいて感じる日本の会社との一番大きな違いは、「不幸そうな人がいない」ということだ。みんな楽しそうに、人生と仕事をエンジョイしている。どうやったら自分の人生が幸せになるかを主体的に考えて、仕事の仕方を「選択」している

最後に皆さんに伝えたいのは、「自分の人生や幸せに責任をもって、自分でコントロールする」というマインドセットの素晴らしさだ。「会社で決まっているから」「上司がこう言っているから」と思考停止になり、諦めたら一瞬で終わり。でも自分で考えて、自分でチョイスをする人が増えていけば、その状況をきっと変えられる。

私の人生は私のものー。働き方は自分で決めて、もっと楽しもう。自らの手で選択して、幸福になろう。本書がその一助になれば嬉しく思う。

本を読んでのまとめスケッチ

TFFUは勝手に略した造語です

本書を読んで思うこと

著者の思いでまとめて書いたことが本書で伝われば良いことの全てだ!と言って終わっても良いのですが、いつもの考えと異なるマインドセットについての紹介と、本書を読んで自分はこうしようと思ったことを書こうと思います。

まずは、マインドセットの比較を書いていきます。
「一般の思考法→世界一流の思考法」の順で書いてます。

・量→価値
検討→検証
作業できる→説明できる
社員→ステークスホルダー
・会議の準備→会議内で成果
マルチタスク→一つのタスク
・アウトカム→タイムボックス
・仕事量で管理→仕事時間で管理
仕事は我慢するもの→仕事は楽しむもの
早くできるように頑張る→理解に時間をかける
・コマンド&コントロール→サーバントリーダーシップ

なるほどそうかと思う内容が多いですが、それはそうだよなと思う内容があります。

「それはそうだよなと思う項目」

どうしてそれはそうだよなと思うことがあるかというと、すでにそう考えていることだったからです。ただ、残念ながら自らの意思で辿り着いたわけではなく、現在の環境と制限からそう考えざるをえなかっただけです。

例えば、現在の状況だと、チームのメンバーにあれこれ細かく指示できていません。私の場合はそれをする時間がないからできていなかったりします。ただ放置しているとチームとしての動きが成り立たないので、動きやすいような環境を作るように行動をしています。

自分がコントロールできないから結果としてサーバントリーダーシップ型を目指しています。
(できているかは置いといて、です)

さらに細かく書くと、私の年齢も上がってきたので、その分組織図の中で下に書かれるメンバーが増えてきます。基本的にはピラミッド形状の組織になっているので、下のメンバーが動きやすくすると人数が多い方の成果が上がるので、チーム全体の成果は上がります。そのため、人数が少ない上を動きやすくするより、人数が多いほうの成果が上げた方が良いと思ってたりします。

限られた時間の中で、最大の効果をあげるためにはどうしたら良いかを考えるようにしています。やった方が良いこと、やるべきこととされていることは無限にありますが、その全てではなく、やれる時間内で行えることを最大限行えるようにしています。

結果としてタイムボックス(仕事時間で管理)型の思考になってます。
(残業しているので本当の意味でタイムボックスではないのですが)

「環境により人は変化する」

上に書いたように私は環境によって変わってきています。ただ、環境によって変化するのは自分だけではなく、人類全体の一般論としてもあることだと思います。時代ごとで考え方が異なるのは、その時代の文化や環境が違うので、時代ごとに価値観が変わっているのだと思います。環境によっていくらでも価値観が変わり、人の動きが変わる。

そうすると人を動かすには外的要因が重要になってくるということになります。著者も自ら学ぶ必要性からコミュニティに入ったり、マイクロソフトに努力して入社していたりします。(それだけで著者が書かれているように三流ではない気がしますが。)

私もよく自分がこういうことをしたいなと思う時は、それをしないといけない環境に身を置いたりしますが、環境から影響される仕組みをハックできれば、望む価値観が生まれ、変わっていけそうな気がします。なので、「2024年問題である働き方改革」という環境をうまく取り入れて、自分の価値観を変えて、それに適した能力を身につけれればと思うようにしています。

その結果、上に箇条書きで書いた項目が「なるほどそうか」から「それはそうだよな」に変わっていけると個人として一流の思考法を手に入れていける可能性がありそうだと思ってます。ただ、個人はそれで良いとして、大きい組織はそれだけでうまくいくかというと難しいと思います。

アンケートを真面目に答えても変わった実感はなく、残業時間の短縮が45時間という課題間近に迫った現状でも大きな変化はあまり感じられていないのが実情ではないかと思っています。(昔みたいに24時間働いて日曜だけ帰るという働き方は確実に減っていると思いますが)

外的要因で変わりきらないのであれば、それ以外に変わる要因を作る必要があります。そのための話し合いは必要なことだと思いますが、意見を言い合う、話し合うだけでは、組織としてこうしないといけないという環境を作りきれないので、変われないのではないかと思いました。それだけでは「検証→検討」に移っていけないイメージがあります。

どうしたらよいかと考えると、新しい価値観で働くことが組織にとって良いことである、もしくは価値があるという結果を作ることができれば、それを評価せざる得なくなり、その結果として組織を変えていける可能性があるのではないかと思いました。

役職が課長に当たるので、36協定外の経営者側の社員ではありますが、上層部ではないので、私が行う行動はボトムアップに分類されると思います。ボトムアップの意見で人を動かすのは難しいですが、どう行動するか考えてみます。

たとえば、不幸そうな人の不幸度合いを少しでも減らすとか、評価されづらくても組織にとっての価値を自分の周りの環境でつくり、その環境で動く方が結果としてなんだか良いという状況をつくるとかが実際に行えることかと思います。

新しいやり方で今の価値観の中で価値を出す。その結果として上が評価され、組織が評価され、それが基準となり組織の価値基準となる。上を変えるの難しいのですが、今の評価基準では明確に評価されることではないことで、結果としてなんだか良いと認められていくこと、変わらざるを得ない環境として作り出していくことが、今出来るボトムアップの形ではないかと思っています。

どこかで実現したいなと思う一文を紹介して終わります。

「生産性を上げるためには学習だよ。だから、僕は仕事を定時ぐらいで切り上げる。その後で、自分のやりたいトピックを勉強したり試したりする」

本当に生産性を上げたければ長時間労働をやめないといけない、というシンプルな事実があるそうです。木こりのジレンマと言われているようなことですね。でもまぁ、そんな高い意識や理由がなくても定時に帰りたいですけどね。


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